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神が宿るところ

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立木観音堂(茨城県かすみがうら市)

2025-05-26 23:34:04 | 寺院

立木観音堂(たちきかんのんどう)。
場所:茨城県かすみがうら市加茂4529外。国道354号線と茨城県道197号線(戸崎上稲吉線)の「加茂入口」交差点から県道を南に約2.2km進んで、真言宗「南圓寺(南円寺)」の駐車場入口のところで左折(東へ)、「南圓寺」の西側を通って道なりに北東へ約400m。堂の前の道路(林道榎幕戸線)は狭く、駐車スペースもないので、「南圓寺」駐車場に置かせていただき、合わせてお参りするのがよいと思われる。
「立木観音堂」は、元は「南圓寺」の境内寺院だった「立木山 千手院 密蔵寺」(廃寺)の観音堂で、現在は「南圓寺」が管理している。堂本尊は千手観世音菩薩で、「常陸西国三十三観音霊場」第10番札所となっている。ただし、火災で焼けてしまい、現在は焼け焦げた仏像の一部が安置されている。残った部分だけでも径約75cm、高さ約1.5mあり、元はもっと大きかったらしい。伝説によれば、この観音像は、現・かすみがうら市の「歩崎観音」(「宝性院 歩崎山 長禅寺」(2022年5月21日記事)参照)及び「崎浜観音」(次項予定)と同じ木から彫られ、「立木観音」が根元、中間が「崎浜観音」、上部が「歩崎観音」となったという。仏師は不明だが、この後、「日光観音」(現・栃木県日光市の天台宗「日光山 中禅寺」の千手観音(通称「立木観音」)も彫ったとされる。あくまでも伝説で、現在残る仏像の様式感では、近世以前ではあるものの、古代まで遡るものではないらしいが、あるいは、さらに古い仏像があったのだろうか。
なお、観音堂の奥に「車塚(愛宕塚)」という大きな円墳があり、径約40m・高さ約7m、八方に突起があるとされているが、現状は山林で、素人ではよくわからず、早々にあきらめた。

五智山 光明院 南圓寺(ごちさん こうみょういん なんえんじ)。
場所:茨城県かすみがうら市加茂4476。
寺伝によれば、応永元年(1394年)、祐尊大和尚により開山、南北朝~室町時代、常陸小田氏領の真言宗四箇寺の一つと称された大寺だった。現在は真言宗豊山派に属し、本尊は大日如来。「東国花の寺」第3番の寺院として、牡丹の花などが有名。


写真1:「南圓寺」寺号標、山門


写真2:同上、本堂。本尊は大日如来だが、ほかに鎌倉時代初期頃の作とされる薬師如来坐像(かすみがうら市指定文化財)がある。


写真3:「南圓寺」東側(土浦警察署 下大津派出所の横に入る)にある「下大津のサクラ」。「下大津小学校」が開校した翌年の明治37年に樹齢5~6年のものが植えられたといわれており、ソメイヨシノとしては茨城県内最古級。周囲約4.5m、樹齢約120年。花も葉もない時の写真で申し訳ない。


写真4:「立木観音堂」入口。左側に池がある。


写真5:「立木観音堂」。堂の裏の土塁は、中世頃?に「車塚古墳」に付設されたものとされる。


写真6:同上、境内の石仏


写真7:同上、四面に仏法を守る四天王像を彫った中世の石塔という。


写真8:堂の向かって左手にある池。小島にあるのは弁天祠だろうか。元は「車塚古墳」の周濠であったともいう。

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