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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。はてなにお引っ越しです。https://postalmanase.hateblo.jp/

『第49回日本SF大会 TOKON10』 2010/08/07(5)

2010-08-09 | イベント・コンベンション
17:00-
 5コマめは。による「夢枕獏声に出して読む陰陽師」とか、冲方丁が語る「「マルドゥック・スクランブル 圧縮」公開記念トークショー」とか、ダニー・ジョン・ジュールズをゲストに迎えてBBC特番を鑑賞する「奴らが帰ってきた! 宇宙船レッド・ドワーフ号SQⅢ」とか、アリスについて語る「アリスの不思議な世界」とか、「チェコのレトロコメディSF映画を見よう!」とか、なんか同じくらい気になる企画が目白押しで、いろいろ迷った末に特に候補にも挙がっていなかった「はじめてのツイノベ #fstn」へ。

 ツィッター(Twitter)というのは言うまでもなく、各自が投稿する140字以内の文章を、他の人が読んだりレスをつけあったりする「ミニブログ」。通常のブログとチャットの中間のようなモノだけれど、その140文字以内という制限で小説(ツイッターノベル)を書こうという遊びがこの1年と1週間ほどで日本にも定着していたのです。まだ、1年ちょいのツイノベの黎明期って、じゃあ今は何だよ?とゲストの新城カズマさんのツッコミから始まり、まずは最近のツイノベ事情などを。短歌俳句の時代から、日本人は「短い字数に意味を込める」のが好きだなあと思います。
 もう1人のゲストの円城塔さんの「ショートストーリーであるツイノベを長編小説という意味の“ノベル”と呼ぶのは正しいのだろうか」というつぶやきに対し、新城カズマさんが「ノベルという言葉は本来、神話・伝説ではない新しい物語(新しいモノ)という意味で生まれた言葉だから、間違ってはいない」と応えて一件落着。

 そんな感じでツィッター上での創作活動の変遷について総括していたのだけれど、間もなく「話すより書け」とばかり円城さん、新城さん以下、一般参加者も交えたツイッターノベルの作文教室に。
 その部屋の全員が顔も上げず、1時間近く無言のままひたすらキーボードでショートストーリーを打ち続ける光景はまさに放送事故。ユーストリーム(Ustream)で中継もしていたらしいのだけれど、みんな動かないし、しゃべらないし、円城さんは後頭部しかカメラに向けてないし……。
http://togetter.com/li/40673

【第49回日本SF大会】【TOKON10】【はじめてのツイノベ】【#fstn】
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『第49回日本SF大会 TOKON10』 2010/08/07(4)

2010-08-09 | イベント・コンベンション
 この時点で2時半。
 さすがに腹が減ったので親子で昼食に行くことにしましたが、手近で食べられるというと1階の喫茶だけれど、食事メニューはサンドイッチ程度で、まともに食事をするとちょっと割高。その次に近いところは、同じく1階の上野精養軒。ウェイターさんがちょいとすました感じの洋食屋さん。定食屋ではありません。
 長男はオムハヤシ。自分はポークライス。
 確かに美味しい洋食だけれど、昼から2人で3000円近い出費は予想外。ポークカレーは大盛りにしたけれどご飯の量にたいしてルーが少なすぎ。
 東京は物価が高いよーと夜になって電話で妻に愚痴ったら「ミスドに行きなさい」と。ちょっと遠くない?

15:00-
 4コマめは「シンケンジャーに見るチーム構築論」
 今年2月まで放映していた特撮番組『侍戦隊シンケンジャー』ですが、当初はイロモノっぽく思われていたものが脚本の力もあってぐいぐいファンを惹きつけ、玩具セールスが終わった1月以後はあれよあれよと疾風怒濤の展開に目が離せませんでした。
 そんなシンケンジャーを、敵方の話はほとんど放置して、なにげないセリフの端々に隠された伏線、人間関係の機微を反映したセリフをパワーポイントでおさらいしつつ、主人公側の人間関係と組織論にまとを絞って語り尽くす90分でした。
 ここまで時代劇のフォーマットで作り、主従関係や契約について物語に取り込んで、子供はついてきたのだろうかという疑問はありましたが、年配の方も時代劇として視ていたという話もありました。結局は「茉子さま最高!」といいつつ、ことはさんの言動を誉める流れの方が強かったですよね……?

 回廊からあちらこちらを移動する参加者を見下ろし、見たい企画が重なるタイムテーブルを見ながら思ったのは、「SF大会があって良かった。来て良かった」ということ。
 最近はよく「こんな巨大なSF大会は不要。参加費ばかり高くて新規参加者の少ないイベントなんて」という声も聞くけれど、それは傲慢な言いぐさだと思いました。そりゃあ、わざわざこういう大イベントに参加しなくても、いろいろなイベントやゲストと触れあう機会のある大都市圏の人はいいですけどね。

【第49回日本SF大会】【TOKON10】【精養軒】【シンケンジャーに見るチーム構築論】
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『第49回日本SF大会 TOKON10』 2010/08/07(3)

2010-08-09 | イベント・コンベンション
 〇時半から夢枕先生のサイン会。
 朝のうちに出張書店でキマイラを1冊買って整理券をもらったので参加しようと思っていたら、その本をオープニング会場に忘れてしまったので、泣く泣くもう1冊買ったらまた整理券が。
 しかもその直後に長男が忘れ物を回収して届けてくれたので整理券が2枚に……ということで、親子でサイン会の行列に。長男もこれを機会に夢枕獏作品を読ませてやろうか……。

13:00-
 昼飯を食う時間の余裕もないまま13時からの3コマめは「水淵季里クロニクル」へ。
 いつもなら裏の「おぼろげ絵画教室」ならのだけれど、水淵季里と聞いたら何が何でも参加です。『夏の鬼』とか『ずっと、そこにいるよ。』とか好きなんですよ。
 ちょうど往きの新幹線で読んだ『ラ・のべつまくなし3』ではライトノベル作家の主人公が続編を執筆するのに、過去の作品での何気ない描写が複線になってしまっていて辻褄合わせに苦しむさまが描かれていましたが、早見先生は書き上げた原稿を読み返すことがほとんどないのだとか。そのため水淵季里のシリーズのように続くと、いろいろと設定に辻褄があわなくなることが多くなるのだけれど、気にしません……。そういえば、季里の年齢や保健室の養護教諭とか、いろいろ一致しないことがありますよね……。
 その季里がカメオ出演している『となりのウチナーンチュ』はどういうわけか2年ほど前の中学生向け課題図書に選ばれてしまい、ちょっとしたベストセラー並に売れたのだとか。でも、そのときに友人や知り合いの作家から一様に言われたのは「税金でドカンと持っていかれるから、とにかく使うな!」ということ。
 確かに国税は出版社から印税が支払われるときに源泉徴収される分でおおむね間に合いますが、半年後に地方税がドカンと来ますからね。実質的1年遅れで。こういうのは変動所得として平均課税を選択できるか検討しないとすごく危険ですよね。

「女の子は中2に限る」
 厨二病の新解釈。

 それまで10人程度でほそぼそと「話を聞く会」みたいになっていたのが、急にどやどやと倍以上の参加者が流れ込んでびっくり。「SF大会初心者ツアー」の御一行様だったらしく、またあっという間に消えてしまい残念。でも、作品を知らない人にアピールするような企画でもなかったしね。

 あとは季里のモデルになったつみきみほが良かったねえとか。
 最初の構想では3部作の最後で死ぬはずだった季里は、3冊目が出ないまま仕切り直しが繰り返されました。その後も夭逝すると書かれてはいますが、今では情勢もあれこれ変わってしまい「このままでは死ぬ話にはならないかもしれない」というぼやきも聞かれました。
 また、その水淵季里の血に繋がる水淵讃の物語である『野良猫オン・ザ・ラン』ですが、これは武侠小説ということで作者自ら手ほどきを受けながら執筆していたのですが、その師匠とも言うべき人が「修行の旅に出る」とかいってふらりと消えてしまったため、書きたくても続きは書けないという話。
「いやあ、沖縄の人って、こういうとこがあるんだよね」
 拳児のじいちゃんみたいな人が本当にいるんだなーというのは収穫でした。

 一方、別行動になった長男は「アニメや特撮に流用されたライブラリ音楽をみんなでのんびりと聴こ~ぜの会」に参加していたらしく、「マジンガーZとかサンダーマスクとか!」と後で報告してくれました。そういう話によくついていけるな、おまえ……。

【第49回日本SF大会】【TOKON10】【水淵季里クロニクル】【アニメや特撮に流用されたライブラリ音楽をみんなでのんびりと聴こ~ぜの会】
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『第49回日本SF大会 TOKON10』 2010/08/07(2)

2010-08-09 | イベント・コンベンション
 既にディーラーズルームや展示会場の設置された1階の展示ホールはオープンしています。このエリアは一般入場も可能ということなので、通りすがりのおじさんおばさんらしき人もうろうろしています。
 やはり目に付くのは入ってすぐのところで1/1パワードスーツ絵を作成している加藤直之先生。その隣には昨年の作品であるグイン像も展示されています。さらには金属製のほぼ原寸大パワードスーツ(1/1と言い切るにはやや小さい気が)も鎮座していてつかみは十分。
 物販のディーラーズルームを見て回り、同人誌や豪快なCDをちょこちょこ手に取ったり、展示の銀河鉄道図や萩尾望都先生の原画を見たりしているうちに時間はあっという間に過ぎてしまいます。

11:00-
 オープニング・セレモニーは映画館でお馴染みの盗み撮り禁止のCMに大笑い。ALI PROJECTの宝野アリカさんによる「ツァラトゥストラはかく語りき」のアインライトゥング(導入部)独唱で幕開け。
 そして、星雲賞の発表を経由して、メインゲストの紹介。いちばんウケたのは、夢枕獏先生の「SF大会の会場は使い捨てと思え」のお言葉かな。
 そしてラストは再び宝野アリカさんのミニコンサート。独唱は声がぜんぜん伸びていなくて残念でしたが、「緊張しすぎて学芸会レベルになっちゃいました。ごめんなさい」との言葉から始まり、それを挽回すべく「宇宙をかける少女」とか「反逆のルルーシュ」あたりのラインナップでにぎやかに。年齢層的にストライクの客層ではなかった割に盛り上がりは悪くなかったかなと思いました。

【第49回日本SF大会】【TOKON10】【オープニング】
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『第49回日本SF大会 TOKON10』 2010/08/07(1)

2010-08-09 | イベント・コンベンション
 久しぶりの日本SF大会です。

 質問があったので最初に補足すると、SF大会というのはSF好きが集まって愉しむイベントで、日本SF大会というのはその全国版。なにがSFか?というと、SF好きは自分の好きなものなら何でもSFと定義したがりますので、実質的になんでも有りのイベントです。最先端科学からファンタジーやアニメ、果てはプログレッシブ・ロックまで許容範囲です。このイベントで、ファンが前年度に発表もしくは完結したSF作品を選ぶ星雲賞という賞がありますが、長岡良子の歴史マンガがノミネートされたこともあったくらい。

 さて、こういうイベントに出かけるのは、ワールドコン以来でしょうか。今回も長男と親子参加です。
 土曜日早朝の新幹線で品川へと向かいます。品川から総武線で馬喰町、馬喰横山から都営新宿線に乗り換えて、会場であるタワーホール船堀のある船堀へ。アキバ経由のコースを推薦する声もあるけれども、このコースがいちばんわかりやすい気がしました。

 10時くらいには到着して受付を済ませると2コマ目のオープニングセレモニーまで1階の喫茶店へ(1コマめの企画は「日本SFファングループ連合会議総会」のみなので関係なし)。なんというか、ちょっと高いかな。コーヒーあたりは普通だけれど、クリームソーダ500円といわれると、ちょっと高い気がする……という感覚です。最近、安いものばかり飲み過ぎたかな。
 でも、そこで顔見知りに声をかけられたりすると「SF大会に来たなー」という実感がわいてきます。

【第49回日本SF大会】【TOKON10】【タワーホール船堀】
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『鍋会2009』 2009.11/21-11/22

2009-11-24 | イベント・コンベンション
 今年もわが家の忘年会が終わりました。参加者は家族も含めて29名。これだけ民家に収容しようと思ったら、大掃除が1週間がかりです。昔の家屋みたいに大座敷があって、親族集めて寄り合うのが普通だったらラクなのでしょうけれど。
 学生時代から続いているイベントです。大学のサークル仲間の忘年会に、高校時代の友人やらなんやらが集まり、地元の友人が加わり、友人の友人が加わりと、参加者は入れ替わりしつつも延々と続いています。当初のメンバーはほとんど残っていませんが、それでも20人は超えます。
 昔は学生らしく、リレー鍋というのをやっていました。1つの鍋で湯豆腐から始め、食べ終わったら具を足して水炊きにして、それを片づけたらしゃぶしゃぶにして、出汁を足して寄せ鍋にして、うどんを放り込んで、餅を投入して、最後は雑炊で締めるというもの。
 最近はみんな量が食べられなくなったので、いろんなお鍋を同時に4つ5つと展開し、好き勝手に食べて回るというビュッフェ形式です。ただ、自分の好きな鍋は余分な人数が増えると困るので、それぞれできあがるタイミングは秘密です。

 今回はカニしゃぶ、常夜鍋(豚肉と小松菜のしゃぶしゃぶ)、白味噌仕立ての京野菜鍋、シロコロホルモンのモツ鍋に、鴨鍋の5つ。それにおつまみとして、馬刺し、砂肝刺身、生サラミ、ソーセージ、チーズ盛り合わせ、ステーキライス、ローストチキン、差し入れの焼き豚、焼きおにぎり。それにシロコロホルモンが美味しいと言うことでホットプレートを持ち出してホルモン焼き。お酒は特に用意しませんでしたが、みんな自分の呑みたいお酒、自慢のお酒を持ち込んでいたようです。少なくとも後片付けの時には、エビスや正体不明の輸入ビール、ドアラビール、萌えコラーゲン梅酒、秩父地酒のにごり生酒、英国古酒、蜂蜜酒などの空き瓶・空き缶が発見され、さらに飲み残しもかなりの数に。みんなかなり呑んでいたようです。
 22時半くらいには一息ついて、23時から食後のお茶。参加者個々があちらこちらの名店から買い集めたケーキが70ヶ+ロールケーキ3本。ノルマは1人3ヶです。

 これだけさんざん飲み食いしながら何を話しているかというと、ほとんど年1回くらいしか顔を合わせないメンツなのに近況報告などはほとんどなし。仕事の話も家族の話も無し。「特撮ヒーローの系譜はどこまで遡れるか」とか「温故知新でどこまで原点を辿るべきか」とか「成田亨デザインのオリジナリティ」とか「経済は科学か否か」とか「書名引用はどこまでなら著作権侵害にならないか」とか「出版不況の作家に与える影響」とか「コンサルティングとしての編集」とか……仕事半分な気もしますが、おおむね雑談。「ドミニオン」とかボードゲームをしているところもありました。
 さすがに夜更かしできないので、2時過ぎに就寝。

 7時に起きると人数が半減していました。朝から仕事という者も多かったようです。とりあえず、味噌仕立てのキノコ汁(材料は昨日の残り)とマグロの手こね寿司(材料は昨日の残り)で朝食を用意して、スーパーヒーロータイムを見ながら朝食です。
 朝食後は北海道、東京へ帰るという組を最寄りの駅へ送り届け、夕べ使った布団を実家に返しに行くともうお昼です。
 昼食は水餃子。みんなで皮を作って具を包み、大鍋で茹でて食べてを繰り返して一服するともう2時半。
 さらに東京・静岡・大阪方面に帰るお客を駅まで送り届けると、ぱたんと倒れて気がつくともう夕方です。

 さすがにもうお客は5人程度。夕食は焼き餃子(材料は昼の残り)、富士宮焼きそば2種食べ比べ(材料は昨日の残り)、焼き肉(材料は昨日の残り)です。じょじょえんのタレで食べる赤センが美味しい。塩ミノも美味。
 昨夜、どうやらかなりの人数がノルマを達成していなかったらしく、食後は大河ドラマや「行列のできる……」を見ながらケーキ(昨日の残り)でお茶です。さらに差入のクローテッド・クリームがあったのでスコーンも焼き、みんなでゆっくりお茶をいただいて解散。
 中には1週間分のカロリーを摂取してしまったという人もいたようで、これからの帳尻合わせのカロリー調整がたいへんです。とりあえず来年はカニしゃぶは止めようということに。代わりに何を用意するかは今後の検討課題です。魚系が少ないので、ちり鍋かクエ鍋といきたいところですが……。
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『ダイナ★コン20』 2009.10/24-25

2009-10-26 | イベント・コンベンション
 名古屋のローカル・コンベンション「ダイナコン」が2年ぶりに開催されるというので高校生の長男と参加してきました。
 受付開始直後に到着するくらいのタイムスケジュールで出発しましたが、途中寄り道した本屋の駐車場で車のバッテリーがあがってしまって修理待ち。購入して3年くらいでいかれることが多く、最近のバッテリーはいったんあがったら充電してもあがりやすくなるので交換した方が良いとのことで2万5千円なり。
 それでも、なんとか夕食開始直後には会場入り。会場となった五色園のフロントのおじさんには「最近ご無沙汰ですねえ。イベントはやられませんか? Tさんは?」と話しかけられ雑談しばし。プロはちゃんと顔と名前を覚えているなあ……。以下、敬称略。

 1コマめは「スゴイ科学で守ります」。スーパー戦隊シリーズを中心に、特撮番組の設定のつじつま合わせを他人が勝手にやると言う企画です。ゲストは長谷川裕一、環望、重馬敬、こやま基夫。
 最近は2チャンやmixiでさんざん語り尽くされているし、戦隊シリーズの矛盾も少なくなっているのであまり大ネタはないねということで始まりました。志葉家の出自についてあれこれ詮索。大陸方面にも話が飛び、赤穂浪士にまで波及するなど波瀾万丈な展開でしたが、やはり雰囲気は低調。最近は平成ライダーの方があれこれ矛盾して破綻して、夏の映画は金返せという出来だったけれどまだ冬があるし……と仕切り直し。キーワードは石文明とカード文明。次回は変形合体の系譜について語るというのも面白そうというあたりで幕。

 その頃、PXではダイナコンも20回ということで記念の巨大ケーキがカットされていました。フルーツたっぷりで美味! でもうちの長男はアレルギーだからメロンが食べられないのだ。

 休憩を挟んで2コマめは「マップス・シェアードワールドを語る」というもので、ゲストは引き続き長谷川裕一、重馬敬、環望。『マップス』のシェアードワールドの企画は実はダイナコンのPX(酒場)の呑み話から生まれたもので、SF作家・マンガ家やアニメーターにもファンが多いのです。
 ということで、その執筆陣募集の経緯や原稿の到着順とか今後の展開とか、表に書けない話も含めてアレコレ。やはりあろひろしの「アマニさん」は大ウケ。やはり玉子スライサー最高。ちゃんと本編のストーリーに合わせながら、ギャグでオチを付ける技量に絶賛。
 最後に、6月に亡くなられた中里融司氏は、まだまだマップス小説を企画されていたらしく、どんなマップスを書こうとしていたのか、断片的な情報から全体像を模索しますが、結局、「あの人はいつもみんなの予想のはるか斜め上を行ったよね」という結論。もっと作品を読みたかったですね。

 一方、PXでは名古屋の中華料理店「四川」の麻婆豆腐が振る舞われていて、みんなその辛さにヒーヒー泣いています。
 ぼくはそんなに気にせず「辛いけど、泣くほどじゃないよね」と平らげましたが、これもかなり冷めていたせいかも。その後に食べたカップラーメンが、ただのあっさり醤油味のはずが、口の中で激カラ唐辛子味に変わって困惑。食べ終わったら涙ボロボロ。閉口しました。

 3コマめは架空戦記部屋に行ったのだけれど、雑談・フリートークといいつつ、いきなり日英同盟についての検討が始まり、門外漢には手に負えそうになかったので早々に退散。「おぼろげ絵画教室」へ移動。
 そこは「お題に従って参加者全員に記憶だけを頼りにイラストを描かす」という企画で、プロも一般参加者もテーマとヒント3つだけで5分ほどで絵を描き、全員で合評会をしてテーマ毎に1番を決めるというもの。たとえば『テーマ:金田伊功の決めポーズ。ヒント:すごいパース、キラキラ光る効果、ヘンな方向に顔や手が向いている』という感じで、いちばん評価が高かったものが一番となり、描いた人が次のお題を決めるというもの。今回のテーマは他に「大鉄人17」「沖田艦長」「不思議の海のナディア」「黄金バット」「オスカルのヌード」。ただし巧すぎても「ふうん」「そうそうこんな感じ」であっさりスルーされるので、「ぜんぜん違う」「でも何を描いたか分かる」というのがポイントみたいです。総合優勝の賞品は全員の作品(門外不出)です。ゲストの長谷川裕一、一本木蛮、田中浩一、環望、こやま基夫らの描く「大鉄人17」とかの「沖田艦長」のイラストも当然含まれています(うろ覚えの5分描きだけれど)。

 そのあたりから、腹にたまった四川麻婆豆腐が暴れ始めて七転八倒。あなどりがたし四川!

 あとは特別に観たい企画もなかったので、ナーフとかいう玩具の銃のシューティングにいる長男の見学。それからファミコン時代のクソゲー体験コーナーの見学。3時に寝て7時起き。
 長男は他に2人しかいない大広間で黙々と『マイケル・ジャクソンのムーン・ウォーカー』をプレイしていたら、いつの間にかクロージング参加者が集まってきて羞恥プレイ状態に。
 クロージングも無事に終了。お土産に横山信義先生の「烈日」上下のサイン本をもらってほくほくで帰還。途中、長男のリクエストで新作オンラインゲームのロケテストをやっているというネカフェに寄り道。着いてみれば、昨夜車が故障した本屋のすぐ裏手で苦笑い。つき合ってネカフェで仮眠のつもりが、そのまま週刊誌を読みふけり、3時帰宅。

 今年もみのり多いダイナコンでした。できれば、毎年開催して欲しいものですが、無理は言えないのが残念です。
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『第32回日本SF大会 DAICON6』 1993.8/21-22

2009-08-17 | イベント・コンベンション
 このあたりのイベントになると、記憶に残っている企画がほとんどありません。
 プログラムブックをみつけて、その参加者一覧に自分と妻と妹の名前をみつけるまでは参加したことも忘れていたくらいです。こんなメンツで参加してたら忘れるはずもなさそうですけどね……。
 横にいた嫁に聞いてみたら「あそこの黒いカバンで参加して床に置いたのは覚えてる」と答えてくれました。プログラムブックによれば会場は国際交流センターと吉野旅館だったらしいけれど、確か合宿船を用意してたよね……ああ「まや丸」だ。確かにDAICON6の企画ですね。難民船みたいだったという記憶があります。公式の記録としては好評ということになっているようですが、途中での上下船が制限され、狭い船内を右往左往したあげくに早々に夜の街に追い出されて難民化した記憶しかありません。最初は一晩中自由に上下船できるということだったのに、法令の関係で乗船口を閉鎖しなければいけないということが急遽明らかになり、夜間の他の企画に参加したい人は泣く泣く下船したんだと思います……。
 あとは企画一覧を見ていると、「潮健児インタビュー」とか「宮内タカユキ・コンサート」とか「ファーストコンタクト・シミュレーション」などがあったようですが、記憶に残ってません。何をしてたんだろう。かすかに記憶が残っていても、それが他の大会の企画ではなかったかという疑念がぬぐえません。ああ、地獄大使とすれ違った記憶はあるぞ!
 唯一、まとまった記憶が残っているのは「NETWORK-GLの部屋」の部屋です。けれども、これもパソコン通信媒体でおこなわれていたPBMのプロモーション企画でして「こういうことやってますよ」というプリントアウトをもらって雑談しただけなので、自分としては盛り上がりにかけていたようです。つまり、他力本願で「愉しませてもらおう」という気持ちに陥っていたんでしょうね。

 写真は残ってました。5枚のうち、3枚はまや丸の時間待ちで待合室に座ってカップうどんをすすりあっているもの、1枚はまや丸の中の和室でふらふらしているもの、1枚は最終日のメイン会場前で友人知人で撮った記念写真でした。うん。確かに参加していました。

【第32回日本SF大会】【DAICON6】【1993.8/21-22】【弘司】【コスプレ写真販売禁止令】
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JGC(横浜)&DAICON7(岸和田) 【共に不参加】

2008-08-26 | イベント・コンベンション
 タイトル通りです。いいなー、いいなー、いいなー。

 2008年夏は、大きなイベントには何1つ参加することなく、おとなしく過ごしておりました。
 SF大会くらいは参加しようと思っていましたが、嫁が参加したがっていたJGCが同日程で開催されたため断念して留守番に。
 ところが嫁がぐずぐずしていて申込みが遅れていたため、JGCの方が締め切られてしまい、一転キャンセル待ちに。こちらを諦めさせておいて、のんびりしすぎて定員オーバーって……。これでキャンセル枠を確保できなかったら許せないところでした。
 事務手続きはなんでもちゃっちゃとやれーっ! あれこれ理由をつけて先延ばしにするなっ!
(08.08/25)

 帰宅した嫁から聞き取り。
 新横浜界隈は、店が増えていて食事には困らなかったそうな。ラーメン博物館には行かなかった模様。なーんだ。留守番家族が牛丼を食べている間にステーキ丼を食していたらしい。ちぇっ。
 ホテルの部屋は会場となったフロアの1つ上なのに、階段が使えないのでやはり満員のエレベーター待ちだったそうな。
 ライブRPGは「万歩計が欲しい!」と思うくらい歩き回ったとか、Aマホ/ガンパレは「簡単とはいわないけど、やってけば慣れると思う」とのことだけれど、先行購入したルールブックは長男に取られたので未読。
 帰りの新横浜駅はサザンのライブ帰りの老若男女でごった返し。豪雨による新幹線遅延でとんでもない騒ぎだったとか。やっぱサザンは強いなあ。街は一色だったそうな。
 とにかく愉しんでこられたようでなにより。よかった、よかった。
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『フロリダ旅行(6) NASA』 1992.07/07

2008-05-07 | イベント・コンベンション
 フロリダへ行ったら外せないのがケネディ宇宙センター。人類初の月面着陸をしたアポロ11号からスペースシャトルまで打ち上げられている宇宙の玄関口

 日本の旅行社が主催するオプショナルツアーで申し込むと2人で2万円くらい余分にかかるので、例によってケチケチに、自分で送迎用のピックアップを手配します。まあ、朝一でピックアップに乗せられ、どことも知れない原っぱの真ん中に置き去りにされたときは驚愕したけれど、要はあちらこちらからピックアップで拾われてきた客が、ここで大型バスにまとめられるということですね。
 さらにセンターのチケットは、ゲートでバスの運ちゃんがまとめ買いして各自精算。予算的には1/4だけれど、このどきどき感の代わりの安心代に1万5000円払うんだなあ……と納得。

 ケネディー宇宙センターで何を見るかというと、まずはバスツアーでスペースシャトルやサターンロケットを組み立て工場を見て、建物の中に雲ができるという巨大さを堪能し、それから発射台を見学。ただし、いつもなら近くまで行けるのだけれど、次の発射準備が控えているということで観光客は付近に立入禁止。遠くから発射台群を展望するだけで我慢。
 それから、ロケットパークで芝生の上にごろごろしている本物のロケットを見学。本物といっても、あたりまえですが予備機体ばかりですが、それでもあの工場で組み上げられるロケットですから、体感すると感動ものです。こんなんが飛ぶんだねーと。

 そして巨大スクリーンのアイマックス・シアターで宇宙ミッションの映画上映。視野一杯に広がるスクリーンに映し出された地球の姿に……爆睡。
 さすがにそろそろ疲れが溜まり始め、睡眠不足を気力で補えなくなっています。
 上映後は、そのままアートミュージアムへ。
 ここは宇宙をテーマにした絵画100数点が展示された美術館。ワニがたむろする湿原の彼方から打ち上げられるロケットとか、図録が思わず欲しくなる作品群。でも、探しても売ってませんでした。
 一通り見たら、カフェテラスで昼食。
 広く明るいホールに、日本の回転寿司みたいなベルトコンベアーで食べ物がぐるぐると。ハンバーガー、ハムチーズサンド、プリン、コーラ……コーラ? 味は予想通り大雑把。うん、こんなもんだ。
 午後からもあちこち見て回り、ブリーフィング・ルームで次のシャトル・ミッションについてレクチャーを受けるもヒヤリング全滅。まあ、雰囲気だけ……な?
 午後3時くらいのバスに乗り込んで宇宙センターにお別れ。そのままMGMスタジオに寄り、夕方のパレードを見てから今度はマジックキングダムに転戦。そこで夕食。
 メニューの「ビーフステーキ・ウィズ・マッシュルームソース」を注文。出てきた料理を見たら、「どこからどう見ても、ただのビーフシチューだよなー?」……言葉の世界は奥が深い。隣の家族連れが注文していたチキンステーキの方が美味しそうに見えた罠。でも、これまた小学生くらいにしか見えない女の子の食事に、鶏半身まるまるのチキンステーキは多すぎると思うけど。
 22時半からの花火ショーを見てからホテルへ帰還。疲れた疲れたといって、ぜんぜん懲りてませんね……。
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『フロリダ旅行(5) ユニヴァーサルスタジオ』 1992.07/06

2008-04-19 | イベント・コンベンション
 先日、得意先の事務員さんとユニヴァーサルスタジオの話題で盛り上がりました。大阪は行ったことがないので、ファストパスがゼニで買えるとは知らなかったようでした。
「大阪は、なんでもゼニかいっ!」
「ゼニだよっ!」
 でも、大阪は行ったこと無いけど、フロリダはあるよ!とのことでまた盛り上がり。仕事中なのに。

 まあ、映画の世界を体験するところですよね。
 街並みの1つ1つが映画のシーンだったりするのを愉しみながら散策するのは、それだけでも楽しいものです。街角曲がって、ふと頭上を見上げたらAT-ATスノーウォーカーがいて、軍用ジープが並ぶ一角にブルーサンダーが転がっていたりしてね。で、わくわくする気分のまま、ゴーストバスターズの幽霊退治とか、ケーブルカーに乗っててキングコングに襲われたりするわけですよ。だから映画を観ていれば観ているだけ愉しい場所ですね。
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『フロリダ旅行(4) エプコットセンター』 1992.07/04-07/05

2008-04-14 | イベント・コンベンション
 エプコットセンターとは実験未来都市のこと(今は単に「エプコット」と呼ぶらしいけれど)。
 ここはふたつのゾーンで構成されています。
 1つは、最新テクノロジーを体験できる展示やアトラクションの「フューチャー・ワールド」。恐竜世界を通り抜け、人体の内部を体験し、未来世界の様子をかいま見、発明発見の歴史を俯瞰して、実際に運営されている未来農場で生産されている野菜などを利用したフードコートで食事ができるというエリアです。
 そしてもう1つは、湖の畔に世界各国のパビリオンが立ち並ぶ「ワールド・ショーケース」。カナダの大自然を360度スクリーンで体感し、ヨーロッパの街並でジャグリングを披露する大道芸人たちと一緒に騒ぎ、トロルが暴れる北欧の海に漕ぎ出したかと思うと、闇の中の篝火に浮かび上がる中南米の古代遺跡を探検するというエリア。
 なんというか、常設の万国博覧会ですね。大阪万博とか、愛・地球博とかを想像してもらえれば正解。でも、さすがに湖に大鳥居、その正面には色とりどりの幟が立ち並ぶお城の天守閣というのは、日本人としてなんか莫迦にされているような気持ちになりますが……そこはお互い様かな(写真参照)。
 訪れたのが独立記念日の週だけあって、独立当時のコスチュームに身を包んだ人たちが国歌を斉唱してたり、どこもかしこも「ビバ!アメリカ」ムード。別に悪くはない。悪くはないというか……歴代大統領の演説を聴きながら会場外に出てきたとき、思わず「ああ、アメリカ人で良かったな」と感慨にふけっている自分に気づいて愕然。
 恐るべし、ディズニー・マジック。あの雰囲気作りの演出テクニックは見習う必要があるよね。
 このエプコットこそが、ディズニー・ワールドを単なる大きなテーマパークではなく、1つの自治体にすることを可能とした施設。単なる遊園地ではないという企画書が、州議会を説得して自治権を与えさせたんだとか。ふうん。
 後日、東京ディズニーランドで、日本の歴史を描いた、似たような施設を覗いてきたけれど、あの「ビバ!アメリカ」な熱気がなかったのが残念。史実と神話の間で中途半端な作り。神話なら神話でスペクタクルに作ればいいのにね。

 5日にはユニヴァーサル・スタジオへ。
 キングコングとかゴーストバスターズとか大地震とか、いろいろ見て回って深夜まで大はしゃぎ。でも、そろそろエネルギーが尽きかけている予感……。

【イマジネーション】【自治体】【いらっしゃい】【水耕農園】
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『フロリダ旅行(3) コンテンポラリー・リゾート』 1992.07/01-7/3

2008-04-12 | イベント・コンベンション
 キーウェストから空路でおよそ30分。オーランド国際空港に到着したら、事前手配のピックアップ・バスでコンテンポラリー・リゾートへ。
 そこは既にウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート。122平方キロの敷地内に、6つのテーマパークから幾つものゴルフコースやレースサーキットまでを抱える世界最大のアミューズメントリゾート……というか自治体ですね。街が丸ごとテーマパークではなく、テーマパークを丸ごと地方自治体にして、警察消防から徴税まですべて自前でやっているのです。そこのところを押さえておかないと、この徹底さは理解できません。

 法案には1つ、重要な項目が抜けている。
「王国なのに、王位の規定がない」
 法案署名に会場へ向かうクロード・L・カーク知事の言葉。(『ディズニー伝説』ボブ・トーマスより)


 南部邸宅風からポリネシア風まで、幾つもの個性豊かなホテルがありますが、コンテンポラリー・リゾートは分厚い本を背表紙を上にして伏せたような形。そして開かれたページとページの間は14階までの吹き抜けになっていて、その中をモノレールが発着するので、気分はトレーダー分岐点。
 部屋のドアを開けて外へ出ると、眼下にモノレール・ステーションやショッピング・モール、ジャズの生演奏が続くステージなどを見下ろすことができます。この光景を見たいがためだけに、日本語スタッフが常駐していないことなど気にせず申し込んだんです。
 部屋そのものは普通ですが、建物全体に意匠を凝らした仕掛けが施されていて、今では日本でも珍しくない「音声でアナウンスするエレベータ」も、渋い声でしゃべってくれてなかなか魅力的。
 ここを拠点に、遊びほうける日々が続くことになります。

【コンテンポラリー・リゾート】【自治政府】【モノレール】
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『フロリダ旅行(2) カサ・マリーナ』 1992.06/29-07/01

2008-04-10 | イベント・コンベンション
 精神ダメージをいきなり3D6ほどもくらいながら到着したホテルは、落ち着いたたたずまいでした。白い壁と磨き込まれた木製の床が続く、古い時代そのままのホテル。確かに最高級の老舗です。シャワーからお湯が出ないところまで老舗です。

 キーウェスト最初の朝。
 朝食は青空の下、木々の緑に囲まれたオープン・ビュッフェでした。オムレツ・コーナーのシェフに、好みの具を指示してオムレツを作ってもらっている間に、あれこれソーセージやパンやフルーツを物色。やっと落ち着いたという雰囲気で、のんびり朝食を楽しみます。
 それから島内を巡回するトローリーバスに乗って、目抜き通りのある島西部へと観光へ出発。椰子の木陰をくぐりながらヘミングウェイの邸宅を訪ね、古本屋を覗き、メル・フィッシャー宝物館で金の延べ棒を持ち上げ、Tシャツ屋で店員の口車に乗ってTシャツを買いすぎ、周囲に山のように積み上げられた特産の海綿スポンジの列をくぐり抜けます。そして、日本ではゲーマー向けのショップにしかないようなドワーフやケルピーのフィギュアが普通に土産物屋のショーケースに並んでいる光景に釘付けになり、そして1日の締めくくりには、アメリカ最南端キーウェストの夕日!! ぬるい空気の中、道ばたで演奏されるスティール・ドラムのトロトロという音をBGMに、観光客が海岸に鈴なりで落日を待ちますが……、最後の最後に雲が出て尻切れとんぼで夕陽は拝めず。
 しかも、夕陽の時間にはバスは最終便が出た後! あのお、観光地最大の売り物を見ていると帰りの足が無くなるってどうですか? がっかり、しょぼんで、とぼとぼと島の反対側まで歩いて帰るのかと思っているところに、三輪車の輪タクを見つけてつかまえることに成功。自転車と人力車を足して割ったようなやつね。
 運転手は1968年にミサワ基地にいたというおじさん。たくましい脚できこきこ漕ぎながら、道道の観光名所を案内してくれます。結果オーライ。

 翌朝。今日はもう昼にはここを立つので、その前にアメリカ最南端に到達してやろうと、とことこ15分ほど散歩して海岸へ。地図を片手に、道ばたに転がっている椰子の実を蹴飛ばしながら、ついに到達!
 なんか、この旅で初めて予定通りにいったぞと、ちょっと気をよくしてホテルへ戻って荷造りをしていると、ドアの外で慌ただしい人の動き。こっそりドアを開けて様子を見ようとすると、「Don't Worry!!」などと叫びながら鍵束を手にしたフロントマンが通り過ぎ、そのあとを2人の警官がドッカドッカと駆け抜けていくではありませんか。

 何があったんだろう。心配するなと言われてもねえ……?

 そして島を離れるために再びやってきた空港は、前に見たときよりちょっとは優しく思えました。
 早めに着いた空港の食堂でお昼。チリドッグとコンクチャウダー、キーライムパイ、そしてアイスティーとアイスミルク。2人ともアメリカは初めてではなかったけれど、久々だったので油断しました……。
 コンクチャウダーは島の貝で作ったチャウダーで、まあ、マグカップ1杯分。あふれているけれど、これは普通。飲み物も普通。チリドッグがホットドッグに見えなかったのが誤算(写真参照)。パンの上にかけられたチリソースの重みに耐えかねて、パンがグダ~っと皿の上に広がってピザ状態。それに山盛りのフライドポテト。そしてキーライムパイはアメリカのデザートそのものを体現したように、巨大ですこぶる甘ったるいシロモノ。素晴らしいアメリカン・デザート! なんか、やっと「アメリカに来た!」という感じかな(今まではただの南国気分)。

 やっとの思いで昼食を済ませると、来たときと同じ小さい飛行機に乗り込んで「やっぱり飛行機に乗ったと実感するには小型レシプロ機に限る」とうそぶきつつ、オーランド国際空港へと旅だったのでした。

【輪タク】【トローリーバス】【チリドッグ】【警官】
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『フロリダ旅行(1) キーウェスト国際空港』 1992.06/29

2008-04-08 | イベント・コンベンション
 夫婦でフロリダ旅行へ出かけたのは、もう随分前のこと。
 当時は行きたい場所を回るツアーコースが無くって、旅行社で航空機チケットと宿の手配だけして、あとは添乗員も現地スタッフもなんにも無しという旅行を選択。2人とも少しくらいは英語は話せるし、こみ入った会話をするわけでなし、行きたいところへ行くのが一番だよね。
 そして、そういうときに限ってトラブルに見舞われるものなんです。マーフィーばんざい。

 最初の目的地はキーウェスト。ヘミングウェイがネコと共に暮らした屋敷があり、シュワルツェネッガーがハリアーで吹き飛ばしたセブンマイル・ブリッジがコバルト色の海の上を何処までも続く南の島。ここを走りたくて国際運転免許証まで取得したけれど、飛行機の都合でキャンセル。ちょっと残念だったけれど、後から思えば、これで何が起こったかも解らない災厄を回避できた気がしないでもないね。

 まずはフロリダ空港でジャンボジェットから小型のレシプロ機に乗り換え。ジェットコースター並の振動に振り回されながらも、夜のキーウェスト国際空港に到着! ところが荷物がいつまで経ってもターンテーブルに出てこない……。
 しかも乗ってきたのが最終到着便。他に誰もいなくなった空港で、周囲の明かりがどんどん消されていきます。ほとんど非常灯だけになった到着ロビーで、どこにも姿のない空港係員の姿を求めて右往左往。
 いや、キーウェスト国際空港なんて立派な名前はついてますが、大きさとしたら近所のスーパーマーケットに消防署の火の見櫓を足したくらいの建物(写真参照)。本当に、どこにも人の気配がありません。
 なんとか、戸締まりされた職員用ドアを叩いて宿直職員を見つけ、カタコト英語でスーツケース紛失を訴えて手続を何とか済ませ、さて「どうやってホテルへ行こう?」……。

 誰もいなかった空港内部から、チョコバーの自販機なんかを横目で見つつ、一歩外で足を踏み出せば、そこは熱気あふれる南国の夜。そしたら、いくらでも人はいるわけですよ。空港以外周囲に何もなく、空港は電気消して真っ暗なのに、タクシー乗り場10人ほどが陽気に大声で雑談しているんです。たぶんタクシーの運転手です。開襟シャツに入れ墨の屈強そうなドライバーたち。あれだ、昔のマンガ『ポパイ』に出てくるブルートみたいな感じ。
 ふらふらと心細げに到着ロビーから出てくる東洋人2人に、運転手(と思われる人)たちがわらわらと寄ってきます。幸い、どう見たって、タクシーが必要なお客にしか見えませんから、こみ入った会話は必要はありません。
「あんちゃんたち、タクシーいるかい!?」
 赤いタンクトップにホットパンツのおねえちゃんの登場。
 彼女の運転するピンクのタクシーで、一路ホテルへ。後日、NY在住の義妹にその話をしたら「それ、白タクじゃん! 危ないよ?」と言われたけれど、他に選択肢がなかったんだから仕方がないってば。

 しかし、あの空港。今はさすがにきれいになってんのかねえ……?

【キーウェスト】【国際空港】【タクシー】
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