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アルファヴィル (ALPHAVILLE)
1965
ジャン・リュック・ゴダール (Jean-Luc Godard)


「今更、ゴダール観てんじゃないわよ!」なんてことを学生時代の友だちに言われそうですが、許して下さい。
ゴダールの映画、何観たっけなー、と考えても、多分イロイロ観たと思いますが、ヌーヴェルバーグの監督のが全部ごっちゃになっていてどれがどれだか正直覚えていません。「死刑台のエレベーター」と「道」が好きだったなぁ。トリュフォーのなんかに出ていた女の子が可愛かったなぁ。

なんで今時これを観たかと言えば、こないだ、村上春樹の最新作「アフター・ダーク」を読んだんですね。で、この映画の話しもちょろっと出ていたんですよ。それで、です。「アフター・ダーク」がこの映画を基に出来上がっているな、というのがブリブリに分かりました。村上春樹は大好きで、多分、全部読んでいます。「おまえ、浅いだろ」と思った貴方。その通りです。

で、この映画なんですが、概要はググッていただくとして、奇妙ですね。言っていることは凄くまともなことを言っているんですが、なんか、その主題的な「だって、人間なんだもの。愛。」がとても奇妙な感じで伝わりました。ホントかどうか分からない感じ。どっちが正義なの?合ってるとか間違っているとかでは無いんでしょうけど、割とサラッと描いているために、ホントはどっちを訴えたいのかが分かりません。

1965という年代にこんなオシャレな映画。カット割りとか、全然普通なんですね。というか、これを皆さんが教科書にしているのか・・・。学ぶべきところ、多いです。

SFという形式ですが、全くもって現代的な未来モノではなく、どちらかと言えばフィリップ・K・ディックの様な、カート・ヴォガネット・ジュニアのような。(ハヤカワSF)

未来って、どうして退廃的なんでしょうか?もっと明るい未来を描いても良いのでは?昔の映画にそんなこと言ってもどうしようもないのですが、最近の映画の流れを観ていると、どうしても「テクノロジー至上主義が誤ったベクトルに働いたために起こった人間性の欠如による悲劇。そして人間を取り戻そう」という方向に行ってしまいがち。
もっと、ほのぼのとした未来って無いんでしょうか?たとえて言うと、またもハヤカワSFなんですが、「夏への扉」でしょうか?あるいはドラえもん?
あまりにメインをサイエンスに置いてしまうと、しようがないのでしょうが、「Back to the Future」は凄く上手くやっていて、娯楽大作で大好きな映画です。最近、あんな映画無いなぁ。時代的なモノなんでしょうか。馬鹿馬鹿しいものを真面目にやる。先日観た「Cats & Dogs」なんてイイ感じだったんですけど。

みなさん、そんなに泣きたいんですか?心の琴線を他人にいじくって欲しいですか?そりゃ、たまにはそんなのも必要でしょうけど、もっと、じわっとしたのも良いかと。「世界の中心で愛を叫ぶ」なんてのがあります。このタイトルはまたもハヤカワSFのエヴァンゲリオンのサブタイトルにもなった「世界の中心で愛を叫んだけもの」(ハーラン・エリスン)とは関係あるんでしょうか?そう言うタイトルをパクってしまうのはどうなんですか?あんまり抑圧しっぱなしってのもどうかと思います。スパーン!と自分でやるのが一番気持ちいいですよね。

最近は新しい言葉が沢山生まれていて、そのおかげで同世代では一言である程度の意志疎通ができるようになっています。でも、あくまである程度なんですね。その割にこの映画にあるような「共通の認識として持ていて当然な言葉」っていうのは少なくて、お互いにその言葉にあるバックグラウンドをそれぞれ持っていて、それを基にしてしまうがために生まれる誤解というのは致命的なモノになる恐れも孕んでいると思います。
日本語って難しいです。「情けは人のためならず」という諺の意味を知っている人はどれくらいいるのでしょうか。
キリスト教圏のような絶対的にある共通の認識が私が暮らしている日本国では今だ感じられません。日の丸が国旗じゃ駄目なんですか?


愛だろ、愛。

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