
06年9月5日投稿分__
上左はモッフォ/カラヤン/スカラ座の「椿姫」ライヴ盤。 上中央と中央右はブラームスのピアノ協奏曲2番。 下左と下中央左はズッカーマン/バレンボイム/シカゴ響のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。 上右はアバド、下中央右はプレヴィンのブラ4、下右はドホナーニ。
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オールマイティのスーパーマン演奏家はいません。 演奏家はどこか偏った選曲をして 演奏曲目を選んで、得意曲を演奏するものです。 ただ あんまり偏ると、ちょっと変だなと思いますね。
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60年代 カラヤンはスカラ座で「ラ・トラヴィアータ」を指揮して、盛大なブーイングを浴び、録音魔といわれながら、この曲の正式録音を残しませんでした。 スカラ座ライヴ録音 CD (海賊盤? 冒頭写真上左) を聴きましたが、私はまともな演奏だと思います。 ただし ブーイングを浴びたのは題名役を歌ったのはフレーニで、この録音はモッフォで ブーイングはありません。
また カラヤンはブラームスのピアノ協奏曲2番はステレオで二度も録音していますが、1番は録音していません。 指揮にやや難しい箇所があるらしく、若い時期にうまく指揮できなかったそうで、これがトラウマとなったのかもしれませんね。
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アバドは北イタリア・ミラノの出身で、地理的にドイツに近いことや、ウィーンの音楽学校を出たせいか、マーラーを得意としています。 オペラも本場イタリアものだけでなく、ドイツものもよく録音していますね。
ところが、ヴェルディは大得意なのに、それと並ぶプッチーニは一つも録音していません。 昔から おかしいなと思っていましたが、やっと疑問が解けました ... アバド家とプッチーニ家が疎遠だと。
70年代 DG 社でアバドによるストラヴィンスキー・シリーズの録音が進行中に、カラヤン ベルリン・フィルによる「春の祭典」が発売されたのは __ 御大による録音希望にレコード会社も逆らえなかったのは明白ですね。
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逆に何でもかんでも指揮するのがバレンボイムですね。 アルゼンチン・ピアニスト出身の指揮者で、手当たり次第に録音を増やして、一体何が得意なのかさっぱり分かりません。 しかし 若い頃録音したズッカーマンとのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲 (冒頭写真下左とその左) はよかったですよ。
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逆にレコード会社の方針変更で、録音が中止になったケースもあります __ ハイティンク指揮ベルリン・フィルによる (コンセルトヘボウ管の全集に続く2度目の) マーラー・シリーズ (PHILIPS) は確か6番で棚上げに、ドホナーニ指揮クリーヴランド管による「指輪」シリーズ (DECCA) は前半二作で棚上げになりました。
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プレヴィンはマーラーを録音したいと希望したそうですが、レコード会社の方針でかなえられませんでした。 プレヴィンではセールスが望めないか、別の指揮者によるマーラー・シリーズが進んでいたのでしょう。 よくあることです。 素人の私でも「プレヴィンのドイツもの?」と聞くとあまり期待しませんからね。
確かベートーヴェン・シリーズは何曲か発売されましたが、尻切れトンボになりましたね。 プレヴィンがブラームス4番 (冒頭写真下中央) を指揮した TELARC 盤を聴いて見ましたが、まともです __ しかし 他の1〜3番も含め 市場で見ないところから想像すると 売れないんでしょうね。
プレヴィンはミュージカル畑出身の指揮者でしたが、クラシックものデビューは確か ショスタコ5番でした。 その後 単発的にクラシックのポピュラー曲や協奏曲の伴奏、チャイコのバレー全曲ものなどを録音していましたので、器用なマルチ指揮者という印象だけがあります。 大衆へのイメージ作りが成功しなかったと想像しています。
今日はここまでです。