かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

2009年最後のディナー

2009年12月31日 | グルメ
2009年12月31日がやってきました。
一年いろいろありました。
大学院に受かるかどうか不安な日々。
フルブライトの奨学金を受けると決まってからは、
なんとかどこかの大学の入学許可をもらわないと、と
必死で出願書類を準備する日々。
と同時にいつ会社にどうやって辞める意思を伝えるか、
同僚に理解してもらえるかどうか。
考えても考えても答えのないことばかり。

それでも結局いろんな人に理解されて、渡米できたのは
本当に幸せなことです。
さらに2009年は人生初の病院生活もあり、
患者さんとしての立場で生の現場を体験することもできました。
考えてみれば本当に波乱万丈な一年間でした。

一年の最後のディナーは仲の良いタイ人の子と
タイ料理で締めくくることに。
タイ人の子にタイレストランを紹介したのは私です。
なんだか変な話ですが・・・。

ここのタイレストランはいつも超満席。しかも従業員がほとんどタイ人というのも
うれしいところ。トムヤムクン、サテー&もち米のごはん、グリーンカレー、マンゴーとココナツともち米のデザート、タイ風アイスコーヒー。
本当に超私好みの味付け!さらにいい素材を使っているのが食べててわかるのがうれしい。お互い旅行に行っててあんまりしゃべってなかったので
心行くまで料理を楽しみ、つれづれにおしゃべりをするのもまた
楽しかったです。

さて、2010年はどんな年になるのかな?
不安もありつつ、たくさんの人が楽しい一年を過ごせますように

今日もプロジェクトエンジェルフード

2009年12月30日 | ボランティア
今日もボランティアに行ってきました。
さすがに3日も連続5時半起きとなると眠くて仕方ないけど、
調理場に立つとしゃっきりするから不思議です。
さらにシェフたちも、他のボランティアも
みんな笑顔なので元気がでてきます。

アメリカに来てから驚いたことは、人の身体や感じ方、
疲れ方は人によって違うっていうのがすごく認められているってこと。
初めての時のオリエンテーションの時に
「休憩時間というのは決まってないので疲れたら自分で休みをとってください。
その人によって、一時間に一度15分休まないといけない人もいれば、
全然休まないでいい人もいるので。」って言われたんです。
さらに「やりたくない仕事、できない仕事があれば始めに言ってください。
そしたら他のことをやってもらうので」
って。
この二つってこうやって改めて書いてみると、
当たり前って感じがする・・・???
これが日本だと「とはいってもやだとか、たくさん休みたいなんて言いづらい」
って思いませんか?

アメリカは自分は自分、他人は他人ってはっきりしています。
実際、一日目は休みはいらないやって思って
全く休みを取らずに働いたんですが、
2日目はちょっと休憩してみることに。
そしたら休憩室にはコーヒーが置いてあって座って休めるようになっています。
5分か10分くらいいたらその間に何人か休憩しに来ました。
みんな自分の思うように休憩をとってまた仕事に戻っていきます。

休憩をとってみたら、昼ごはんまでの間が長いと思わず、
元気で最後まで仕事ができました。ほんの10分くらいだけど、
休憩をとった方が気分的にも身体的にもずっと楽なんだね。と
今更ながら確認。

さらに、私は言われる仕事は全部引き受けてたけど、他の人は
「玉ねぎのみじん切りはもうやりたくない」という人も。
でもその人はお弁当のおかず詰めのラインに入って楽しそうに仕事してました。
私はレモネードを作る仕事が大好きだってことを発見。
積極的に「レモネード私に作らせて」モードを醸し出して、
2日連続でレモネードの仕事を獲得。
途中教えてくれたシェフとひっそり味見乾杯して楽しんじゃいました。

そう、ここでは「楽しむ」ことが報酬。「人に喜ばれる」ことが報酬。
お金は一銭も出ませんし、一時間とかかけて自分で交通費払って
来ているんです。
でもなぜ10年とか16年とかボランティア続けている人がいるかっていうと、
みんなここでボランティアすることを楽しんでいるから。
「やるべき」「人のため」「自分の時間を削って」っていうのではなく
「楽しいから」「みんなに会いたいから」「調理が楽しいから」
「お昼ごはんがおいしいから」
って素敵だと思いませんか?

授業のために50時間以上ボランティアしなければならず
始めた私ですが、必要時間が終わってもぜひ時間を見つけて来たいと
思っています。

プロジェクトエンジェルフード

2009年12月29日 | ボランティア
今日は新しいボランティアに初めて行ってきました!
Project Angel Food という団体で、生命の危険のある病人に毎日無料で、
バランスのとれた温かい食事を提供しています。
(主にエイズ患者と癌患者)
この団体は毎日1600食もの食事を配達しており、
ほとんどが寄付金とボランテフィアによって運営されています。
しかも食事はほとんど生原料からシェフの指導によって
その日に調理されたもの。
塩やカロリー、アレルギー、スパイスの有無など
その他制限のある患者さんには
その人にあったメニューが提供されています。
理念としては、生命の危機にさらされた患者さんたちは病気と闘うだけで
本当に大変なのだから、せめて、おいしい、温かい、身体にいい食事を提供して
患者さんたちをサポートしようというのが始まりだったようです。

この団体はロサンゼルスに住む患者さんたちへ食事を提供していますが、
キッチンは一つです。ボランティアは調理と配達組に分かれていて、
私は調理のボランティアを始めました

朝8時開始なので5時半起きでバスを2本乗り継いで一時間ちょっとかけて到着。
最初の仕事はたまねぎの乱切りでした。これが、玉ねぎが大きい!!!
日本で調理に関わる仕事をしていたので、日本で使われている加工用の
特大玉ねぎは知っていましたが(LL)、それとは比べ物にならないほど。
大きいものはマスクメロンほどありました!(←これ、ホント)
私の片手ではつかめないほどです。
それをひたすら切り続けて2時間ほど。日本にいた時に
一生分のたまねぎを切ったと思ってましたが、
大きな間違いでした。
今日、記録更新の勢いで切りました。
身体がたまねぎ臭いくらい。
さらにその後、配達用のお弁当箱にゆでたブロッコリーを詰める係。
生からゆでたブロッコリーなのでとても色鮮やかでいい感じ。

今日のメニューは、メインがリボン型のパスタを使ったラザニアのようなものと
ゆでたブロッコリーとにんじん、果物はオレンジです。

このボランティアの素敵なところは、昼の休憩で自分たちのつくった
食事を食べさせてもらえるということ。
食べてみたら本当においしい!さすがシェフがしきってるだけあります。
しかも、ここでシェフとして働いている人や、
ボランティアをしきっている人たちは本当に楽しい人たちばかり。
日本でボランティアというと「慈善活動」というような
まじめなイメージがただよいますが、
ここの人たちはいい意味で遊び心がある感じ。
あくまで自分もみんなも楽しもうという雰囲気にあふれています。

さらに、事前のオリエンテーションが2時間以上かけて行われ、
その後連絡はメールでくるんですが、宛名が

エンジェルへ」(Dear Angel)

なんです。ちょっとした遊び心だけど、メール貰った時にうれしくなりました。
そうそう、このボランティア団体の紹介ビデオがユーチューブにあるので
ぜひ見てみてください!とてもたのしい雰囲気あふれています。
しかも、この紹介ビデオは3分程度で、まさに私たちのやっていることが
かなり忠実に紹介されているので。

http://www.youtube.com/watch?v=Ei5hIxVT-GM

午後は明日の昼食の調理の準備。
あらかじめ下味をつけてオーブンでじっくり焼いた豚肉
乱切りカットです。
明日このカットした豚肉をメキシコ風のソースで煮込むらしい。
明日も一日調理ボランティアやる予定なので
明日どんな味か食べられるかと思うと今から楽しみです。

というわけで、明日も5時半起き。
早く寝なきゃ!!!
ではおやすみなさい・・・

フルブライトの友人

2009年12月23日 | フルブライト
フルブライトは奨学金の団体です。
アメリカのフルブライトさんが「世界の平和のためには人と人のつながり、
ひとりの人と人としての理解が不可欠だ。そのひとつひとつの
つながりが世界の理解を深め、より良い、平和な世の中につながる」という
理念から、現在のフルブライトの元になる基金を設立。
現在はアメリカと世界各国との留学生がこの支援を受けています。

私もその一人。私は日本とアメリカの両方から支援を受けています。
自分の専門分野を深めることと同時に人と人との交流、
アメリカや世界各国の人や考えを学び、それを個人の体験として
ゆくゆく日本に持ち帰ることが求められています。

私は幸い、大学院生活が始まる前に1カ月ほど、サマースクールに通う機会を
いただきました。カリフォルニアのデイビスという場所の大学で
一ヶ月間、英語とアメリカの文化や歴史を中心に学びました。
フルブライトからこのサマースクールに参加した人は合計13名。
全員違う国から来ていて、見た目も母国語も宗教もてんでバラバラ。
私は1か月間寮のようなところで生活したんですが、
同じフロアにフルブライトの学生が4人いました。
ブラジル人、アルバニア人、ベトナム人、中国人。
ご飯を一緒につくって食べたり、一緒に自転車で大学に通ったりする中で
兄弟のような関係に。

サマースクールの一カ月はあっというまに過ぎ、みんなそれぞれの大学へと
旅立って行きました。
「休みになったらきっとアメリカのどこかで集合して会おうね!」と
言っていたんですが、今回ニューヨークで大集合することに。
二人ニューヨークの大学に通っているのでその子たちの家に3人が居候し、
さらにそのほかも含めて結局7名がアメリカ全土から集合し、
大同窓会旅行となりました。

滞在期間は1週間以上と長いにも関わらず、しかも今回泊まらせてもらった子は
まだ試験期間が終わってなかったので私たちが遊び歩いている間も
必死で論文を書いていました。ワンルームに3人住まいで、
勉強しずらかっただろうね~。

でもクリスマス前後のニューヨークのホテル代はどんなところでも
一泊二万円を軽く超える高値。収入のなくなった私にとっては
とっても支払い不可能。
というわけで本当にとっても感謝です。

さらに、ニューヨークはとっても寒くて暖房代がかさむらしい。
私と、一緒に居候したブラジル人の子は、相談して、
最後の日にそっとほんの少し気持ちのお金を手紙と一緒に封筒に入れて
部屋に置いていくことに。真正面から手渡したらぜったい受け取らないって
思ったから。

でも2日後、お金と手紙を発見したアルバニア人の子からメールが。
「大変なものを発見してしまいました!家族だと思ったから
泊めたのに、お金なんて・・・」
ちょっと雰囲気あやしいかも・・と思って電話(skype)すると
いつもはとっても落ち着いて大人っぽいその子が泣いてるの。
「本当に本当に家族と思ってるから泊めたのに・」って。
そう。そう思って泊めてくれたことわかってる。それにその額じゃ本当に
ちょっとした暖房の足しにしかならないってことも。
そしてニューヨークで生活するのがどれだけ「大変かってことも」
他の場所より断然家賃なども高いのです。
結局いろいろ話して「そのお金は自分たちの自己満足のためのもので、
その子がお金を求めてるなんて全く思ってないし、
そんな金額でもない」ってことを散々説明。
それでも「受け取れない」というので、いろいろ考えたあげく。
次にロサンゼルスまで来てくれたらお金を返してもらうということになりました。

これで次の同窓会の口実もできたってこと。
ぜひぜひ今回友達がしてくれたような温かいもてなしをできたらいいなと
思っています。

私がサマースクールで出会ったフルブライト奨学生はみんなそれぞれ
個性的で時間にルーズだったり朝起きれなかったりとかいろいろありますが。
みんな感情豊かな素敵な人たちです。

きっとこのサマースクールでの出会いは一生の宝物。
お互いに励ましあって、時にはちょっと喧嘩でもしながらずっとこの
和を大切にしていきたいなと思っています。

アメリカと日本の離乳食事情

2009年12月21日 | RD(アメリカの管理栄養士)
先日ふとしたことからアメリカでの日本人ママさんへの
子供の栄養に関するレクチャーを依頼されました。
「アメリカで育児をするお母さんたちは、日本での栄養教育と
アメリカでの栄養教育の違いにいつも疑問をもっているので、
そのあたりを中心に、一般的な離乳食~幼児食までレクチャーしてほしい」
とのこと。

はい。私は管理栄養士の資格をとってから早、8年になりますが、
実は管理栄養士として働いたことはなく、レクチャーも経験なし
(先日アメリカの高校生に授業をしたのが初のレクチャー体験でした。)

でもアメリカでの勉強の仕方は現場に出て、生の経験から学ぶというもの。
この機会を逃してはかちこの名がすたる!
と少々(かなり)不安ながらも
引き受けることにしました。
まだ、準備に一カ月あるので大丈夫、きっと大丈夫・・・

さっそく日本の友人(彼女達も管理栄養士)にheip!メールを送り、
ベタながらもひよこクラブから
いい記事をPDFにして送ってもらうことに。
アメリカの育児教育についてはクラスメイトが育児(離乳食)真っ只中なので
お願いして育児支援施設からのパンフレットをもらいました。

すると、すごいびっくりすることが判明!
日本は生後6か月くらいから離乳食を始めることが
一般的に推奨されているのですが、
アメリカは生後1年後くらいから離乳食を始めることが推奨されているんです!

この違いはなんなのか?
日本では6カ月から離乳食を始める理由としては、母乳などミルクだけでは
鉄分が不足するため。(他にも理由があるのかもしれませんが今のところ)

アメリカのパンフレットではまずはじめに

「子供は小さな大人ではありません。」

という注意書きから始まりました。
どうやら離乳食は子供の胃腸によくないそうで、
一歳前に離乳食を進めると食物アレルギーになる確率が
ぐんと上がるらしいのです。
あと、今の日本の離乳食の進め方は戦後アメリカから
教えられたものらしく、
今のアメリカはその方法を見直していて、
いままでの方法は間違っていた、という
訂正の論文も出ているそうです。

この情報は日本の友人によるもの。
おもしろいので時間を見つけて調べてみて
この場でご報告したいと思います

卒論、離乳食の国際比較 ってのも面白いかもしれませんね。

なっちゃんありがと~!