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ディナーラッシュ (dinner rush)
2001
ボブ・ジラルティ (Bob Giraldi)


凄く、映像としてセンスの良い監督です。冒頭10分くらいで「PVみたい。ナンダコリャ?」っていう感覚で、そう言えばビデオのジャケットの裏に「マイケル・ジャクソンのPVを手がけ・・・」なんてことが書いてあったのに気付きました。それが書いてあったから借りたわけですけど。で、どのPVやってるか調べてみたら「今夜はビート・イット(Beat It)」だそうです。凄く好きな曲です。

映画なのか?って感じです。所々に説明的なシーンはあるものの、全体的にはカッコイイ映像で締めています。常に長い玉で手前に何かしらのオブジェクトを置いてそれをぼかすことでそこにいるかのような空気を出しています。あまりも濫用しすぎて後半はちょっと気になったりしますが。

「ロック・ストック~」のガイ・リッチーって監督がいますが、あの人もPV上がりなんですけど、そっちはあまりにもカッコつけすぎて不自然なんですよね。本作のジラルティはなんだかとても自然な感じがします。ずっとこういう映像を撮ってきたんだな、っていう。無理してない。「ロック・ストック~」はストーリーにもいろんな仕掛けをしすぎてそこにはまってしまった感じがします。「ディナーラッシュ」ではそう言う感じがありません。全編レストランで、喧噪も上手いこと使っちゃって、そこにかぶさるBGMなんて絶妙にオシャレです。

凄く皮肉っぽい感じが漂っていますが、昨日観た「キャデラック」にも通じるサッパリ感もあります。不思議な映画です。邦画で良くあるスタイルだと思うんですけど、これ、邦画でやると黒沢清とか堤幸彦になっちゃいます。米国人ならではなのか、一歩引いた感じって観ている側にとってはスッと入っていくために必要なんではないか、と思ってみたりもします。

出てくるゴハンがあんまり美味しそうではなかったのは意図的だったんでしょうか?

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