かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

亜鉛欠乏治療薬が承認。

2017年05月01日 | 臨床栄養最近のトピックス

久々の記事です

引っ越しなどが一段落し、職探しが本格的にスタートしました

が、、、

少し自分の勉強のための時間をとって

ゆっくりするのもありか?

と思い始めた今日この頃

最近気になった臨床栄養関係のトピックスを自分の備忘録として

アップしていきたいと思います

マニアックすぎるので、専門分野外の方は読み流してください

 

最近「低亜鉛血症」に対する治療薬が承認されました

正確にいうと、もともとウィルソン病という、銅が蓄積する病気の治療薬の適応範囲が

低亜鉛血症にも認められたのです

低亜鉛血症は特に高齢者で多くみられ、褥瘡の治癒が遅れる原因になったり、

味覚障害(ひいては食欲不振)の原因になったりするのですが

実際は見過ごされることが多く、

医師もあまり積極的に血液の亜鉛濃度をチェックしたりしてくれませんでした

しかも血中亜鉛濃度が低くてもプロマックDという胃薬をなんだかんだと病名をつけて

処方してもらうしか方法がなく、

「低亜鉛血症って軽く扱われてるな~」という印象でした

が、ここへきて正面切って「治療」とうたえる薬が登場したわけです

ちなみにプロマックDは17㎎×2回内服で34㎎/日

新しく低亜鉛血症を治療する薬として承認されたのはノベルジン25㎎/錠で、

25~100㎎/日の投与が可能になりました

ちなみに亜鉛は牡蠣の他、牛肉やレバーなどに多く含まれており、

食事(動物性のものを含む)を普通に食べれている人では

あまり欠乏のリスクはありません

特定の薬を服用していたり、ベジタリアンだったり

食事の摂取量が減って低栄養になっていたりする人では疑ってみるのもいいかもしれません

皮膚炎や潰瘍、味覚異常、血液検査ではアルカリフォスファターゼ(ALP)が低値になっているのも

疑うポイントですね

特に肝硬変の患者などでは亜鉛の吸収が低下している上、

亜鉛が欠乏していると血中のアンモニア濃度が上がったり

肝細胞の線維化が進んだりする原因にもなるので要注意です!

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/0428507754/?utm_source=mail&utm_medium=recent170501&utm_campaign=mailmag&mi=0012800000AtrlLAAR&fl=1


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