シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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森繁久彌とアイザック・スターン

2019年04月13日 | 音楽界よもやま話
左は森繁 久彌主演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』舞台から。 右はアイザック・スターン。
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10年以上前 ラジオ番組『日曜喫茶室』で “森繁久彌とアイザック・スターン” のエピソードを面白く聴きました。
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はかま 満緒 (はかま みつお 1937〜2016) は、日本の放送作家。 本名・袴 充夫 (読み同じ)。 NHK-FM の番組『日曜喫茶室』の司会を35年以上務めた (ウィキペディアから)。
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番組司会者が喋らせ上手で、ゲストに色々なエピソードを話させるのですが、この森繁久彌が話す “アイザック・スターン” のエピソードが最も面白かったと思います。 ネットで記事などを探しましたが、載っていないので 私が記憶を頼りに書いてみたいと思います。
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森繁 久彌 (もりしげ ひさや、1913〜2009) は、日本の俳優、歌手、コメディアン、元 NHK アナウンサー。 映画『三等重役』『社長シリーズ』『駅前シリーズ』で人気を博した。 映画出演総数は約250本を超える。 舞台ではミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』(1967〜86) で主演し、上演回数 900回・観客動員約 165万人の記録を打ちたてた (ウィキから)。
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番組内容は __『屋根の上のヴァイオリン弾き』を帝国劇場で上演していた頃、アイザック・スターンが日本公演で東京に滞在中、このミュージカルを観て感激し、舞台がはねた後 楽屋を訪れ、森繁に面会を求めました。

ところが 森繁はスターンが世界的に有名なヴァイオリニストだとは知らないものですから、「そんなやつはほっとけ」といって さっさと風呂に入ってしまいました。 風呂から上がった森繁が部屋にスターンを招き入れると、スターンは「Oh! My Friend!」といって森繁に抱きついてきました。

当時 “ホモホモ事件” が多発していたので、森繁はその手のやつかと思い、「何するんだ!」といって スターンを突き飛ばしてしまいました。 スターンは「あんなに素晴らしく『屋根の上のヴァイオリン弾き』を演じられるからには、お前はユダヤ人だろう」といって、お前のためにヴァイオリンを弾いてやろうと申し出ました。

1960〜70年代当時 スターンはヴァイオリン界の王様・ユダヤ人音楽家の代表というイメージでしたから、そのような有名音楽家からこんな事を申し出られたら 本来は名誉な事なんですが、森繁はそれを理解していなかったんでしょうね。
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『屋根の上のヴァイオリン弾き』(Fiddler on the Roof) は、1964年のアメリカのミュージカル。 テヴィエ (Tevye) とその家族をはじめとして、帝政ロシア領となったシュテットルに暮らすユダヤ教徒の生活を描いたものである。 この作品には19世紀末のシュテットルの様子が良く描かれているという (※追加1へ)。
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森繁はこの話しをあちこちで披露したので、どこかのマスコミ記事にも載ったらしい。 ある新聞記者がそれを読んだのか 森繁を訪ねてきて、あのスターンとの話しはホントですかと訊いてきたから、「ああ ホントだよ」というと、記者は「今 スターンが来日してホテルに滞在してますから、一緒に行って会いませんか」といい、二人で会いに行ったというのです。

それで 森繁はやっと このヴァイオリニストが有名人だと知ったそうです。 スターンも森繁にかかっては “形無し” ですね。 後ほど 森繁はスターンを自ら演じる『屋根の上のヴァイオリン弾き』公演に招待し、舞台ソデで鑑賞してもらったともいってました。

上演中 舞台が盛り上がり、クライマックスの泣ける場面で 森繁がチラッとスターンがいるソデの方を見ると、スターンが顔をくしゃくしゃにして涙をボロボロ流してるんだよと __ 日本語が分からなくても、舞台で何が進行しているのかは分かったんですね。
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アイザック・スターン (Isaac Stern 1920〜2001) はユダヤ系のヴァイオリニストである。 スターンは当時ポーランド領 (現ウクライナ領) だったクレメネツに生まれるが、1歳2ヶ月のとき、家族に連れられサンフランシスコに移住する。 新進演奏家の擁護者でもあり、なかでもイツァーク・パールマン、ピンカス・ズーカーマン、シュロモ・ミンツ、ヨーヨー・マ、ジャン・ワンはスターンの秘蔵っ子たちで、しばしば共演を重ねてきた。
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私はこのミュージカルを観た事はありませんが、曲や一部の映像は見た記憶があります。 劇としては、そんなに面白い内容とは認識していません。 けれど20年にわたって 森繁の当たり役として受けたからには、それなりの演技力・うまさ・魅力があったのだろうと想像します。

今日はここまでです。


※追加1_ テヴィエはウクライナ地方の小さな村『アナテフカ』で牛乳屋を営むユダヤ人一家である。 亭主関白を気取ってはいるがその実、妻には頭が上がらない。 5人の娘に囲まれ、ユダヤ教の戒律を厳格に守ってつましくも幸せな毎日を送っていた。 テヴィエは娘たちの幸せを願い、それぞれに裕福な結婚相手を見つけようと骨を折っている。 劇中で次第にエスカレートしていく「ポグロム」と呼ばれるユダヤ人排斥は、終盤で村全体の追放に至り、テヴィエたちは着の身着のまま住み慣れた村から追放されるまでになる。 ミュージカルではニューヨークに向かうところで話が終わる (ウィキから)。

以上

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