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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

「わけあってTSした少年 女子高生になってバレーボールを始める」 豆餅

2020-05-07 | スポーツ・武道
 同じ作者の『異世界を救った少年 少女になって戻ってくる』は異世界に召喚された立花悠司が、魔王は倒したけれど最後の最後で性転換してしまったところから始まり、そこから帰還して日常生活に戻るまでの(それだけの)話。
 こちらはその後日譚で、タイトル通りの話でまっとうなスポーツ小説。魔王倒して異世界から帰ってきたけど、女の子になっちゃったんで、海外で父親が作った私生児として難民申請してバレーボールやってます……というやつ。
 異世界で2年間も冒険して魔王を倒しただけあって、その身体能力は驚異的なレベルに跳ね上がっていて、思わず研究所でDNA検査されちゃうレベルなのだけれど、それでも強豪ひしめく日本女子バレー界はそれだけで連戦連勝できるほど甘い世界ではない……というあたりのバランスが妙。

わけあってTSした少年 女子高生になってバレーボールを始める】【豆餅】【小説家になろう】
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「転生勇者の野球魂」 池上雅

2020-04-27 | スポーツ・武道
 剣と魔法の異世界で50年間戦い続けた勇者は、世界を守った褒美として1960年代の日本に再転生。人生を最初からやり直すことになった。
 そして、敵を殺さずに済む闘争は最高だよねと、今度の人生ではスポーツとしての野球を愉しむ人生を歩み始めるのだが、彼の前世では常識になっていた21世紀の野球メソッドは、まずはウサギ跳びだとか練習中は水を飲むなとか、いまだ生存者バイアスによる根性論が横行する20世紀ではチート知識も同然だった……。

 勇者として身につけたスキルとか能力も関係ないわけではないのだけれど、それ以前に21世紀では当たり前のノウハウを持ち込むだけでチート扱いになってしまうというスポーツ転生譚。139話完結。
 転生スポーツものの王道で、「巨人の星」とかのいわゆる古き良きスポーツ根性ものへのアンチテーゼ。

転生勇者の野球魂】【池上雅】【小説家になろう】
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「いだてん〜東京オリムピック噺〜」 脚本:宮藤官九郎

2019-12-16 | スポーツ・武道
「オリンピックは2週間かけてやる盛大な運動会だ。お祭りだ」
「何だよ、戦犯って! 戦争じゃない。スポーツやってんだよ、こっちはよ!」


 2019年放送のNHK大河ドラマ。まだスポーツなんて概念が日本にない明治時代から太平洋戦争を経て1964年に開催された東京オリンピックまでのおよそ50年間の物語を、日本人初のオリンピック選手となった金栗四三を主人公にした第1部と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治が主役の第2部という構成で語ったスポーツ群像劇。教科書では簡単に流されがちで、それ以外は右だ左だと思想的に偏って語られたり、あるいは庶民レベルのミクロ視点でしか語られなかった日本近現代史にがっつり取り組んだ意欲作。

 放映開始当初は、東京五輪目前の東京の寄席で開かれた古今亭志ん生の語りと、20世紀初頭の金栗四三の成長期など複数の時代と場所が交錯して、分かりにくい、つまらないと言われていたものが、見ているうちに日本初のオリンピック選手派遣に向けて奔走する柔道家・嘉納治五郎とか、志ん生の弟子・五りんを取り巻く人々のエピソードによって、いつの間にか1つにまとまっていく面白さに魅了されます。たった2人の選手団、ハズレ続ける占い、止まらないストップウォッチ、スポーツに政治を介入させ、政治がスポーツに介入し……と、伏線の回収というか、因果応報とか、歴史は繰り返すというか、受け継がれるもの、しっぺ返しを食らうもの、シナリオ展開の妙が素晴らしいと思います。フラグ処理は完璧。「やりたがらない女性に運動をさせる」ところから始まり「女性がスポーツをしたくてもさせてもらえない」ところから、「スポーツで活躍する女性がバケモノ呼ばわり」される時代になり、最後に東京オリンピックでの“東洋の魔女”に結実する女性スポーツ史としての流れも見事。
 一方で、ある面では頭の古い分からず屋だけれど一面では高潔な人物だったり、熱意あるスポーツマンだけれどヤマ師的な言動が多かったりと、二面性三面性を持つ奥行きのあるキャラクター造詣も絶妙。「このドラマは史実を基にしたフィクションです」と断り書きは出るけれど、とにかく虚実入り交じっているけれど、普通の歴史ものとは逆に「こんな奴、いないよ」と言いたくなるキャラクターが実在の人物で、「こんなことあるわけない」と言いたくなるエピソードが史実で、近現代史って面白いなあと思います。嘘というかもしれないけれど、本人の日記にそう書いてあったもの。ムチャクチャと言いたくなるけど、故人を知る人が「本人そのまんま」って言うんだもの。美川くん、実在かよ。
 開会式当日が雨天と思い込んでブルーインパルスのパイロットたちが夜更けまで呑んだくれていたのも、志ん生が高座に「富久」をかけていたのも、いきなり独立しちゃって北ローデシアから名前が変わったザンビアの国旗が閉会式に間に合ったのも、金栗四三が54年と8ヶ月6日5時間32分20秒3でゴールテープを切ったのも史実なのだ。

 東京オリンピック2020の前年に放映されたものだから「東京2020におもねったご機嫌取り番組」みたいに視てもいない人に言われることはあるけれど、実際はまったく逆。参加する選手がどれだけ真摯に全身全霊をかけていても政治の都合ですべてが二転三転し、マスコミの無責任な報道で国民から叩かれ、予算は足りなくて個人負担が大きく、準備は間に合わずてんやわんやで、誰も彼もが翻弄される姿が、なぜか明治から昭和のスポーツ史を描いているだけなのに、脚本も撮影も早くに済んでいるはずなのに、現在のオリンピックを取り巻く状況にぴったり当てはまる不思議というか皮肉。マスコミに切り取られた断片だけで、テレビに映る田畑政治をあざ笑う視聴者の姿は、視ている現代の人々の映し鏡なのです。

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「少女ファイト(16)」 日本橋ヨヲコ

2019-10-04 | スポーツ・武道
「好かれなくても死にゃしねーよ。自分ができる仕事だけやっとけ」
「暇はよくねぇ。暇だと余計なことを考える。黙って働いて、自立してるフリしとけ」

 朱雀高校の槌家監督の言葉。

【少女ファイト16】【日本橋ヨヲコ】【イブニング】【バレーボール】【リスペクト】【形から入る】【コピー能力者】
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「つるぎのかなた」 渋谷瑞也

2019-09-18 | スポーツ・武道
「好きじゃないんだ、剣道。……俺を斬れる奴、もういないから」

「嫌なんだ、喧嘩。終わったら誰もいなくなるから」


 かつて“最強”と呼ばれた神童・悠が、再び剣の道に舞い戻る。
 孤高ではなく、仲間たちと肩を並べて戦う面白さを知ったから。そして、ひたすら孤高の頂で彼を追い続けていた快晴が、高校剣道界最強の存在となって待っていたから……。

 電撃文庫の偉いところは、いろいろ人気ジャンルが移り変わっても一斉にそちらに走るのではなく、常に主流とは外れたものを1つ2つと送り出し、その中からまた何か生まれるのを待つ余裕があるところです。大規模店中心に売り込みし、田舎の中小書店レベルじゃ予約注文してもなかなか入荷しないレーベルだけれど、そういうことをやれる体力がまだあるんですよね。だから、レーベル読みしていても飽きないと思います。

【つるぎのかなた】【渋谷瑞也】【伊藤宗一】【電撃文庫】【青春剣道物語】【第25回電撃小説大賞《金賞》】
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「 サバゲにGO!」 アサウラ

2019-09-14 | スポーツ・武道
「下等な動物と人とを分ける大きな目安には、文化というものがある」

 これといった趣味もない社会人と大学生、男2人がふらりと立ち寄ったのはエアガンショップ『大野公房』。店番をする美人姉妹にも惹かれたけれど、なにより店内を埋め尽くすエアガンが、貞夫とシノの男の子心を刺激した。
 最初は余分な予算はないからと購入を渋っていた2人だが、いつのまにか洗脳され、サバゲに行けば思いっきり撃ちまくれるよと舞白姉妹に誘われると、なし崩し的に一緒にサバイバルゲームに行くことになるのだが……。

 妹の病気とかシノの怪しいバイトとか、思いっきり脇道それて暴走しそうなネタがちらほら出てるのに、あくまでサバイバルゲームの魅力を語りまくって、読者をゲームフィールドへと誘う1冊。惜しいなあ。いや、それでいいんだけれど、もっと暴走して欲しかったなあ。 

【サバゲにGO! はじめてのサバイバルゲーム】【アサウラ】【赤井てら】【LINE文庫エッジ】【本格サバイバルゲーム小説】【千葉県】
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「空手バカ異世界」 輝井永澄

2019-03-18 | スポーツ・武道
「大丈夫だ。空手を信じろ」

 空手の道を究めようとしていた男は、どうやら4tトラックとの戦いには勝てなかったらしい。気がつけば女神の手によって、科学の代わりに魔法が支配する異世界へと送り込まれていた。
 空手の道にチートは不要、己の流儀をつらぬくと、スキルも武器も断って、男は異世界に立つ。彼の前に立ちふさがるは、ミノタウロスに重装騎士、ドラゴンライダー……

 一発ネタをサクサクサクっと一気に駆け抜けた空手バカ一代。

【空手バカ異世界】【輝井永澄】【bun150】【ファンタジア文庫】【異世界転移】【知らない天井】【ゴブリン百人組手】【武道の精神】
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「地獄野球☆ワイルドウィッチーズ」 孝岡春之介

2019-02-23 | スポーツ・武道
 優勝候補の筆頭だった剣ヶ峰ウィッチーズは、トーナメント残り3試合でドラゴンズ相手にまさかの28点差で敗退。その原因はシーズン途中にもかかわらず、オーナーによる主力メンバーの放逐だった。優勝すればオーナーから選手まで、それぞれが望む願いが叶えられるという地獄野球。しかし、既に9連覇して叶えたい望みもなくなったオーナーが、美しくも可愛くもない選手は不要と追い出してしまったのだ。
 割を食ったのは、死んだ兄を生き返らせるため、悪魔と契約して選手登録したばかりの女子高生、槇原里夏だった……。

 魔球の巻き起こすカマイタチでバッターの少女たちのユニフォームがちぎれ飛ぶとか、そういう話です。

【地獄野球☆ワイルドウィッチーズ】【美少女だらけのチームでプレイボール!?】【孝岡春之介】【高崎とおる】【松之鐘流】【KCG文庫】【お色気あふれる地獄の野球バトル】【魔球】【TS】
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「スピード・レーサー」 監督:ウォシャウスキー姉妹

2019-01-07 | スポーツ・武道
 リメイク作品には、出来の善し悪しとか、ヒットを飛ばしたか否かとは別の基準で、原典をどれだけリスペクトしていたかという評価ポイントはありますよね。70年代TV特撮番組のチープなデザインをそのまま活かして劇場用作品にしてしまった『電人ザボーガー』なんて、CGがふんだんに使える今の特撮技術で、主役メカとか敵メカとか戦闘員とか、よくぞあんなありあわせのもので作ったようなチープなデザインを再現してくれたと涙しちゃいます。頭が割れてヘリコプターなんて!
 『宇宙戦艦ヤマト2199』も良かったですね。元の作品の骨格を残しつつ、当時の制作の都合でおかしくなった設定の辻褄合わせをしつつブラッシュアップして、まさに今の時代に復活させた価値がありました。むしろ昔からのマニアが「あそこはおかしい」と揶揄した箇所が原典ままだったりしたのは大笑い。その続編の方は、スタッフの自己主張が激しすぎてダメでしたが……。
 そんな流れで見ていくと、2008年のアメリカ映画『スピード・レーサー』も、原作である1967年制作のタツノコTVアニメ『マッハGoGoGo』への愛があふれすぎる作品でした。21世紀のアメリカ実写映画なのに、キャラクターとかどうして50年近く前の日本アニメそのままのキャスティングができるんでしょうか? メカニックデザインについても言わずもがな。
 残念なのは、興行成績が今ひとつ振るわなかったことでしょうか? タツノコアニメ好きには一見の価値ありですよね。

【スピード・レーサー】【マッハGoGoGo】【ラナ・ウォシャウスキー】【リリー・ウォシャウスキー】【ワーナー・ブラザース】
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「赤毛のサウスポー」 ポール・R・ロスワイラー

2018-12-18 | スポーツ・武道
「ことは野球だ。老若をとわず--子供の遊びなんだ。目的は楽しむことにあるんだ」
 面子だとか権威だとか利益がどうとか、楽しくプレイする、楽しんで観戦することに比べたらたいした問題ではないとキング・スペイド。

 18歳のレッド・ウォーカーは元メジャーリーグ選手だった父親に鍛えられて育ったサウスポーの女性投手。その彼女がビーバーズに入団し、快速球とスクリューボールを武器に活躍したことから、弱小チームが強豪チームへと変貌していく。

 出版社と表紙を変えてバージョンが3つくらいあります。続編も出てます。ということは、それなりに面白いんだろうなあ。でも、ちょっと表紙がけばくてイヤだなあ。同じ集英社文庫でももっと温和しいのが出ているようなので、機会があったら買い直そう。
 最初に翻訳が出版されたのが1977年。
 日本のプロ野球チームがドラフト会議で正体不明の女性を投手で指名した、マンガ『野球狂の詩』の水原勇気編が1975年スタート。
 弱小少年野球チームが少女アマンダを投手に迎え入れて躍進する、映画『がんばれ!ベアーズ』が1976年公開。
 弱小メジャーリーグチームがコンピュータ野球で躍進する、小説『プレーボール!2002年』にお色気女性選手が登場するのが1980年。
 このあたりの時代は、女性が男性だけのスポーツに参加するのはありえないけど不可能じゃない……くらいの空気があったのかもしれません。

【赤毛のサウスポー】【ポール・R・ロスワイラー】【集英社文庫】【野球小説】【スキャンダル】【賭け屋】【ナックル】
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「少女ファイト(15)」 日本橋ヨヲコ

2018-11-30 | スポーツ・武道
「ルールや権力で人の心は縛れません。必要なのは、自分と周りを大切にする心です」
 将来に何かあったら仲間を思い出せと、金糸雀高校・女子バレー部監督、鍛冶田丈の言葉。
 金糸雀高校の部員はみんな病んでたけれど、それ以上に壊れていたのは大石練。

 黒幕は諸葛孔明なみに食わせ物でした。

【少女ファイト15】【日本橋ヨヲコ】【イブニング】【バレーボール】【筋肉は裏切らない】【残虐ファイト】
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「少女ファイト(14)」 日本橋ヨヲコ

2018-11-29 | スポーツ・武道
「怒るときにちゃんと怒れないと、ずつと引きずってしまうから。私みたいに」
 感情が必要とするから怒っているのだと、大石練。

 黒幕登場。

【少女ファイト14】【日本橋ヨヲコ】【イブニング】【バレーボール】【シガレットチョコ】【依存症】【切迫流産】【旧部室棟】
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「どるから1」 ハナムラ

2018-11-09 | スポーツ・武道
「死ぬっていうのは、好きだったモノに触れないってことなんだ……」

 脱税で逮捕されたK-1の創始者、石井館長が出所直後にトラックに撥ねられて死亡。しかし、その魂は、自殺した女子高生、一ノ瀬ケイの身体に入り込んだ。
 ケイが亡き父から引き継いだ倒産寸前の空手道場は、門下生もほとんどおらず、連帯保証人になったことで被った信用金庫の融資が300万円。しかし、修羅場をくぐり抜けてきた石井館長にとっては、その程度の経営危機、そのくらいの借金など物の数ではなかった……。

 実在の人物を殺して転生させ、その上で生前にやってきた仕事の裏表を赤裸々に語るという話を、本人自ら原作でコミック化してしまったという怪作。いや、普通のビジネスものとして、転生モノとして面白いんです。

【どるから1】【石井和義】【ハナムラ】【バンブーコミックス】【空手ビジネス&ファンタジー】【女子高生転生】
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「ゴスロリ卓球」 蒼山サグ

2018-10-15 | スポーツ・武道
「なんで卓球で、なんでゴスロリなんですか。なんで混ぜたんですか、それを」
「美しいから。他に理由はいらぬ」


 卓球部の超高校級プレイヤー、斎木羽麗が学校から消えた。
 所在不明になった幼馴染みを追いかけた坂井修は、羽麗が行方不明になった父親の借金を肩代わりする代償に、闇卓球の賭け試合に出ることになったことを知る……。

 存在しないはずの大都会の闇卓球場で繰り広げられる、ゴスロリ美少女たちの戦いを描いた青春スポーツ賭博小説。
 ひとことでまとめると「金持ちに不可能なし」。

【ゴスロリ卓球(ピンポン)】【蒼山サグ】【マナカッコワライ】【電撃文庫】【ゴスロリヤミ金卓球】【罰金いちおくえん】
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「素人おっさん、転生サッカーライフを満喫する」 ハーーナ殿下

2018-07-19 | スポーツ・武道
 コータは小学校の時の交通事故で両親と妹を失い、自らも後遺症に20余年苦しんだ末に死亡した。そんな彼の心残りは、応援してきた地元のサッカーチーム、ブランデール弘前の解散だった。
 自分にもっと力があったら……、今際の際にそう強く思ったコータは、気がつけば幼稚園児に戻っていた……。

 転生やり直し系スポーツ小説。キーワードで「超スピード展開」とつくくらい、テンポの良いストーリー展開が魅力。かといって、ダイジェスト版ということではなく、メリハリがついて語るエピソードの取捨選択が上手いんですね。『やり直してもサッカー小僧』が「ドカベン」なら、この作品は「あぶさん」ってとこでしょうか。
 ただ、主人公のイラスト育ちすぎかな。栄養コントロールして身体強化を意識してるのではあるけど、小学2年生で大人のコーチの肩くらいまで上背があるのは育ちすぎてないかしら。

【素人おっさん、転生サッカーライフを満喫する】【ハーーナ殿下】【白蘇ふぁみ】【ツギクルブックス】【新感覚スポーツファンタジー】【人生やり直し】【逆行転生】
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