神が宿るところ

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大日岩(岩手県一関市)

2016-05-11 23:56:52 | 名石・奇岩・怪岩
大日岩(だいにちいわ)。
場所:岩手県一関市厳美町祭畤山国有林内。岩手県側からは東北自動車道「一関」ICから国道342号線で、または秋田県側からは湯沢横手道路「十文字」IC付近から同じく国道342号線で、「栗駒山」を目指す。どちらも距離は45~50kmで所要時間は約80分。旅館「須川高原温泉」建物裏手の露天風呂の背後に聳える。「栗駒山」登山口にも当たり、登山者用の駐車場あり。なお、冬期間は国道345号線などが閉鎖される。
「栗駒山」(標高1626m)は宮城県・岩手県・秋田県の3県に跨る山で、宮城県側では「栗駒山」または「駒ケ岳」、岩手県側では「須川岳(酢川岳)」、秋田県側では「大日岳」と称したという。山頂付近には小祠があり、これが陸奥国式内社「駒形根神社」の「嶽宮」(奥宮)であるという(山麓の現・宮城県栗原市栗駒沼倉に「麓宮」(里宮)がある。)。「栗駒山」は活火山で、近くは昭和19年にも小規模な水蒸気噴火があり、「昭和湖」が形成された。岩手県・秋田県境付近の登山口に「大日岩」があり、その辺りから毎分6千リットルという豊富な温泉が湧き出しており、岩手県側の「須川高原温泉」、秋田県側の「須川温泉 栗駒山荘」という2つの旅館で源泉掛け流しの温泉を楽しむことが出来る。しかし、この温泉水は含硫黄硫酸塩泉を主体とするph2.1の強酸性で、「須川」(「酢川」)という名の由来になっている。温泉としては良いが、農作物にとっては「毒水」であり、元々は現・秋田県側に流されていたが、江戸時代初期に秋田藩が引湯を拒否し、現・岩手県側に流されることになったという。
さて、「日本三代実録」貞観15年の「出羽国の正六位上・酢川温泉神に従五位下を授ける。」という記事にある「酢川温泉神」というのが、この「須川(高原)温泉」あるいは「栗駒山」山麓の温泉(「小安峡温泉」など)を神格化したものという説がある。特に、「秋田県史」(昭和52年)では、「酢川温泉神社が須(酢)川嶽すなわち栗駒山山麓の温泉群の神であることは疑いを差し挟む余地さえない。」とまで書いている。しかし、現在では、現・山形県山形市の「蔵王温泉」にある「酢川温泉神社」に比定するのが通説となっている(前項参照)。


須川高原温泉のHP

須川温泉 栗駒山荘のHP

小安峡温泉のHP


写真1:「大日岩」。右手の塀の中が「栗駒高原温泉」の露天風呂。手前に温泉水が川のように流れているが、「湯の花」を含んでいて黄色く見える。


写真2:同上。2008年6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」(震度6)により、上部が崩落してしまったらしい。


写真3:「大日岩」横にある鳥居と石祠(「温泉神社」?)


写真4:同上、石祠。ここが「栗駒高原温泉」の源泉地らしい。


写真5:「栗駒山」山頂(宮城県・岩手県境)


写真6:同上、山頂付近にある陸奥国式内社「駒形根神社」の嶽宮


写真7:「栗駒山荘」から見た「鳥海山」


写真8:栗駒山中腹にある「栗駒山神社」(場所:秋田県東成瀬村。県道282号線(仁郷大湯線)で「栗駒山」方面に向かい、湯沢市・東成瀬村境から東に約300m。県道沿いにあり、駐車スペースもある。)。祭神不明。地元の山人が古くから崇めていた祠を栗駒有料道路開通時に移設したものという。


写真9:栗駒山山麓にある「小安峡」大噴湯付近の遊歩道(場所:秋田県湯沢市皆瀬。国道13号線「表町四丁目」交差点から東~東南へ約28km。駐車場有り)。川岸の至るところから温泉が湧き出ている。
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