みなさん、こんにちは。甲斐田@プノンペンです。
私がカンボジアの8月を経験するのは4回目になるのですが、今年は例年になく、とても涼しいです。日本からきた人も日本より涼しいと言うくらいです。かく言う私も8月3日に約2ヶ月の日本滞在を終えてこちらに戻ってきました。
日本ではほとんどクメール語を勉強していなかったので、だいぶ忘れたのでは?と心配していましたが、結構覚えていたのには嬉しくなりました(といってもまだカタコトなのですが・・・とほほ)。
今回こちらに戻って、カンボジアでの生活が大きく変わったのは、国際子ども権利センターのカンボジア事務所にもう一人スタッフが増えたことです。これまで、カンボジア便りを一人で発信してきましたが、今後はこのページを新スタッフ、平野将人(ひらのまさひと)と二人で発信していくことになりますので、どうぞよろしくお願いします。
こちらに戻ってすぐに、国際子ども権利センターが支援しているHCCのプロジェクト地であるプレイベン州のコムチャイミア郡を訪問しました。今回は、小学生の人身売買防止ネットワークの活動と収入向上プログラムのフォローアップが目的でした。
このプロジェクトは、大きく二つの活動に分かれているのですが、簡単に言うと、一つはコムチャイミア郡すべての小・中・高校(計14校)で各10人の子どもたちがネットワークをつくり、人身売買の手口、出稼ぎの危険性、子どもの権利、児童労働、ドメスティック・バイオレンスなどについて研修を受け、それを回りの子どもたちに伝えていく意識啓発活動です。もう一つは、学校に通う少女たちの中で、貧しく、父親がいないなど、出稼ぎに行かざるをえないような家庭に牛などを貸し出し、貧困から抜け出す支援をおこなうことにより、人身売買の危険から子どもたちを守ろうとするものです。
詳しい報告は、平野から後ほどさせていただきますが、今回印象的だったことは、小学生たちが周りの友達に伝えようとしても、信じてもらえないことが結構あるということでした。それでも一生懸命、自分たちが学んだことを伝えようとする少女たちを見て、エールを送りたくなりました。
また、話がドメスティック・バイオレンスに及ぶと何人かが生々しい話を聞かせてくれて、子どもたちの身近に多くのケースがあることがわかりました。子どもたちの様子をそばで見守っていた年配のコミューン(集合村)長は、「自分は一度も妻を殴ったことがない。でも、子どもの権利や女性の権利、人権、という言葉は、このプロジェクトが始まってから初めて知った。村の内部の人が言うと信じないことでも外からNGOの人が言うと村人は信じるので、もっともっとこの地域にHCCや国際子ども権利センターはきて話をしてほしい」と話していました。
今回、嬉しかったのは、前回訪問したときに交流した女子中学生がわざわざ訪ねてきてくれたことです。彼女は、中学3年生のヒアングさん(16歳)で、3月にスタディツアーのグループが訪問したときにコムチャイミア高校(中1から高3が在籍)で、売られる少女の役を熱演しました。コムチャイミア郡に高校は一つしかなく、コムチャイミア高校はこのプロジェクトの中心的な役割を果たしています。3月に中高生が演じた劇があまりにも上手だったので、1回で終わらせるのはもったいない、ということで、6月にビデオ撮影をしました。幸い、カンボジアでテレビ番組制作の技術協力をしていらっしゃる青年海外協力隊の方が協力してくださることになりました。
ところが、撮影の前日、前回演じてくれた女子中学高校生たちが、撮影に参加しないと言っているという連絡が入りました。何でも3月にセックスワーカーの役を演じた少女たちがその後、村の子どもたちにからかわれるようになったというのです。私たちも劇を見たときは、この国でひどい軽蔑や差別の対象となっているセックスワーカーの役を彼女たちがよく演じたと感心していたところでした。劇のあとに話を聞いてみると、演じる前は親からの反対もあったそうですが、彼女たちがこれは大事な活動だからと親を説得することに成功したとのことでした。そんな勇気ある彼女たちのことをあのあと、からかっている子どもたちがいたとは・・・。それで、再び親たちが心配になり、反対しているとのことでした。
彼女たちが演じることができなければ劇の撮影もだいなしになります。不安な中、6月4日、5時間かけて村に向かうとHCCスタッフや学校の先生の説得などにより、思い直した彼女たちが演じることを決めたことがわかりました。ほっ・・。
いよいよビデオ撮影が始まると、まるで映画撮影のような本格的なものとなりました。学校の先生は何度も「やり直し」を命じます。みんな汗だくのまま撮影を続け、暗くなるころにようやく最後のシーンを撮り終えることができました。
ヒアングが演じたのは、連れてこられた買春宿で初めて自分が売られたことを知る少女の役でした。客をよそおって部屋に入ってきた警官に向かって「どうか何もしないで!」と泣いて懇願する彼女の迫真の演技には、思わず涙が出そうになりました。
村でお酒に酔った夫から妻が殴られる場面を撮影したときは、涙を流す村の女性たちがいたほど、どの生徒も演じるのがうまかったです。この劇のビデオは、今週にも完成します(40分)。今後はこれをほかの学校や地域で上映し、啓発活動に活かしていく予定ですが、日本でも上映する機会をもちたいと考えています。
私がカンボジアの8月を経験するのは4回目になるのですが、今年は例年になく、とても涼しいです。日本からきた人も日本より涼しいと言うくらいです。かく言う私も8月3日に約2ヶ月の日本滞在を終えてこちらに戻ってきました。
日本ではほとんどクメール語を勉強していなかったので、だいぶ忘れたのでは?と心配していましたが、結構覚えていたのには嬉しくなりました(といってもまだカタコトなのですが・・・とほほ)。
今回こちらに戻って、カンボジアでの生活が大きく変わったのは、国際子ども権利センターのカンボジア事務所にもう一人スタッフが増えたことです。これまで、カンボジア便りを一人で発信してきましたが、今後はこのページを新スタッフ、平野将人(ひらのまさひと)と二人で発信していくことになりますので、どうぞよろしくお願いします。
こちらに戻ってすぐに、国際子ども権利センターが支援しているHCCのプロジェクト地であるプレイベン州のコムチャイミア郡を訪問しました。今回は、小学生の人身売買防止ネットワークの活動と収入向上プログラムのフォローアップが目的でした。
このプロジェクトは、大きく二つの活動に分かれているのですが、簡単に言うと、一つはコムチャイミア郡すべての小・中・高校(計14校)で各10人の子どもたちがネットワークをつくり、人身売買の手口、出稼ぎの危険性、子どもの権利、児童労働、ドメスティック・バイオレンスなどについて研修を受け、それを回りの子どもたちに伝えていく意識啓発活動です。もう一つは、学校に通う少女たちの中で、貧しく、父親がいないなど、出稼ぎに行かざるをえないような家庭に牛などを貸し出し、貧困から抜け出す支援をおこなうことにより、人身売買の危険から子どもたちを守ろうとするものです。
詳しい報告は、平野から後ほどさせていただきますが、今回印象的だったことは、小学生たちが周りの友達に伝えようとしても、信じてもらえないことが結構あるということでした。それでも一生懸命、自分たちが学んだことを伝えようとする少女たちを見て、エールを送りたくなりました。
また、話がドメスティック・バイオレンスに及ぶと何人かが生々しい話を聞かせてくれて、子どもたちの身近に多くのケースがあることがわかりました。子どもたちの様子をそばで見守っていた年配のコミューン(集合村)長は、「自分は一度も妻を殴ったことがない。でも、子どもの権利や女性の権利、人権、という言葉は、このプロジェクトが始まってから初めて知った。村の内部の人が言うと信じないことでも外からNGOの人が言うと村人は信じるので、もっともっとこの地域にHCCや国際子ども権利センターはきて話をしてほしい」と話していました。
今回、嬉しかったのは、前回訪問したときに交流した女子中学生がわざわざ訪ねてきてくれたことです。彼女は、中学3年生のヒアングさん(16歳)で、3月にスタディツアーのグループが訪問したときにコムチャイミア高校(中1から高3が在籍)で、売られる少女の役を熱演しました。コムチャイミア郡に高校は一つしかなく、コムチャイミア高校はこのプロジェクトの中心的な役割を果たしています。3月に中高生が演じた劇があまりにも上手だったので、1回で終わらせるのはもったいない、ということで、6月にビデオ撮影をしました。幸い、カンボジアでテレビ番組制作の技術協力をしていらっしゃる青年海外協力隊の方が協力してくださることになりました。
ところが、撮影の前日、前回演じてくれた女子中学高校生たちが、撮影に参加しないと言っているという連絡が入りました。何でも3月にセックスワーカーの役を演じた少女たちがその後、村の子どもたちにからかわれるようになったというのです。私たちも劇を見たときは、この国でひどい軽蔑や差別の対象となっているセックスワーカーの役を彼女たちがよく演じたと感心していたところでした。劇のあとに話を聞いてみると、演じる前は親からの反対もあったそうですが、彼女たちがこれは大事な活動だからと親を説得することに成功したとのことでした。そんな勇気ある彼女たちのことをあのあと、からかっている子どもたちがいたとは・・・。それで、再び親たちが心配になり、反対しているとのことでした。
彼女たちが演じることができなければ劇の撮影もだいなしになります。不安な中、6月4日、5時間かけて村に向かうとHCCスタッフや学校の先生の説得などにより、思い直した彼女たちが演じることを決めたことがわかりました。ほっ・・。
いよいよビデオ撮影が始まると、まるで映画撮影のような本格的なものとなりました。学校の先生は何度も「やり直し」を命じます。みんな汗だくのまま撮影を続け、暗くなるころにようやく最後のシーンを撮り終えることができました。
ヒアングが演じたのは、連れてこられた買春宿で初めて自分が売られたことを知る少女の役でした。客をよそおって部屋に入ってきた警官に向かって「どうか何もしないで!」と泣いて懇願する彼女の迫真の演技には、思わず涙が出そうになりました。
村でお酒に酔った夫から妻が殴られる場面を撮影したときは、涙を流す村の女性たちがいたほど、どの生徒も演じるのがうまかったです。この劇のビデオは、今週にも完成します(40分)。今後はこれをほかの学校や地域で上映し、啓発活動に活かしていく予定ですが、日本でも上映する機会をもちたいと考えています。
コメントありがとうございました。
台本はありませんが、劇のDVD(日本語字幕つき)を販売していますので、ホームページからお申し込みいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
国際子ども権利センター代表理事 甲斐田万智子
・コメント
はじめまして。
高校で演劇部の顧問をしています。
カンボジア支援のボランティアにかかわっております。
ブログを拝見し、劇に大変興味を持ちました。
できれば、台本を添付していただければ、と思いメールいたしました。
台本は、クメール語ですよね。
できれば日本語バージョンがあればありがたいです。
ぶしつけなお願いで申し訳ありません。
よろしくお願いします。
鈴木優子
高校で演劇部の顧問をしています。
カンボジア支援のボランティアにかかわっております。
ブログを拝見し、劇に大変興味を持ちました。
できれば、台本を添付していただければ、と思いメールいたしました。
台本は、クメール語ですよね。
できれば日本語バージョンがあればありがたいです。
ぶしつけなお願いで申し訳ありません。
よろしくお願いします。
鈴木優子
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