シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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航空機搭載バッテリー問題は解決したか

2016年10月19日 | 事件事故の多い世
左写真はボストン・ローガン国際空港で発火し消火作業を受ける日本航空機 (2013年)。 右は同機から回収されたバッテリー。
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サムスン製スマホ電池の発火・爆発が未解決ですが、数年前 航空機搭載の電池でも発火問題が起きていましたね。
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ウィキペディアから __『ボーイング787 のバッテリー問題』とは、ボーイング787 に2013年に発生した、特にバッテリー (リチウムイオン二次電池) に起因する電気系統の問題である (※追加1へ)。

『GS ユアサ電池に “熱暴走” の欠陥 B787 出火で米当局が最終報告書』(2014年12月3日 産經新聞/ワシントン) __※追加2へ

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事故内容は、「2013年1月 成田国際空港からのフライトを終えボストン・ローガン国際空港で駐機中の JAL 便の機体内部の電池から発火した。 また2013年1月 山口宇部空港発 東京国際空港行き ANA 便が香川県上空 10000メートルを飛行中に、操縦席の計器に「機体前方の電気室で煙が感知された」との不具合のメッセージが表示されるとともに異臭もしたため、運航乗務員が緊急着陸を決断、午前8時に高松空港に緊急着陸した」というもの。

ボストンのローガン国際空港は、私も昔 利用したことがあります。 大きい空港でした。 山口宇部空港もこの夏と秋に利用しましたから、馴染みがありますね。

それまでニッカド電池が使われていた航空機搭載の電池を、B787 からリチウムイオン電池を採用した初のケースでしたが、発煙・出火事故を起こしてしまいます。 その電池は GS ユアサが製造したものをフランスのタレス社に供給、それを電池システムとしてボーイングに納入していました。

(後述の) 対策をこうじた後は事故を起こしたとは聞いていないので、ボーイング社のバッテリー発火対策はうまくいったと思います。 (サムスンみたく 単に電池メーカーを換えるのではなく) しかるべき専門家が対応し、対策をしっかり施したということですね。
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私もひげ剃り用に10年位前に購入したシェーバーの電池はリチウムイオン電池です。 その前のはニッカド電池です。 何が違うかというと、リチウムイオン電池の持ち時間が長く ニッカド電池のざっと3倍は持つんじゃないでしょうか。

ただし ニッカドのシェーバーはケーブル (A) をコンセントに繋ぐだけですが、リチウムイオンのシェーバーはコンセント口にマッチ箱大のケース (⁂) があり そこから専用ケーブル (B) でシェーバーに繋ぐようになっています。

⁂はリチウムイオン電池の電圧制御を行う回路が入っていると想像します。 リチウムイオン電池は電圧管理が重要ですからね。 ケーブルABは形状が全く違うので共用できないようになっています。 シェーバーメーカーは、(製造国は中国ですが) オランダ フィリップスです。 

以上


※追加1_ 駐機中の日本航空 (JAL) 機と飛行中の全日本空輸 (ANA) 機にバッテリーからの出火事故が発生し、アメリカ合衆国連邦航空局 (FAA) は耐空性改善命令を発行した。

対策  ボーイング社はバッテリー発火対策として、

1) バッテリーのセル単位での発生防止
2) 不具合が生じた際の拡散防止
3) 機体への影響防止

の三段階で対策を提示した。

ショートにつながる結露など、原因として考えられる 約80項目を4グループに分け、セルとバッテリーは設計や製造工程や製造時テストを見直した。 セルは絶縁テープで囲み使用される絶縁体も耐熱性や絶縁性を改良し、隣り合うセルや筐体との間でショートが起きないようにした。

また 充電器も電圧を見直し、充電時の上限電圧を低く、また 放電時の下限電圧を高めて作動電圧域を狭く設定し、過充電や過放電を防止する。

さらに 新たにバッテリー全体を収めるステンレス製のエンクロージャー (ケース) と専用の排気ダクトを設置。 仮に出火した場合も燃焼が続かない環境を維持し、バッテリーから漏れた液体やガスを専用ダクトを通じて機外に放出するなどの対策を施した。

運航再開承認へ  2013年3月 FAA はボーイング社が提示していた改修した新バッテリーシステムの認証計画と試験飛行を承認したことを受けて、同年3月と4月に新バッテリーシステムに改修した納入待ちの機体で試験飛行を行い新しいバッテリーシステムのデータを収集し、設計通りに機能するかを検証した。

FAA はこれら検証を受けてボーイング社が提案した運航再開に向けたシステムの改修を承認。 同年4月に『新バッテリーユニットへの改修を行った』ボーイング787 の運航再開を許可する AD (耐空性改善命令) の更新発行した。

原因  JAL 機出火の事故原因として、NTSB (国家運輸安全委員会) は2013年2月に8個の電池セルの中の6番目がショートして熱暴走を起こし他の電池セルに波及した、また 国土交通省は2014年2月にバッテリーが異常に過熱して損傷した、とする経過報告をそれぞれ行った。

このバッテリーはジーエス・ユアサ コーポレーション (GS ユアサ) が製造したリチウムコバルトタイプの電池であり、フランスのタレス・グループが予備電源システム全体として供給した。 問題となっているリチウムイオン二次電池は、一般家庭で使用される乾電池などとは違い、それ単体では使用されず電圧等を制御する制御システムが必須である。

NTSB は、2014年9月下旬に公表した最終報告書で、操縦室下部にある大型バッテリーケース内に8つあるリチウムイオン電池の1つで内部ショートによる発熱に伴って大きな電流が発生、他の電池も連鎖的に異常な高温となる「熱暴走」が生じた結果バッテリー全体が損傷し発煙に至った、と指摘した。

ショートの原因については、電解液が低温で劣化し電気を伝えにくくなる性質があることが分かり、極度の低温下で電解液中のリチウムイオンがリチウム金属となって析出した、あるいは電池の製造過程で小さな金属片が混入し正極と負極をつなぎショートした、などの複合要因で発生した可能性があるが、バッテリーが激しく損傷し炭化したためにショート原因は特定できなかった。

なお ボーイングは、一連の問題以降もジーエス・ユアサ コーポレーション製の電池を継続使用するとしている。
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※追加2_ 運輸安全委員会(NTSB)は1日、米ボストンの国際空港で昨年1月に起きた日本航空の中型機ボーイング787 のバッテリーから出火したトラブルに関する最終報告書を発表した。 日本のジーエス・ユアサコーポレーションの子会社、GS ユアサ (京都市南区) が製造したリチウムイオン電池の設計とボーイングなどによる認証検査に問題があったとしている。

報告書によると、GS ユアサのバッテリーは8つのリチウムイオン電池のうち1つが内部でショートして異常な高温になった場合、他の電池も連鎖的に異常な高温となる「熱暴走」を起こす欠陥があったと指摘した。

また バッテリーには新しい技術が用いられていたため、既存の規制では安全性が十分に担保できていなかった。 このため 米連邦航空局 (FAA) はボーイングにバッテリーの安全性を示すよう求めたが、ボーイングは熱暴走の可能性を考慮せず、十分な検証が行われなかったと批判した。

NTSB は FAA に対し、安全性の検証やエンジニアへの訓練の改善などを勧告。 GS ユアサに対しても、欠陥を事前に発見して除外できるよう従業員を訓練することを求めている。

昨年1月中旬には、全日本空輸機が飛行中にバッテリーから発煙し、高松空港に緊急着陸する事故も発生した。 日米航空当局は一時 運航停止を指示したが、その後 ボーイングが改善策を講じたために運航再開が認められていた。

2日の東京株式市場では、報告書の内容が嫌気され、GS ユアサ株は一時、前日比 18円安の 551円まで売られる場面があった。

今回の報告書発表により、約2年にわたり行われた NTSB の調査は終了した。

以上

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