かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

初出勤!

2011年01月31日 | 病院でのインターンシップ

今日はついに、インターンシップ初出勤でした!!!

いやー始まるまで長かったこと!

コーディネートしてくれる上司にあたる方が体調不良で一週間ちょっと病院に来れなかったため、

インターンシップ開始も当初の予定より一週間遅れたんです。

昨日はあまりにもドキドキして落ち着かなかったので

ずっと見たかった「インセプション」という映画を見ちゃいました。

そしたら、さらに興奮して、こんなタイミングで見なけりゃよかった・・・と反省。

(でもおもしろかったですよ!)

 

今朝は6時前に起床し、顔を洗ったら水道から水が出なくなった・・・

なんでこんな大切な日に!!!とハウスメイトと大慌て。

というのもハウスメイトは5時前に起きて出張に出る直前だったからです。

こりゃ大変ってことですぐに下に住んでいる大家さんを起こして、「水が出なくなった」と訴えると、

「ああ~そっか」って、何がそうかって、どうやらめちゃめちゃ早朝に水が流れる音が長い間してるのに気づき

「水漏れかも!?」って思って水道の元栓締めちゃったらしいんです。

大家さんは英語がとっても苦手なので、朝早くから一生懸命身振り手振りで説明してくれました・・・

ありがとう・・・

朝の4時とか5時とかにシャワー浴びてたらそう思うのも無理ないですかね・・・。

というわけですったもんだの挙句、無事初出勤は時間通り病院に着くことができました。

今日はとりあえずいろんな人にあいさつしたり、病院のIDカードつくったり

パソコンにアクセスできるようにしたり、事務的なことと、

付いている人と一緒に打ち合わせに参加したり。

あと、この病院のポリシーや理念(企業理念みたいな感じ)や、規則などを読んで勉強です。

その中のポリシーに「世界レベルの料理、栄養、ホスピタリティサービスを提供する」っていうのがあって、

本当にびっくり。目指す姿はアメリカではなく世界レベルの病院。脱帽・・・。

そうそう、先日病院にあいさつに行ったときにニューヨークタイムズの取材が来ていたと書きましたが、

それがすでに記事になっていたらしく、どれだけ料理の質に力を入れているか、

どれだけ癌患者においしく食事をしてもらうことが大切かが、

写真つきでウェブサイトにも載っています。

もし興味がある方がいれば以下リンクからどうぞ

http://www.nytimes.com/2011/01/16/nyregion/16sloan.html?_r=1&scp=1&sq=Memorial%20sloan-kettering%20cancer%20center&st=cse

ちなみに今日のランチは

地中海風鶏肉とヒヨコ豆の煮込み・ほうれん草ピラフ・ズッキーニの炒め物

でした。

あまりのおいしさに感動!しかも私は病院で働いているってことで

タダでご飯が食べれるので幸せいっぱいです

これからは昼ごはんが一日のメインの食事になりそうです。

これからできる限り病院でのランチ写真アップしていきますね

でも病院にごはん食べに行くのが主目的ではないのであしからず・・・


アメリカの栄養サポート3

2011年01月28日 | RD(アメリカの管理栄養士)

今日はA先輩にアメリカの緩和ケアについて少しお話を伺うことができました

私のずっと疑問に感じていた祖父へのTPN。

最近、一番近くで介護をしていた母からその時の状況を教えてもらいました。

どうやら祖父は胆のう癌を取る際にその他の部分も切って、

小腸を胃につなぐ手術もしていたらしい。(Whipple procedure みたいな感じかな???)

そのため、術後は食べたものがちゃんと流れる道筋をつくっていたはいたんだけど

結局その流れがうまく流れず、口から食べられないし、

ENもできないってことになったようです。

A先輩に聞いたら腸が細くなってうまく流れなくなることもあるって。

そういうことだったのか・・・。

手術の説明を聞いたときのメモとかは日本においてきてしまったので、

今確認することはできませんが、

今更、そういう経緯でTPNだったのね・・・。

と納得しました

ただ、祖父のケースがアメリカだったらどうなっていたのか、

癌をすべて切除できなかった上、CTもRTも今更効果ないしってなって、

緩和ケアにすることになったんだけど、

アメリカでは緩和ケアに栄養ポートは一般的に行わないって教科書にも書いてあるし・・・。

 

告知するかしないか・・・。ここにアメリカと日本の医療の大きな違いがあるようです。

日本は癌の告知をするしないって、よくドラマにもなっちゃうぐらいだけど、

告知をしないことにする家族も多いと思います。

アメリカは本人が知る権利があるってことで、告知するのが当たり前。

むしろ本人に本人の病状隠してたら訴えられる???

というわけで、緩和ケアにするかどうか、そして栄養サポートをするかどうかも

本人や家族、医師や、緩和ケア専門の医師や看護婦も交えて十分に話し合って決めるらしいんです

私の祖父の場合は本人に告知はしたけど、

最後の手術で全て取りきれなかったという説明をしてなかった場合、

本人に栄養サポートをするか、どうやって最後の時を迎えたいか、

しっかり話あうってことができないんですね。

これって、なんとも日本ぽい文化なのかもって今振り返ってみて思います。

私だったら癌だったら告知してほしいけど、

もう完治する見込みがなくなった場合に

口から食べ物も食べれなくなって、栄養サポートもせず、

最後の時を迎えたいって言えるかな?

そんな判断、したくないかな~。

しかも祖父のようにTPNしながら2か月くらい暮らしなれた家で家族とともに過ごせた、

そんな時間の価値は家族にとっても本人にとってもすごい貴重な時間だったと思うから

ほんとに人それぞれ、価値観も状況も病状も、家族の考え方もみんな違う。

医療に従事してると、普段接してても見えない、踏み込まない部分に

入っていかないといけない状況がたくさん出てくるんだろうな。

アメリカでの実習は、チーム医療を体験するだけでなく、

いろんな国のいろんな人たちの文化と生き方を垣間見ることのできる

貴重な機会

医療従事者として、知識だけではなく、人としても成長していきたいですね

 


アメリカの栄養サポート2

2011年01月28日 | RD(アメリカの管理栄養士)

今日、NYの日本人のRDの方にお会いしていろいろお話を伺うことができました

実はアメリカに来る前に読んでいたヘルスケアレストランという雑誌に

世界で活躍するRDの特集があって、その記事を久しぶりに読んでいたら、

その中で紹介されていたうちの一人がニューヨークの方だということに気づき、

ネットで検索して連絡してみたんです

そしたらちゃんとお返事をいただき、会いましょうってことに

私から見たら私のやりたいことをやっている大先輩にあたる方

全く知らない私からのメールに対して時間を割いて会ってくれるなんて

思ってもみなかったので本当に感激です

今日はハーレム(マンハッタンでも、黒人の多く住む地域)でランチをご一緒させていただきました

その方は聞いてみると日本の実家が、私の長年勤めていた職場の超ご近所ということで、

これまたびっくりです

スーパーオ?ムっていったら知っている人は知っていると思いますが、

実家がそのすぐ裏らしい。

世界は狭いです

ちなみにその方(Aさん)も私と同様、渡米して一年後に病院でのインターンをスタートした行動派

アメリカに来て一年では英語の不安もあるし、アメリカの食文化にもまだ

十分に慣れ親しんでないから、

苦労することもあったみたい。

私は自分に近い状況の中でもがんばって実習をこなして

そしてさらにRDの国家試験も合格し

ちゃんとアメリカの病院で就職してがんばっている先輩の話を直接聞けて

大きく励まされました。

私の場合はRDとった後はA先輩のように進むかどうかはわからないけど

実習開始前のもやっとした不安は

ちょっと晴れたかな

っというか、ここまで来たらやるっきゃないってことを、

今日A先輩と話していて再認識したって感じ。

実習しなかったら苦労もないけど、得ることもない。

苦労するってことは学んでいるってこと

何があってもどーんとぶつかっていきたいと思います

A先輩ありがとう!


アメリカの栄養サポート

2011年01月23日 | RD(アメリカの管理栄養士)

最近、インターンシップに向けて癌の臨床栄養の本を読んでいます

そこで気づいたことが一つ。

アメリカではTPN(中心静脈栄養)は癌で治る見込みのない患者さんにはまず使わないのだそうです

患者が食欲なくて食べれなくてもTPNはやらないらしい。

なぜかというと、これまでの研究の結果、TPNをしても栄養状態が改善されないからだということと、

費用が莫大にかかるから、それから細菌感染の危険性がEN (経腸栄養)よりも断然高いからだそうです

私の祖父は癌でもう手の打ちどころがなくなってから自宅でTPNを長いことやっていました。

祖父は食欲が全くなくて、食事の時間がとっても苦痛だったのでTPNにしてからは

がんばって食べないといけないということがなくなったので

とてもほっとしていたように思います

そして細菌感染もなく

最後の日まで穏やかに穏やかに自分の慣れ親しんだ家で暮らしていました

でもそれがもしアメリカだったら、TPNはしてもらえなかったんだなと思うと

日本で闘病できてよかったなと思います

たとえTPNで栄養状態が改善できていなかったとしても

生活の質(QOL)はTPNをすることによって確実に向上したと感じたからです。

アメリカの教科書にはTPNやENのような栄養補助は医療行為とみなされているので

緩和ケアの患者さんにはそれだけの理由がないとやらない と書いてありました。

たとえば結婚式がいついつにあって、それにどうしても参加したいから、とかが理由になるらしい。

でも、たとえ本人が治る見込みがないとわかっていても、

口から食べ物を食べられなくて、点滴もしてもらってなかったら

ああ、もうすぐ終わりなんだなってすごくはっきりわかっちゃう気がするんです

それって怖い気がしませんか?

点滴とかPNとかENとかしてもらってたら、

なんだかちゃんとケアしてもらっているような、

まだもう少し生きられるような、そんな気がするんじゃないかなと思います。

それって最後の一か月とか数日とかを前向きに過ごすことにつながらないのかな?

私の実習先は癌専門の病院なのでたくさんの人生がそこにあると思います。

退院していく人もいるだろうけれど、最後のひと時をそこで過ごす人もいる。。。

そんなところに私がいていいんだろうか、と思うこともありますが、

これから私がいろんな人を看ていくなかで、

この経験がきっとどこかで生きてくると思うので

目をそらさずに精いっぱい自分のできることをしたいなと思っています。

 

日本のTPNとかENの基準てどうなってるのかな?

患者がTPNしてほしいって言ったら結構簡単に通るものなのかな???

知っている人がいたら教えてくださいな。

 


パンツをはかない日 in NY

2011年01月09日 | 世界のトリビア

とっっっ突然ですが、今日地下鉄の駅ですごい集団に遭遇してしまいました!

パンツ(ズボンをはいていない)の集団です

どうやら今日は「パンツ(日本でいうところのズボン)をはかない日」とだったらしく、

気温0℃前後の極寒の中、みんなトランクスまたはパンツ姿なんです。

もちろんズボンをはいていないだけで他の服装や持ち物は至って普通。

ちなみにポイントは地下鉄の車両の中で突然今まではいていたズボンを脱いで

パンツまたはトランクス姿になり、

そのまま普通に町を歩くといったもののようで、

ほんの5分前は日常の風景だったのにあっという間にみんながパンツ姿になってるんです!

最初パンツにコート姿の人を見たときはびっくり!

上半身は普通にスーツにネクタイしめたサラリーマンで皮のバッグを持って普通の階段を上って行ったんですが、

ズボンはいてなくて・・・

 

どうやらみんなこの不思議なイベントに勝負パンツまたはトランクスで挑んでいるらしく、

アメリカ国旗柄のトランクスやハートのマークのたくさん入ったカラフルパンツなどで

歩いていました

この寒いのに!

しかも、このイベントを撮りに来たらしいプロのカメラマンまでパンツ姿・・・

アメリカって一体・・・

私がたまたま降りた駅は大きな広場のある駅だったんですが、

余裕で100人以上いたかな、パンツの人たち・・・

しかも先ほど家に帰ってきてネット検索したら、

アメリカ全土で行われているイベントらしく・・・

びっくり、ほんとびっくりです!

初心者の方はこちらの動画を見るとわかりやすいのでどうぞ

http://www.youtube.com/watch?v=9La40WwO-lU&feature=player_embedded#!

アメリカはまだまだ奥が深いってことでしょうか・・・