シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

なぜヴァイオリン?__蜜の音色を求めて

2014年03月05日 | Vn ビギナー事始め
1月11日 (土) には 私の “しろうとヴァイオリン初披露演奏会” をやりましたが、その時 息子さんのエレキギターを持参していた参加者の1人が、「なんでヴァイオリンなんだ?」とポロッと漏らしているのを聞きつけました。 そうだな … やはり これはヴァイオリンを趣味として弾いている人しか分からないかも、と思いました。
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私は元々の趣味がオーディオです。 学生の頃はオーディオ・クラブに所属していました。 なぜオーディオかというと、これは父の影響です。 父もそれなりのコンポ・ステレオを所有していて、色々なクラシック音楽を聴いていました。 80歳位まではダンスを再開して ダンス音楽 CD などを集めていましたが、晩年は体と頭がいうことを利かず 何も聴いてなかったようです。

その父の影響で半世紀前の62、63年の中学生の頃にベートーヴェンの交響曲全集レコードを購入しました。 演奏はカラヤン・ベルリン・フィルの黄金コンビです。 実はその代金 15,000円 に届く貯金がなく、手元にあったのは半分くらいでした。 貯金の範囲内の別の演奏のを買おうとしたら、父が最新録音のドイツ直輸入物がいいといって 半分出してくれたのです。 今だったら 15万円 ほどの感覚だったと思います。

最高の演奏、最高の音質で、最初から最高のものに接したのはいい体験でした。 ほぼ10年後の73年 その黄金コンビが来日し、渋谷の NHK ホールまで実演を聴きに行きました。 これまた素晴らしい演奏で、レコードとは違って 柔らかいヴァイオリンの弦の音色と、低音の力強いコントラバスの弦の音色にしびれました。

もちろん 他の楽器も良かったです。 チケットは月給の一割くらいの 4,000〜5,000円 だった記憶がありますが、それだけの価値があると思ったものです。 この数年後 黄金コンビは “新” ベートーヴェン交響曲全集を録音、そのレコードをまた購入しました。
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数年前 YouTube で様々な素人のヴァイオリン投稿演奏を試聴していたら、たまたま簡単そうに弾く演奏で心に響くポピュラー曲にぶつかり、「これなら私にも出来そう」と思い、ヴァイオリン購入意欲が高まりました。

が、楽器店で どうやって選んだらいいのか分からず、そのまま暫く時間が過ぎました。 そしてたまたま 実家で新聞の通販広告 “いつかは弾きたかったヴァイオリンがこの価格で …” を見て通販で簡単に購入できると分かったので電話し、セット物を取り寄せました。

最初は 同梱された教本に合わせて独習して遊んでいたが、その教本に載っていた駒と形状が違うのに気づきました。 また ハイポジションで弾くと押さえる左手指が痛くなるのにも気づきました。 インターネットで調べると 駒は左右対称ではなくヴァイオリンに合わせて削り、また駒の位置が決まっているのですが このセット物のは駒位置がずれているのにも気づきました。

駒位置を治しても、いつのまにか駒がずれて戻ってしまう。 これは困ったなと思っていた頃、たまたま入った町田のヴァイオリン専門店でそのことをチラっと話すと、「それは販売したお店に送り返して削ってもらったらいいです 通販業者でも何でもちゃんとした所なら対応しますよ」という助言でした。

そこで 購入した通販に電話したら、店番の若い女性が「担当者が不在なので、平日午後にもう一度電話して」という。「おかしいでしょう そうじゃなく担当者から電話しますというべきでしょう?」「はあ … ?」と要領を得ない様子でしたが、後日 担当者から電話が来ました。

”駒の削り出し” を依頼すると、「ヴァイオリンでもギターでも同じですが、弦の高さは変えません」と、お爺ちゃんぽい声が電話から聞こえた __ おや、楽器をごっちゃにしている。 その週のうちに 都内の通販業者事務所に出向きました。

そこは20畳ほどの倉庫兼事務所のようなところでした。 同梱された教本コピーを示し、「当然ご存知ですよね? 一緒に送ってきた教本ににもこう書いてありますよ」と伝えると、「それなら到着時にいってもらえれば返品を受け付けたのに …」「こちらはシロウトなんだから最初分からず 最近気付いたんです」

「駒は所定位置にも立ってなかったですよ。 こっちに 1cm ほど寄っていました。 これでは弦が高過ぎてハイポジションで弾けません。 分かり易い “駒の調整” 内容をこのように持ってきましたから、ちゃんと削って下さい」とねばると 反論はなく、「この価格で販売しているヴァイオリンではそんなことは出来ない 返金します」とあっさり購入金額全額を差し出すのです。

私は、始めて3ヶ月も経ってない超ビギナーなのですが、”通販業者の認識レベル” は越えたようです。 また 担当者が依頼事の内容をよく把握しないで、ズレて認識しているのも感じました。 ヴァイオリンとギターと、楽器をごっちゃにして話すのもおかしい。 素性が別々の楽器なのだから、別々の対応があってしかるべきです。 結果として、どちらも専門家レベルではないのでしょう。

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それから都内近郊の10店舗ほどのヴァイオリン専門店を訪ね歩いて、3ヶ月後 お茶の水の専門店でセット物を購入しました。 そこを選んだのは売り子さんたちがヴァイオリン学科卒なので、時々奏法を聞けるらしいというのが分かったからです。 他の専門店は、営業だけの人や職人兼営業が多く、弾いたことのある経験者でもなく、奏法を聞けそうもないからでした。

といっても 店でそうそう長々と奏法を聞くわけにもい気ません。 3〜6ヶ月に一度ほど楽譜や弦の消耗品などを購入がてら ちらっと数分聞くだけです。 それ以上聞くと 営業に差し障りがあるだろうと思って控えています。

今では毎日 午前と午後に1時間ほど独習しています。 本当は1日3時間ほどやりたいのですが、指が痛くなり またうまく行かないとダレてくるので 2時間以上はできません。 最近 たまにいい音色が出るのが楽しみです __ だが 早いパッセージはなかなか出来ません。

体力のあるうちにある程度の中級者レベルになりたいものです __ 老化する体がヘタらないうちに。 まだまだ音程の安定だけに注力し、特殊奏法のヴィブラートや装飾音、重音、フラジオレットなどは手掛けないようにしています。

プロの演奏家が楽々といい音色で弾くが、その背景に何年も弾いた練習実績があるから 簡単そうに弾くので、そうそう数年ではああいう音色の演奏にはならないはずです。 プロは累積で何万時間という練習が積み上がっています。 少しでもあんなトロトロにとろける蜜のような “甘い音色” を出してみたいものです。

以上

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