かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

いろいろ癌患者さん(脳腫瘍)

2011年05月28日 | 病院でのインターンシップ

先日から4日ほど脳腫瘍のフロアで実習をしました

他のフロアと違うのは脳の腫瘍だと考えることにも影響が出てしまうってこと。

人によってはほとんど会話が成り立たない人も

意識のレベルは毎日すこしずつ変化する人が多く、よくなったり悪くなったりなので

確実に話せない状態でなければ基本的に直接話をしに行きます。

だいたいの患者さんは、今どこにいるか、今日の日付などが答えられなくても

食欲があるか、何が食べたいか、何を食べたかなど、食べ物と身体症状に関しては

応答ができるんです。

食べ物が人の生活のどれだけ大きな割合を占めているかってことを改めて思い知らされます。

先日お会いした患者さんは食べ物に関してはいろいろ話ができたんですが、

嚥下困難で、その症状について話をきいていたらどうやら本人としては嚥下の問題は

本人の喉に2人の人がいて、その人が達が言い争いをしているのが原因なんだということでした。

あまりにもさっきまで普通に話をしていたのに、大真面目な顔で、

「今、喉のこのあたりに二人いて・・・」というのでびっくり。

家族の人も聞いててびっくり。

「本当に人がのどにいるの?誰?」って患者さんい聞いたら

「本当に人がいて言い争いをしてる。うーんこの二人だれだったけな・・・?」って患者さん・。

でもなんだかよくわからないけど喉が痛かったり、のどがつまったような感じがすることの

感覚が、そこで人が言い争いをしているみたいな感じに感じたんでしょうね。

ちょっとだけ気持ちわかります

この患者さんは固形のものが喉を通らないのでソフト食を提供することにしました。

どうかソフト食では喉の奥の2人がケンカをしませんように・・・


チーム医療

2011年05月18日 | 病院でのインターンシップ

すっごいご無沙汰してしまいました

病院のフロアで患者さんを診るようになってからもうずいぶん経ちますが

毎日病名と薬と手術名などを覚えながら必死で栄養カルテを書いています。

何をやっているか実際に想像つかないですか?

ざっと以下のようなことをやっています

病院には毎日新しい患者さんが入院してきます。

栄養士は全ての入院患者さん48時間以内に

栄養のリスクによって4段階に分類します(スクリーニング)

 

①スクリーニング:病名、病歴(治療・手術など)、薬、過去から現在に至る体重の変化、

BMI、アレルギー、宗教などによる食べ物の制限、

痛みや消化器症状、食欲の変化が食事に与えている状況など

医師や看護師、その他の医療スタッフが書いた様々なカルテを読んでこれらの情報を集める

 

②患者さんと話し、①で必要な情報をできる限り得る。→各リスクに患者さんを振り分ける

 

③①と②の情報から患者さんの今抱えている栄養に関する課題を抽出し、それらの問題点について

 それぞれの栄養ゴールを設定する

 

④ゴールを達成するための栄養介入(intervention)を計画する

 

⑤達成度を評価する方法を決定する

 

⑥必要に応じて各専門家へコンサルトのお願いをする

(嚥下テスト、社会福祉士との面接、自宅での経管栄養のポンプの使用方法指導など)

 

患者さんは一回目の評価(assessment)の後、

栄養リスクによってその後のフォローアップの日数の間隔が決まっています。

この日数は病院によって少々異なります。ちなみにうちの病院では以下のようになっています。

高リスク:5日間

中リスク:7日間

低リスク:8日間

フォローアップでは一回目の介入の結果がどのようになっているか、

治療などの影響でさらに栄養状態が変わっていないか確認します。

もしNutrition supplementを提供した場合は

毎日どのくらい飲んでいるか、味の好みは合っているかを確認します。

変化があった場合はそれに応じたフォローアップを行います。

私のいる病院は各フロアに栄養士が一人ずついて、

各フロアに40床ほどあるので、

大体毎日一人の栄養士は

6~10名程度の新規入院患者のスクリーニング

5名~10名程度のフォローアップ

を行います。

患者さん一人一人にかける時間は様々。

カルテも栄養のリスクがある患者さんや、複雑な経緯をたどった患者さんの場合は

カルテを読むのにとっても時間がかかっちゃいます。

患者さん会っても、伝えないといけない情報がたくさんある場合は15分とか20分とかかかっちゃうし、

それほどリスクが高くなくて必要事項だけ聞く場合は5分ぐらいですんでしまいます

でもすごいと思うのは各フロアの栄養士さんはほとんどの患者さんの名前と病状、栄養状態、食べ物の好みなどを

覚えているということ。

プロとしてさすがだと思います

私は研修中なので各フロアに4日間くらいしかいないのでそこまで至らず・・・

最後の3週間は自分のフロアを受け持つことになっているので

その時はばっちり患者さんを覚えて、廊下で会っても名前を言って立ち話で病状の確認なども

自然にできるようになりたいなと思っています

がんばるぞ~