恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

8/11(水)第九次 第五回 圓朝座@谷中・全生庵

2021年08月11日 | 噺とか
鈴々舎馬桜師匠が手掛けている落語会です。
落語中興の祖である三遊亭圓朝の祥月命日である8月11日、
谷中の全生庵では法要と落語会が行われているとのことで、
今回が初めての参加になります。
馬桜師匠の落語会に参加するのもかなり久しぶりになります。
ゲストには文菊師匠が出るということもあり、事前に予約を入れて谷中へ。

「牛ほめ」          ごはんつぶ
「緑林門松竹・天城豪右衛門」 馬桜
 -仲入り-
「鰍沢」           文菊
  
前座は天どん師匠門下のごはんつぶさん。
彼も見習の頃から拝見していますが、かなり貫禄が出てきましたね。
系譜として、圓朝→品川の圓蔵→六代目・圓生→圓丈→天どん→ごはんつぶ
ということで、一応は直系筋にあたるようですが、まぁその辺はあまり、ね。
前座噺ながら「牛ほめ」をたっぷりと。
ところどころオリジナルのくすぐりを入れてくるのと、
独特の間が師匠譲りだなぁと感じました。

発起人の馬桜師匠は「緑林門松竹」という連続モノ。
不勉強なのですが、「みどりのはやしかどのまつたけ」と読むのですね。覚えられん。
昨年の公演の際に前の部分のところをやられたそうですが、
あまりにも人が死ぬ惨たらしい噺とのことで、落語界に珍しくR15にしたんだとか。
その辺の前段のところをさらっとあらすじにして本編へ。
予備知識など一切なく今日に臨んだのですが、それでも面白いですね。
笑いのほとんどない話ではありますが、世界に引き込まれるというか。
しかしまぁ、毒殺のくだりが出てくるのですが、
「鰍沢」と本来はつくような気もします。
こういう落語会ではあまり気にしないものなのかもしれませんね。

仲入りを挟んでトリに文菊師匠。
この会場ではめくりも出囃子もないのですが、いつもの調子でゆったりと高座へ。
おそらく文菊師匠目当てのお客さんも多かったのかな?
冬の噺の定番である「鰍沢」を蝉の声が聞こえる座禅堂で聞く、
というなんとも不思議な環境ではありましたが、
始まってしまえばもう冬の世界へといざなわれてしまいます。
文菊師匠の所作やお熊の演じ方など、さすがといったところ。
あっという間に時間がたってしまいました。

本来ならば120のキャパのところを80に絞っての公演だったこの会ですが、
祝日であるはずがオリンピックの影響で祝日が移動し、
平日になってしまったことや、コロナの感染者が未曾有の数になってることもあり、
比較的ゆったりとした環境で楽しむことができました。

まだまだ大手を振って落語を楽しめるような情勢ではありませんが、
一日も早く観戦が終息してこういう落語会を気軽に楽しめるようになってほしいものです。

恐懼謹言。
コメント
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