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先週、京都で開かれた、日本臨床栄養学会 というのに参加してきました。
初めての口頭発表もあるってことで、ちょっぴり緊張
私の発表は最終日の最後の方だったのですが、前日から京都に入り、ほかの方々の発表も聞くことができました
ちょっと他の方々の発表で気になるものがあったのでご紹介まで。
周術期の口腔管理加算 300点
これは癌の手術の前後で歯科医師による口腔ケアを行うことで術後の化学療法などで起こりやすい口内炎などのトラブルに
事前に対策をたて、口腔トラブルを減らすというもの。管理栄養士は化学療法を始めた患者さんがいると、
「口内炎とかできてないですか?」と聞いて、
「できてないよ」と言われたら 「よかったですね。」
「口内炎できちゃったよ」と言われたら 「食事は口内炎があっても食べやすい、やわらかくて刺激の少ないものにしましょうか?」
などといった対応をしていましたが、それは対症療法。
口内炎を作らない!っといったケアが抜けていました。
というわけで歯科医師にしっかり見てもらい、口の中の雑菌を減らし、口内炎が起こりにくい環境に整えることや
口内炎ができたら初期の段階で治療し、それ以上ひどくしないといった対応を積極的に行うことがますます大切だと思いました。
術後や化学療法の患者さんは手術や化学療法そのものが治療ですが、その効果を最大限に引き出すのは
やはりしっかり食べて術後の傷を早く治すこと、そして化学療法を十分に行えるだけの体力を食べて維持することに尽きると思います。
うちの病院でも歯科の先生による回診などは行っているようですが、NSTと連携をしていないので
今度個人的にいろいろ話をお伺いしてみようかな?と思っています。
もうひとつ、心にのこった発表は、
高齢の、低栄養の透析患者さんの食事に汁物をつけたら、食べる量が増えたというもの。
透析の患者さんは水とNaが体にたまりやすいため、通常は飲水制限があり、食事の汁物はなかなかお出しできません。
でも高齢の患者さんは長年の透析食にうんざりしており、昔ながらの味噌汁のある食事を望んでいる患者さんが多いようです。
この発表では1800kcalの食事を提供し、3割ほどしか食べてなかった患者さんに
1200kcalの、汁物付きの食事を提供し、8割ほど食べてもらえるようになったというもの。
やっぱり、机上の計算でこれだけ食べてくださいと言われても食べたくないものは食べられないというのが実情。
思い切って必要カロリーには届かないまでも、「ひょっとしてこの量なら食べ切れるかも?」と思える程度の
量を提供して、まず昨日の食事よりもたくさん食べてもらう、というのが大切かもしれないと思いました。
全ての透析食に汁物を付けるのはもちろん反対ですが、本当に食べられない患者さんにはおかずの量をぐっと減らして
好きな汁物を出してみるのも選択肢の一つかなと考えさせられました。
さて、私の発表は、勤務1年未満の管理栄養士の提言でも勤務7年以上のベテラン管理栄養士さんの提言と同様の受諾率で
主治医に提言を受けてもらえたというものです
私の病院では一番経験豊富な管理栄養士さんに、栄養介入のすべての提言を
相談してから主治医に提言しています。そのため、私のような新米管理栄養士は、点滴の処方が好ましくないと思ったときに
まず主治医に話をするより先に、ベテラン栄養士さんに「〇〇の理由で点滴の内容を〇〇のように変更していただけませんでしょうか」という
内容を、主治医に提言するかのように提言します。そこでベテラン栄養士さんを納得させることができればそのまま主治医に提案しに行きますし、
もしベテラン栄養士さんを納得させることができなければその時点でより良い点滴の処方について議論を行い、
より適した点滴のプランを作ったうえで主治医に提言します。
議論の段階で薬の副作用について調べたり、体液のバランスについていろいろと精査を行うので、
主治医に提案を行ったときに先生が「僕は〇〇の理由でこう思うからこっちの方がいいと思うんだけど」と言われたときに、
「私もそれについては検討しましたが、〇〇の理由でこちらのプランのほうがより好ましいと思うのですが」というように
すぐにしっかりと切り返せるようになるのです。
そんな理由で、しっかりと議論を行える人に監修を受けることで提案の質をベテラン管理栄養士のレベルまで高めることができるという発表でした。
まあ、実際の問題は、時間を割いて議論をおこなってくれるようなベテランがなかなかいないということかもしれませんが、
ぜひぜひ他の病院でも栄養士が点滴や薬、経腸栄養に関する提案を積極的に行い、患者の治療をサポートしていってもらえるといいなと思います。
そして、主治医も、栄養士に医学がわかるのか?と思っている方も多いと思いますが、栄養に関してはプロなので
どんどん意見交換してもらって、医学のプロの主治医と、栄養のプロの管理栄養士がともにチームになって治療にあたり、
患者に最高のケアをしていきたいですね
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