原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

甲状腺がんの不安

2012-02-23 13:03:19 | 未分類
甲状腺がんの不安
 
2011.11.19 08:32 (1/2ページ)
15歳で甲状腺がんの摘出手術を受けたリュドミラさん。首には今も傷跡が残る=ミンスク市内

15歳で甲状腺がんの摘出手術を受けたリュドミラさん。首には今も傷跡が残る=ミンスク市内

 女性の首から胸のあたりには、ネックレスのようなU字型の傷跡が残り、のどには筋肉を切除したくぼみがあった。

 「今はなるべく気にしないようにしている。そうすれば他人も気にしなくなるだろうから」。そう話すリュドミラ・ウクラインカ(35)は、旧ソ連・ベラルーシの首都にあるミンスク教育大で心理学を指導している。

 リュドミラは、1986年にベラルーシの隣国・ウクライナ(旧ソ連)のチェルノブイリ原発で事故が起きた際、原発から北約300キロにあるモギリョフ市の祖母の家で過ごしていた。しかし、原発事故を知ったのは1年以上たってから。その間、森で採ったキノコや野いちごを食べた。周囲では放射能汚染の影響を心配しロシア側に避難した人もいたが、一家はつてがなく移住できなかった。

 事故から5年後の15歳のとき、健康診断でがんが疑われ、精密検査で甲状腺がんと診断。ミンスクの病院で摘出手術を受けた。胸やのどの傷は手術の際のもので、傷を隠すためにえりの長い服を着るなど精神的に苦しんだ。

 現在も毎日ホルモン剤を飲む生活が続くが健康状態は良好だ。ただ、6歳の長女、アンナが体調を崩すたび「放射能の影響ではないか」と不安になる。「あのときロシアに知り合いがいたら…」と声を落とした。

 甲状腺の定期検査をしているブレスト州立内分泌(ないぶんぴつ)診療所所長、アルトゥール・グリゴロビチ(44)は「1グレイ(グレイ=吸収放射線量)以上の放射線を受けた人には遅かれ早かれ影響は出る。影響は100年は続くだろう」と断言した。

  ■  ■  ■

 91年に独立したベラルーシは人口約970万人で面積は日本の半分程度。チェルノブイリは国境に近い。

事故は86年4月26日に起きたが、旧ソ連はすぐに公表せず、海外からの指摘で発覚した。事故後1週間で原発から半径30キロの住民は強制移住させられたが、それ以外の地域では長期間事故を知らずに過ごした住民もいた。4年後からベラルーシやウクライナでは子供の甲状腺がんが多発。事故で広範囲に放出された放射性ヨウ素が原因とされる。

 ヨウ素は、新陳代謝に必要な甲状腺ホルモンの合成に欠かせない必須元素で、特に成長途上の子供の甲状腺にたまりやすい。だが、体は放射性か、そうでないか区別できない。原子力事故の際には放射性ヨウ素を取り込む前にヨウ素を満たすためにヨウ素剤の服用が予防になるとされる。ポーランドではこの薬品が配布されたが、ベラルーシでは配布されなかったという。

 ヨウ素は海藻に多く含まれるため、内陸のベラルーシでは慢性的にヨウ素が欠乏し、取り込みやすい状況があったとの指摘もあるが、結果的にベラルーシでの0~18歳の小児甲状腺がんの患者は事故後14年間で882人。事故前11年間の患者が7人だったことと比べると劇的に増加した。一方、ベラルーシの西隣のポーランドではほとんど出ていない。

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 東京・霞ケ関の文部科学省で10月に開かれた福島第1原子力発電所事故の勉強会。ホルモンの働きを診る内分泌外科医として医療に携わり、現在は長野県松本市長を務める菅谷昭(67)は意見を求められ、チェルノブイリ原発事故の教訓を生かすべきだと訴えた。

 菅谷は事故から5年後、日本の医療団の一員に加わり、ベラルーシを訪れ、原発事故による甲状腺がん患者の治療に携わった。

 その経験をもとに菅谷はいう。「チェルノブイリの低濃度放射能汚染地帯で何が起きているのか。福島のこれからのために知るべきことだ」

       (敬称略)

     ◇

 旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から25年。9月に隣国のベラルーシを訪問した日本医科大の清水一雄教授を団長とする健康被害調査医師団に同行し、事故の影響が続く現地を取材した。ベラルーシの経験から福島第1原発事故を考える。

(MSN産経ニュース 2011.11.19 )

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111119/dst11111908320003-n1.htm

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111119/dst11111908320003-n2.htm


海洋汚染は約600キロ沖まで 事故前の1000倍のセシウム

2012-02-23 12:58:22 | 未分類

福島原発沖で千倍のセシウム 昨年6月、米研究所調査

 【ワシントン共同】昨年6月に東京電力福島第1原発沖を調査した米ウッズホール海洋学研究所のチームは21日、事故前に比べて最大で約千倍の濃度のセシウム137を海水から検出したと、米ユタ州で開かれた海洋科学に関する会議で発表した。AP通信が報じた。

 同研究所によると、70~100キロ沖が最も濃度が高く、汚染は約600キロ沖まで及んでいた。

 チームは原発から東方に約30~600キロ離れた太平洋で海水や魚、微生物を調査。採取した海水には事故前に比べ10~千倍高いレベルのセシウムが含まれていた。

(佐賀新聞 2012年02月22日)

http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2144909.article.html


2011年 11月、1~4号機近くの海底の土から1キログラムあたり約160万ベクレルを検出

2012-02-23 12:48:09 | 未分類

【福島第1原発の現状】(2012年2月21日)拡散防止に海底工事 福島第1原発港内で

東京電力は21日、福島第1原発の周辺の海底に積もっている高濃度の放射性物質の拡散を防ぐため、セメントや粘土で海底を覆う工事を開始すると発表した。

 第1原発では昨年4月、高濃度汚染水が流出した影響などで、港内の海底に放射性物質が堆積している。東電は昨年 11月、1~4号機近くの海底の土から1キログラムあたり約160万ベクレルを検出したが、今後、船の出入りや波浪などで放射性物質が拡散する恐れがあるという。

 22日に作業用台船が入港し工事を開始。粘土とセメントを使った2層の土を海底に流し込み、防波堤の内側の海底約7万平方メートルを覆って固める。

 東電によると、工期は3~4カ月で、50年間の効果を見込んでいる。工事終了後に海水の放射性物質を測定し、効果を調べる。

 (共同通信)

http://www.47news.jp/47topics/e/225883.php


原子力機構 震災後も277億円発注 OB就職29企業・団体に

2012-02-23 12:29:42 | 未分類

原子力機構 震災後も277億円発注 OB就職29企業・団体に

高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する独立行政法人日本原子力研究開発機構(原子力機構、本部・茨城県東海村)が福島第一原発事故後の二〇一一年四~十一月の八カ月間に発注した業務のうち、七百十四件、金額にして二百七十七億円分を機構OBの再就職した二十九企業・団体が受注していた。本紙の取材で分かった。

 原子力機構の運営費の大半は国の交付金。福島事故を受け、不透明な原発マネーに批判が出ていたにもかかわらず、多額の税金を「ファミリー企業」に流していた。

 公表資料によると、二十九社・団体には一一年四月時点で、機構出身者七十八人が役員に就いていた。原子力機構が一一年四~十一月に発注した工事、施設管理など研究以外の業務の合計は三千四百件、八百十八億円で、これらの企業・団体は件数で20%、金額ベースで34%を受注していた。

 最も受注件数が多かったのは、OBが歴代社長を占めるNESI(茨城県ひたちなか市)。サーバーのソフトウエア更新や高速炉の炉心特性解析など七十五件、二十二億四千万円を受注した。

 受注額で最多だったのはナスカ(同県東海村)。随意契約で施設の警備業務三件を受注し、契約金額は三十三億三千万円に上った。少なくとも十五年前から機構OBが社長を務め、〇八年度には総売り上げの97%が原子力機構の仕事だった。

 国から機構には一一年度、運営費などで千七百四十億円が交付された。交付金の半分以上は、販売電力に応じて各電力会社に課税される電源開発促進税が原資。促進税は電気料金に上乗せされ、最終的には消費者が一世帯あたり平均で月額百十円を負担している。

 原子力機構をめぐっては〇九年、勤務実態のない機構OBの役員に給与を支払っていたとして、再就職先の企業が国税当局から所得隠しを指摘された。

 原子力機構の担当者は「契約の大半は競争入札で企業努力の結果。透明性、公平性に問題はない」と話している。

◆利権の構図明らか

 五十嵐敬喜法政大教授(公共事業論)の話 原発は専門的な業務があり、ある程度は特定企業との取引はやむを得ない。ただ、国の独立行政法人が競争もなくOBの再就職先企業に業務を発注する構図は公共工事の利権と似通っており、談合と疑われてもしょうがない。福島第一原発事故後、原発の利権構造が明るみに出ており、これまで温存されてきた「原発ムラ」の不透明な人やカネの流れがあぶり出されるだろう。

(東京新聞 2012年2月22日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012022202000040.html