作家的時評集2000-2007 (朝日文庫 た 51-1)高村 薫朝日新聞社このアイテムの詳細を見る |
少しだけ、ほしのあきではなく読書の秋。
2000年から2007年途中まで、各紙、雑誌などに寄せたものです。ざっとですが政治的世相が押えられます。硬すぎずやわらかすぎずといったところでしょうか。
本書の中で日記をかくことについて一節あるのだが、そこで人間の記憶はあとから書き加えられたり修正されたりすることがわかっているのだから、本当にそのときおもったことはできる限り日記にしておかないとわからなくなってしまうと。ともすれば一人の人間の記憶が万博やオリンピック、ワールドカップ、そういった社会的出来事に回収された曖昧なものになってしまうのだと。
心配になってきた私。
後年私とはいったい誰か、なにものであったか、と問う人はそれほどいないのかもしれないが、少しでも確かな記憶の断片を残しておくのはそんなことではないとおもう。
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