Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

美湾

2017-12-30 16:03:49 | 日記

 食事をした船内はこじんまりとしていて落ち着き、内輪で寛げる雰囲気がありました。覚えているメニューは前菜の「カッテージチーズのソテー」です。初めて食べましたが、厚切りのお豆腐が1丁、こんがりとソテーされてどーんとお皿に出されて出てきた感じでした。見た目の豪快さに驚きましたが、チーズと名がつく割にはあっさりとしていて口当たりが軽く、とても美味しく食べられました。私の口によく合いました。綺麗に1皿平らげてしまうと、もう一皿食べたいくらいでした。それでお替わりを貰おうかなと私が言うと、

「それは前菜だから、メインの肉料理が食べられなくなりますよ。」

と、ガイドさんや皆に止められてしまいました。が、本当にもう一皿食べたいと思いました。これは事実です。当時の私の食慾ならば、前菜2皿は大丈夫だったことでしょう。前菜もメインも2、3種類の中から各自好みで選べるようになっていました。私がメインに何を選んだかもう覚えていませんが、メインディッシュの時に、サンフランシスコのホテルでディナーの時食べた「ニジマスのムニエル」を思い出して話をしていたように思います。

 西洋の魚料理は素敵です。きちんと中骨が取り去られているのに、魚全体の形がそのままに盛り付けられてお皿に出てきます。この点日本料理の調理法でこういった経験の無かった私には、非常に食べやすく提供された魚料理に驚いたものです。身も崩れていなくて、ほろほろとした魚肉のきちんとした1つ1つの小さな身を視認することが出来たのには、当時いたって感心し、舌を巻いたものでした。

 さてデザートです。これは本当に覚えていません。夏場だったのでシャーベットかアイスクリームか冷たい物だったのではないかと思います。食事が済む頃にはとっぷりと日が暮れて、甲板に出て夜風を浴びながらシドニーの夜景を見たのですが、街の灯りや風景を全然覚えていません。甲板は大きなヨットの様な感じでした。船に詳しくない私には何が何だか全然分からないのでした。


美湾

2017-12-30 14:08:45 | 日記

   「何かありましたか?」

ご家族連れのお母様に声を掛けられて我に返りました。私は道に戻って彼女に微笑みました。

「このクチナシの花が、」

私は彼女に説明しました。匂いが無いので、と、気になった事を話すと、彼女は違う花でしょうと仰り、私もええと頷きながら、でもクチナシにしか見えない花なので不思議でと、思案投首の体でいました。

 すると彼女も花の傍に出掛けその香りを嗅いで、表情を曇らせるとやはり思案気に無言で戻って来られました。分からない事を考えていても仕様がありません。お互いに微笑みながら、行きましょうかと私達はツアーの一行の後を足早に追いかけました。

   「クチナシの花言葉をご存知?」

彼女の急な問い掛けに、私は一瞬戸惑い、いいえと答えるのでした。当時クチナシの花言葉など全然知りませんでした。お母様の方がご年配の分、知識や経験がおありのようでした。何だかにこやかで余裕のある彼女の様子を感じ取ると、私は船で何かあるのかな?と怪訝に思うのでした。

   現在検索してみると、クチナシの花言葉は、「私は幸せ者」「とても幸せです」「優雅」「洗練」「清潔」「喜びを運ぶ」と言った言葉のようです。良い花言葉を沢山持っているのですね、クチナシは。この晩のディナークルーズはとても素敵でした。美味しいお料理をいただきました。本当に幸せなひと時を過ごしたと言えます。