先日お話ししたとおり、「24」を一週間でガッツリ見たんですけど、そのおかげか、若干の変化が起こっています。
米国モノ小説の読書が楽になりました。
今までアメリカものの読み物は情景が浮かばず苦手だったんですけど、今はわりとすんなり入ります。すんなり浮かびます。
郊外のハイウェイの感じとか、やけに広い部屋の沢山ある庭付き家とか、家族中心の生活スタイルとか、ある程度のコンセプトを持った家具とか。
ほぼ一週間頭の中身がアメリカでしたので、そのおかげでしょう。
米国もののビートニク(トルーマン・カポーティ「地下街の人々」等)なのものを好んでいたのですが、イマイチ理解できない部分が多々ありました。また、高校生の時に話題になっていて読んだダグラス・クープランドの「ジェネレーションX」も、私としては「なんだコリャ?」ってなものでした。読み返してみます。
今読んでいるのはレイモンド・カーヴァーの短編集「CARVER'S DOSEN」です。もちろん訳者は村上春樹です。
こちらは24とは対極にあるようなお話なんですが、昔から好きで読んでいます。アメリカの片田舎を舞台としたとりとめのない、個人的で、ミニマムなストーリーです。心温まるストーリーなわけでもなく、とてもパーソナルな、人生をソリッドに描き出す作家です。人の生活を垣間見るという感覚に近いですね。決していやらしいだけではなく、上手くいえないので、この上手く伝えられない具合を本文から引用させて頂きます。「彼女は会う人ごとにその話をした。でも相手に伝えられない何かが残った。彼女は何とかそれを言葉にしようと、しばらくの間試みていたが、結局はあきらめることになった。」
アメリカの風景とはこういうモノか、ということを意識せずにすんなり入ってくるようになったのは「24」を観た最大の収穫です。
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