シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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実現するか_回転ビル

2008年07月11日 | テクノロジふ~ん
各階が自由に「回転」し、建物全体を「変身」させる「ダイナミックタワー・ドバイ」。 人間の立ち姿にも似た形 (左端) から、積み木を重ねたような形 (右端) に、くねくねと動いて大変身する (資料、すべて Dynamic Architecture)。
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10~20年前、日本でも 回転して同じ部屋を一日中 太陽に向けることのできる一戸建ての家がニュースに載ったことを記憶しています。 ある人が作ったのですが、その後 その手の家が増えたとは聞きません。
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「くねくねと変身するドバイの超高層ビル」(7月4日 細野透 / SAFETY JAPAN) _ アラブ首長国連邦のドバイに、すべての階が自由に「回転」し、結果として建物全体が「変身」する超高層ビルが建設される。 建物の名前は「ダイナミックタワー・ドバイ (Dynamic Tower Dubai)」。 80階建て、最高高さ420メートルで、2010年12月に完成する予定だ (※追加1へ続く)。
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可動部分が多いというのは、摩耗する箇所も多いはずです。 大体、各階が勝手に回り出したら、一方向に重量が偏ってしまう可能性があり、崩落する危険があるのでは?

断面図を見ても、居住スペースはあまり広くないようですね。 この程度だと、せせこましい感じで、多くの人はリラックスできないんじゃないでしょうか?

この記事に、「不思議でしようがないのは、水や電気などライフラインの処理である。 特に水。 中央の円柱状コアから、回転するプレハブ・ユニットにどのようにして水を給水し、また排水するのだろう。 水漏れは大丈夫だろうか。 興味津々である」と後述されていますが、それらは、全く知りたいところですね。

話題性はありますが、どうもあまり実用的とは思えません。 冒頭に紹介した一戸建て回転の家が普及しなかったのは、恐らく価格の高さと快適性がマッチしなかったと想像しています。

同じ部屋に一日中 居住する人はまれですし、他の部屋に陽がささなければ、その部屋にいる人は面白くないでしょうし、また家そのものの傷み具合も偏っていくでしょう。 

ある程度 陽が差したり、日陰になったりして多くの部屋に陽をあてたり、あてなかったりする 従来の固定した家のほうが、結局 傷みが少なく、結果的には総維持費が安かったのではないでしょうか。

一日に360度回転して、翌日にはまた同じ方向にする、というのはパイプ類の兼ね合いから無理で、ある程度回転したら、また元へ戻すということが必要な筈です。 そして家のような重量物を回転させるには、エネルギーコストもばかにならないと思いますよ。

結論として、費用がかかる割に、居住性が期待できず、不具合が発生し易く、普及しないと思います。 でも、出来たら 見てみたいですね。

以上


※追加1_ 当たり前ではあるが、超高層ビルは基本的には「動かない (Static=静的)」。 しかし、ダイナミックタワーは全階が「動く (Dynamic=動的)」。 その発想の大転換、歴史的意義を強調してのネーミングである。
 
ダイナミックタワーのコンセプト自体は、イタリア人建築家であり構造エンジニアでもあるデビッド・フィッシャー博士が、2、3年前に公表し、建築界の広い関心を集めていた。
 
そのフィッシャー博士が6月24日に、ニューヨークのプラザホテルで記者会見。「ダイナミックタワー・ドバイ」の建設を年内に開始すると公表した。

さらに、同様のビルをモスクワとニューヨークにも建設する予定でもある。「ダイナミックタワー・モスクワ」は70階建て、高さは 400m。 事業主はセルゲイ・ポランスキー氏が率いるミラックス・グループ・カンパニーで、総投資額は4億ドル (約425億円)、2011年にオープンの予定だ。

● マンションの価格は4億~40億円 ●
ダイナミックタワーはドバイの一等地に立地する。 建物の中央に直径約 22m の円柱状コアがあり、その周囲にプレハブ・ユニットが取り付けられる。
 
円柱状コアは固定されていて、内部は階段、エレベーター (人/車) などの動線スペースだ。 プレハブ・ユニットは居住用のスペースで、オフィス/ホテル/マンションとして使われる。

このプレハブ・ユニットは、各階ごとに独立して、円柱状コアの周囲を回転する。 春夏秋冬という季節変化に合わせて回転させてもいいし、日の出から日没までという太陽の動きに合わせて回転させてもいい。
 
各階は独立して回転するので、動きに合わせてビルの形が絶えず変化していく。 つまりは、ドバイの人たちがダイナミックタワーを見上げるたびに、形の違った変身ビルを目にすることになる。

概要は以下の通りだ。

  総敷地面積:14万6000平方m
 1階~20階:オフィスビル
 21階~35階:六つ星ホテル
 36階~70階:最高級マンション
 71階~80階:ヴィラ
 総事業費:7億ドル (約750億円)
 事業主:ダイナミック・アーキテクチュア・グループ (Dynamic Architecture Group)
 
マンションとヴィラの1戸当たり専有面積は124~1200平方m で、販売価格は370万~3600万ドル (約4億~40億円)。 現在、ダイナミック・アーキテクチュア・グループの HP で分譲予約を受け付けている。

● 風力と太陽熱で自家発電 ●
ダイナミックタワー・ドバイは省エネ対策に力を入れたビルでもある。 回転するフロアとフロアの間に、水平型の風力タービンを79台も設置。 さらに、回転フロアの80枚の屋根に太陽光発電セルを設置した。
 
この結果、ダイナミックタワーで電力を自己供給できるだけでなく、近隣のビルにも電力を供給する能力がある。
 
残念なことに、ダイナミック・アーキテクチュア・グループが公表したプレスリリースには、回転のメカニズムに関する説明はない。 したがって、詳しい仕組みは分からない。
 
東京のホテルニューオータニの最上階には、直径 45m の回転ラウンジがあり、その回転機構には戦艦大和の主砲塔を回転させた技術が応用されたことは有名だ。

ダイナミックタワーにはどんな技術が採用されていて、回転するときどんな音がするのだろう。

不思議でしようがないのは、水や電気などライフラインの処理である。 特に水。 中央の円柱状コアから、回転するプレハブ・ユニットにどのようにして水を給水し、また排水するのだろう。 水漏れは大丈夫だろうか。 興味津々である。

● 各フロアは7日間程度で施工 ●
プレハブ・ユニットはイタリアにあるダイナミック・アーキテクチュア・グループの工場で生産。 配管/電気システム/フロア/天井/バスルーム/キッチン/キャビネット/照明/家具などの設備がすべて装備される。
 
また、マンションのオーナーが希望すれば、カスタムメイドの住戸ユニットも生産する。
 
現場では、それらを機械的に取り付ければいいので、効率的にビルを施工できる。 実際、建物の各フロアはわずか7日間程度で完成すると予想されている。

ダイナミックタワーを通常の工法で施工すると、建設現場では約 2000人 の作業員が必要となる。 しかし、プレハブ工法の採用により、イタリアの工場で 600人 の作業員、建設現場に 80人 の技術員がいれば対応できる。
 
総合すると、工期を 30% 以上短縮し、建設費用を 10% 以上低減し、建設現場でのエネルギー消費量を50分の1まで削減できる見込みだ。

フィッシャー博士は、「すべてのユニット、すべてのパーツが工場製品であるため、点検および修理が容易になるメリットもある。 結果として、同時期に建てられた他のビルより、寿命が長くなる」とも強調している。

以上

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