かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

フルブライトの友人

2009年12月23日 | フルブライト
フルブライトは奨学金の団体です。
アメリカのフルブライトさんが「世界の平和のためには人と人のつながり、
ひとりの人と人としての理解が不可欠だ。そのひとつひとつの
つながりが世界の理解を深め、より良い、平和な世の中につながる」という
理念から、現在のフルブライトの元になる基金を設立。
現在はアメリカと世界各国との留学生がこの支援を受けています。

私もその一人。私は日本とアメリカの両方から支援を受けています。
自分の専門分野を深めることと同時に人と人との交流、
アメリカや世界各国の人や考えを学び、それを個人の体験として
ゆくゆく日本に持ち帰ることが求められています。

私は幸い、大学院生活が始まる前に1カ月ほど、サマースクールに通う機会を
いただきました。カリフォルニアのデイビスという場所の大学で
一ヶ月間、英語とアメリカの文化や歴史を中心に学びました。
フルブライトからこのサマースクールに参加した人は合計13名。
全員違う国から来ていて、見た目も母国語も宗教もてんでバラバラ。
私は1か月間寮のようなところで生活したんですが、
同じフロアにフルブライトの学生が4人いました。
ブラジル人、アルバニア人、ベトナム人、中国人。
ご飯を一緒につくって食べたり、一緒に自転車で大学に通ったりする中で
兄弟のような関係に。

サマースクールの一カ月はあっというまに過ぎ、みんなそれぞれの大学へと
旅立って行きました。
「休みになったらきっとアメリカのどこかで集合して会おうね!」と
言っていたんですが、今回ニューヨークで大集合することに。
二人ニューヨークの大学に通っているのでその子たちの家に3人が居候し、
さらにそのほかも含めて結局7名がアメリカ全土から集合し、
大同窓会旅行となりました。

滞在期間は1週間以上と長いにも関わらず、しかも今回泊まらせてもらった子は
まだ試験期間が終わってなかったので私たちが遊び歩いている間も
必死で論文を書いていました。ワンルームに3人住まいで、
勉強しずらかっただろうね~。

でもクリスマス前後のニューヨークのホテル代はどんなところでも
一泊二万円を軽く超える高値。収入のなくなった私にとっては
とっても支払い不可能。
というわけで本当にとっても感謝です。

さらに、ニューヨークはとっても寒くて暖房代がかさむらしい。
私と、一緒に居候したブラジル人の子は、相談して、
最後の日にそっとほんの少し気持ちのお金を手紙と一緒に封筒に入れて
部屋に置いていくことに。真正面から手渡したらぜったい受け取らないって
思ったから。

でも2日後、お金と手紙を発見したアルバニア人の子からメールが。
「大変なものを発見してしまいました!家族だと思ったから
泊めたのに、お金なんて・・・」
ちょっと雰囲気あやしいかも・・と思って電話(skype)すると
いつもはとっても落ち着いて大人っぽいその子が泣いてるの。
「本当に本当に家族と思ってるから泊めたのに・」って。
そう。そう思って泊めてくれたことわかってる。それにその額じゃ本当に
ちょっとした暖房の足しにしかならないってことも。
そしてニューヨークで生活するのがどれだけ「大変かってことも」
他の場所より断然家賃なども高いのです。
結局いろいろ話して「そのお金は自分たちの自己満足のためのもので、
その子がお金を求めてるなんて全く思ってないし、
そんな金額でもない」ってことを散々説明。
それでも「受け取れない」というので、いろいろ考えたあげく。
次にロサンゼルスまで来てくれたらお金を返してもらうということになりました。

これで次の同窓会の口実もできたってこと。
ぜひぜひ今回友達がしてくれたような温かいもてなしをできたらいいなと
思っています。

私がサマースクールで出会ったフルブライト奨学生はみんなそれぞれ
個性的で時間にルーズだったり朝起きれなかったりとかいろいろありますが。
みんな感情豊かな素敵な人たちです。

きっとこのサマースクールでの出会いは一生の宝物。
お互いに励ましあって、時にはちょっと喧嘩でもしながらずっとこの
和を大切にしていきたいなと思っています。