かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

世界を舞台に活躍する同年代のMOMOさん

2010年11月19日 | RD(アメリカの管理栄養士)

先日、友人の紹介で日本からやってきた同年代のサプリメントアドバイザーの方にお会いしました

MOMOさんです。MOMOさんはご自分の親がどちらもガンになったことがきっかけで

栄養と医療について興味を持ち、

アメリカの大学で短期間の授業を受けたり、

日本でサプリメントアドバイザーの資格をとったりしながら

世界の栄養教育について独自の人脈で調査をし、

日本で講演などをして世界のいろいろな栄養事情、

医療事情や世界の栄養士さんから得た情報を日本に運んできています

日本は職種ごとの壁が厚く、医師、看護師、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、などが

なかなかお互いを理解しあえていないのが現状のようです

アメリカをはじめ、他の国では、各専門家がひとつのチームになって患者さんに最適な

治療を検討する「チーム医療」というのが進んでいます

MOMOさんは日本の医療事情をよく知っていて、憂慮する一方、

自分で、看護師、栄養士(日本で勉強した管理栄養士やアメリカで学んだRD)、医師、鍼灸師、理学療法士などと

協力して、チームをつくり、お互いの分野を知るための勉強会を開いたり、

このチームで監修した包括的な医療の本を出版したりしています

MOMOさんによると、一つの症状があったとして、医師、栄養士、理学療法士、看護師などでそれぞれ

考える原因とか治療方法が全然違うらしいんです。

でも各専門家は自分の考えている治療方法しか知らない

でも患者さんの状況は様々で、時には自分の知っている方法が最適で、時には他の専門家が進める

治療法が最適だったりするわけです。

MOMOさんはこの各分野の理解と協力で日本の医療はさらによくなる可能性があると考えています。

私もそう強く思っています

日本の医療に対する憂慮はMOMOさんと私、ほぼ同じものがありますが、

私は今学生。MOMOさんは私より少し年下なのに世界各国を飛び回って知見を深め、

世界の医療の事情を調査して、実際に自分の目で見て、話を聞いて、

日本の医療に対して働きかけ(講演会や執筆活動)をしています

最近はその働きが認められていろいろな分野から(医師・看護師向けの本など)執筆依頼がきているようです。

 

すごいな~。思っていることは一緒でもどれだけ行動にスピードがあるか、どれだけ回りを巻き込んで

自分の流れを自分でつくっているか・・・

お会いして、実際にたくさん話をする中でとっても刺激を受けました。

 

でも私は私。今はアメリカのRDがなぜチーム医療の中でしっかりと立場を確立し、

重要な役割を果たせているのか、身を以てRDを取得することでじっくり学んでいきたいと思っています。

最近はなんでアメリカのRDがすごい活躍するのかちょっとわかってきました。

だって、すっごく勉強させられるんです。日本で私が勉強した時とはくらべものになりません。

教科書の内容の濃さ、教授の豊富な現場での経験。

そして深く学び始めるとすごくおもしろいんです、栄養学。

ちょっとたとえがわかりづらいかもしれませんが、

推理小説を読んでいるみたいな感覚

最初は何も手がかりがなくて、漠然とどうしたらいいかわからないけど、

患者さんに話を聞き、血液検査や体の組成の観察、薬や病気、栄養とのかかわりや

副作用、調べていくうちにだんだん患者さんの状態がどうなのかが明るみに出てくるんです。

でもそれらを全部理解するには病理、生理学、生化学、薬学、栄養学すべてを理解しないといけないんです。

つまりたくさんあるヒントがつながらなければ、ヒントになりえないってこと

 

たぶん何をいっているのかわからないんじゃないかと思いますが、

いつか「探偵かちこの栄養推理短編集」でも書けたらいいなと思います。

まあ、読者は日本の管理栄養士さんくらいしかいないと思いますが・・・・。

 

ああ、今日もつれづれになってしまいました。

最後まで読んでくれた方、ありがとう!


カウンセリングの授業&カウンセリング体験!

2010年11月07日 | RD(アメリカの管理栄養士)

超、ご無沙汰しています
大学はなんだかんだいって一学期の折り返し地点まで来ました

風邪もひかず、元気にやってます

書き込みたいことがたくさんあるのになかなか気持ちに書き込みが追い付いていません

今とっている授業の中にカウンセリングの授業があります
教授はプロのカウンセラー
いろんなカウンセリングの理論を勉強するとともに、
実際のケースについてクラス内でディスカッションをしたりします

あとロールプレイもやって、対応が難しい患者さんにどう問題と向き合ってもらえるか
生徒ががんこな生活習慣や食生活を変えたくない患者さん、
教授がカウンセラー(栄養士)の役をやります

これはとっても参考になります。
だって、もし自分の目の前に

「今日カウンセリングに来たのは奥さんがカウンセリングに行け、行け、
っていつもうるさいから来ただけで、
もう歳も歳だし、人生楽しく生きたいから、塩を控えたり、
好きな食べ物を控えたりするつもりは全くないよん

なんて患者が来たら対応困るでしょ?

そんな患者難関患者に、問題を自分の問題ととらえてもらい、
「自分の生活を変えたい!」と思ってもらうにはどう話しかけたらいいのか?

教授はさすがのプロ

あれよあれよという間に患者の向いている方向を少しずつ変化させていきます

実際に見てみないとどういう風にするのか、想像もつかないかもしれませんね

ポイントは、カウンセリングをする前に患者さんをよく知ること
患者さんの価値観、患者さんが大切に思っている人、そしてもし
変化に対して抵抗があるのであれば、何が患者さんを変化から遠ざけているのか・・・。

カウンセラーが患者さんに質問して探すのではなく、
患者さんと一緒に患者さんがどうしたいのか考えるんです。

いい、悪いは二の次。
患者さんが何を「いい」として何を「嫌だ」としているのか。
いわば、患者さんの世界にお邪魔して、患者さんの世界を学ばせてもらうわけです。

ますますわからなくなってきましたか?

実はこの授業は平行してカウンセリングプロジェクトがあります。
実際に自分が本当の患者さん(相手は学生のカウンセラーがカウンセリングをするってことは知っています)に
カウンセリングをするんです。

しかも、一回限りではなく、3回。
そして患者さんが変わるのを助けるんです。
患者さんは全員NYU(ニューヨーク大学)で働いている職員。
この学生カウンセリングは毎年評判が高いらしく、
タダでカウンセリングしてもらえるとあって、3倍の倍率らしい
カウンセリングは一回1時間、全3回。

いや~。どんな患者さんが割り当てられるかわからないし、
私の英語力でカウンセリングなんてできるのか?
そして1時間も持ちこたえられるのか?
そして、患者さんの心にひびくカウンセリングができるのか???

不安はいっぱいでしたが、つい先日2回目のカウンセリングを終えました
毎回、学ぶことばかり。
そして、よくよく振り返ってみると
「あのタイミングでこの質問をしておけばよかった!」とか
「この言い回しだと、患者さんはプレッシャーを感じたんじゃないか???」
などとすごく考えさせられます。

長くなっちゃうのでまた今後書きますが、私の患者さんは
昨年1年間で6キロ太ったので痩せたいという患者さん。
ちなみにベジタリアンになりたいけど健康的なベジタリアンになりたい。というおまけつき。

1回目のカウンセリングの時は彼女は
preparation (準備)
action (行動)
の段階にあると思い、
いろんなプラン(行動計画)を一緒に練ったんですが、

2週間あけて、2回目のカウンセリングで過去2週間のことをきいたところ、
どうやら計画をうまく実行に移せておらず、
よくよく話をしてみると、
どうやら彼女は
contemprating (思案)
preparing(準備)
の段階にいることが判明。

どうやら先週は彼女の理想図と話をしていたようです
今回のカウンセリングでは実際に彼女のできることの中でどうやって
計画をして目標に向かっていくかという話をしました。

カウンセリング終了時は
やる気満々だったけど
最後(2~3週間後)のカウンセリングまでに何か彼女の生活に良い変化が定着するといいけど・・・。


そんなこんなでこちらでの勉強は全て本の中で終わらず、行動に結び付けて
体験しながら学んでいくので
とても面白いです。

日本でもこんなことできたらよかったのにな

ではでは。
寒くなってきました。
みなさん、体に気を付けて