恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

10/1(火)鈴本演芸場昼席(主任:柳家喬太郎)

2019年10月01日 | 噺とか
本日より消費税が増税と相成り、その影響もあって鈴本演芸場も入場料が3000円に。
これを機に、と「東京かわら版」を購入して200円割引を使用しましたが、
なかなか定席にも足を運びにくくなりますね。
頼みの綱は、友の会の末廣亭と価格据え置きの池袋でしょうか。
そんな中、鈴本の10月上席の初日に足を運んできました。
土日に行ったら大混雑必至でしょうから、動ける平日に。

値上げ効果なのか、平日だからなのか、
最初のころはかなり空席が目立ち、後半でもそこそこ空席がありました。
人気者の喬太郎師匠がトリの興行としては珍しいかも。

左ん坊「道灌」
小太郎「転失気」
勝 丸「太神楽」
歌 司「親子酒」
燕 路「たらちね」
笑 組「漫才」
百 栄「ホームランの約束」
志ん陽「つぼ算」
のだゆき「音曲漫談」
一 朝「三方一両損」
-仲入り-
ロケット団「漫才」
小ゑん「下町せんべい」
馬 石「金明竹」
二 楽「紙切り」(ラグビー・恐竜)
喬太郎「首ったけ」

百栄師匠、ここのところよく聞かせてもらっており、
幸いなことに噺のかぶりがありません。
どちらかというと陽気な客席だったので、どうなるかと思いましたが、
マクラ少なめで本題へ。
以前聴いたことがありましたが、改めて聞いても面白いですね。
サゲのところ、以前から志らく師匠をいじる感じでしたっけ?

一朝師匠は「三方一両損」。
仲入りの出番で持ち時間たっぷりと、という感じですね。
さすが一朝師匠の江戸前口調が冴えわたります。
啖呵を切るあたりも小気味よい調子でトントンと。
寄席のオールラウンダーとはよく言ったもので。

馬石師匠の「金明竹」はちょっと変化球でしょうかね。
挙動不審な登場人物が随所に出現します。
馬石師匠の落語の登場人物にありがちなきゃらですが、
なんかもうこれはこれで確立してますね。

喬太郎師匠が高座に上がると、まず目立つのが唇にある傷。
最初に口唇ヘルペスになってしまったことを説明。
疲れがたまるとこういうことがたびたびあるんだそうで。
さすが人気者というだけあります。噺には影響なさそうですが。
なんでも師匠のさん喬師匠もたびたびかかるんだそうですが、
「ヘルペス」の名称が人によって性病だと思われるんだそうで、迷惑してるそうな。
まぁなんとなくわからんでもないですねぇ。
マクラでは吉原についてあれこれと語りつつ、
客席にいる小さな女の子に気づきますが、そんなことは気にせず、一気に廓話へ。
「首ったけ」はかつて天どん師匠で聞いたことがあるぐらいで、
あまり聞きなじみのない噺です。
どちらかといえば喬太郎師匠の新作を期待したのですが、古典もいいですね。
特に喬太郎師匠の演じる妖艶な女性は古典でも新作でも特徴があって面白い。

久しぶりに喬太郎師匠の口演を楽しんだ鈴本の昼席でした。
おおむね楽しく過ごせたのですが、やはり客席のマナーがねぇ。
細かいことをあれこれ言うのも野暮なのですが、
人気者の興行だとどうも客席が荒れるというか、
浅草っぽい雑然とした空気になるというか。
そう考えるとやはり池袋の空気っていいよなぁと思ってしまいます。
池袋、決していかがわしくも、汚らわしくもありません。

恐懼謹言。
コメント
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