恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

6/15(土)黒門亭1部(主任:三遊亭白鳥)

2019年06月15日 | 噺とか
久しぶりの黒門亭は、梅雨の雨の中で三遊亭白鳥師匠がトリを務めます。
札止め必至だろうなぁと思いつつ早めに行くとやはり行列が。
番頭の柳家かゑるさんが早々に整理券を配り始めておられました。
雨の中ですからこういう配慮もやはりありがたいものです。

小ごと「道具や」
粋 歌「保母さんの逆襲」
小燕枝「意地くらべ」
-仲入り-
鈴之助「紙入れ」
白 鳥「座席なき戦い」

粋歌さんは先日ギックリ腰になってしまったというマクラから。
かつて前座のころにもなったことがあるそうで、
その時も今回もどうも人とは違った形で腰にくるのだとか。
昨日まで連日の病院通いで、やっと歩けるようになったとのこと。
ネタは、初めて聞くネタで、彦いち師匠の作品のようです。
手遊び歌「グーチョキパーで何作ろう」が耳に残る話ですが、
「右手がチョキで左手がパーで、林家正楽」のくだりで笑ってしまいました。
寄席でしかできないですよねぇ。
白鳥師匠がトリということもあって弾ける新作が痛快でした。

小燕枝師匠はそんな盛り上がりの後にもしっかりと古典を聞かせてくれます。
台東区にある銭湯「鶴の湯」での話をマクラに、
江戸っ子が強情であるというような流れになったので、
「強情灸」かと思いきや、「意地比べ」。
この噺、初めて聞くんですが、なんとも江戸っ子の強情さを可笑しく表した噺。
意地の張り合いは「井戸の茶碗」に似たような場面があるような気もしますが、
あちらは武家の意地で、こっちは江戸っ子の意地。
こんなに意地を張ることもないんでしょうが、そこが面白い。
小燕枝師匠の技が光る一席でした。

仲入りをはさんで鈴々舎鈴之助師匠。
こちらの師匠は初めてお目にかかります。
語り口調もよく、聞きやすいお方。
定番の「紙入れ」ですが、出来自体はとてもいいものでしたが、
この後の白鳥師匠目当ての黒門亭のお客さんにはややウケ止まり。
鈴本とかでやればもっと受けてると思いますね。

トリに上がった白鳥師匠は、ここに来ると普段会わない人に会える、
と前に上がった鈴之助師匠をいじり倒します。
かつて同じ時期に二つ目時代を過ごし、
二つ目勉強会の際にあった、志ん朝師匠とのやりとりが秀逸。
茨城弁の「紙入れ」を聞いてみたかった。
たっぷりのマクラから本題へ。
「マグロの頭」「5番アイアン」「山手線」の三題噺なんですね、元は。
JAL名人会でこの噺をかけるも、あれこれと制限があって、
縮めて収録したり、個人名を出したために取り直しになったり、と、
とにかくいろんな苦労があったそうです。
ちょいちょいそんなエピソードを交えながら噺は進行。
白鳥師匠らしい一席を満喫させてもらいました。

コンパクトに質の高い時間を過ごすことができた梅雨の黒門亭でした。

恐懼謹言。

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