恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

ああ上野駅

2007年07月14日 | 恐懼とか
かつては北の玄関口として栄えた上野駅も新幹線の開業によって、
在来線の特急電車や寝台列車は大幅に削減されてしまい、
今ではわずかに往時の名残を感じ取れるだけになってしまっております。
私のような若造は別として、かつて集団就職によって、
東北から東京を目指してやってきた方々には格別の思いがあることでしょう。

そんなわけで、今日はそんなかつての日本の姿に触れようということで、
上野駅13番線ホームにある特急列車待合ベンチに行きまして、
午後7時から延々とビール片手にホームに滑り込んでくる電車を見ながら談話。
下手をすると場末のうだつが上がらないサラリーマンにしか見えませんが、
別にそう見えてしまっても仕方のないこと。
地平ホームの薄暗さがそんなノスタルジーさをさらに加速させたりもしますが。

そんな13番線でもメインの電車はいまや数少なくなってしまった、「あけぼの」です。
電光掲示板に表示された行き先である「青森」の文字は、
なんとなく往時の長距離列車の活躍を思い出させてくれるような気がします。
牽引する機関車も年季の入った昭和54年製。私より年上です。
最近の静かな電動車ではなく、力強い轟音を響かせながら入線し、
ホームで待つ客は今や遅しと寝台車の中に駆け込んでいくのです。
そうか、これが旅の原点なのかもなぁと感じましたね。
そして21時45分、定刻どおり「あけぼの」は青森へ向けて発車していきました。
その姿を三本目の缶ビールを片手に見送る私。
バイクとか車の旅もいいけど、こういう旅もいいなぁと思いながら、
ほろ酔いで家路へと着いたのでした。
いいねぇ、上野駅。

恐懼謹言。
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