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国民の皆さん、
あなた方の銀行預金を減らしますよ
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三橋貴明
国債関連の議論が活発化したことを受け、「国債は日本政府の負債。貸し手が国民」というレトリックを見かけましたが、別に国民は貸していません(国債所有に占める家計・NPOの割合はわずか1.43%)。
貸している、つまりは国債を資産として持っているのは、銀行(預金取扱機関)や保険会社といった金融機関です
(もっとも、すでに過半が日本銀行保有ですが)。
http://mtdata.jp/data_82.html#JGB2209
まあ、銀行や保険会社を「日本国民」と定義するならば、「国民が貸し手」は間違っていませんが。もっとも、日本政府の国債発行が日本国民の資産(銀行預金)を「創出する」のは確かなのです。
1.日本政府が国債を発行し、支出する(但し、調達した日銀当座預金での支払いは出来ないため、民間の市中銀行を経由する)
2.市中銀行が、我々日本国民の銀行預金残高が増える。
というわけで、西田参議院議員が先日の特命委員会で指摘した、「日本政府の国債発行残高1000兆円ということは、その分、民間の銀行預金が創出されている。国債発行残高をゼロにすると、民間の銀行預金が1000兆円消える」 は、完璧に正しい。というか、正しい、間違っているではなく、単なる現実です。
そして、政府のプライマリーバランスを黒字化するということは、「国債発行残高を減らし、民間の銀行預金を消滅させる」行為そのものなのです。日本政府は未だにPB黒字化目標を取り下げていません。つまりは、「国民のミナサ~ン、あなた方の銀行預金を減らしますよ」と、主張していることになる。
『財政健全性示す基礎的財政収支高成長でも2025年度赤字幅拡大内閣府は財政の健全性を示す指標の1つ、「基礎的財政収支」の最新の試算をまとめました。高めの経済成長を前提にしたケースでも政府が黒字化の目標とする2025年度に1兆5000億円程度の赤字を見込み防衛費の増額あって目標達成の道のりはこれまでよりも厳しさを増しています
内閣府は24日の経済財政諮問会議で、政策に充てる経費を国債などに頼らず税収などでどれだけ賄えるかを示す「基礎的財政収支」の最新の試算を示しました。最近の経済成長の実績を踏まえ、物価の変動を除いた実質、名目ともに
年間0%台半ば程度の成長率が続くと想定したケースでは
政府が黒字化を目指している2025年度は5兆1000億円程度の赤字を見込んでいます。(後略)』
わたくしが内閣府が出す「中長期の経済政策に関する試算」を注目しているのは、過去のPBの結果と、政府が「何を考えているか?」が分かるためです。
http://mtdata.jp/data_82.html#PB2301
日本のPB「赤字額」は、2020年度に56兆円にまで拡大しました。翌年、30.4兆円まで減らされた。つまりは、26兆円減少。(主に)菅政権は、対GDP比で5%近いPB縮小を強行したわけです。コロナ後の日本の回復ペースが
主要国で最低だったのは、当然すぎるほど当然なのです。
22年度は、未確定値ではありますが、PB赤字が50兆円近くにまで回復。第二次補正予算の影響が大きいのでしょう。その後の23年度以降が恐ろしく、日本政府は未だにPBを26年度に黒字化する前提になっています。22年度見込み値で50兆円のPB赤字をゼロ、マイナス(黒字)にするということは、日本経済(GDP)に10%の縮小圧力が働くことになる。
恐慌に突っ込みますな。PB黒字化とは、政治家が、
「国民の皆さん、あなた方の銀行預金を減らしますよ」と言っているのも同然だという事実を、早急に国民が共有しなければなりません。みんな、自分の銀行預金を減らされるのは嫌でしょ?
国民の皆さん、
あなた方の銀行預金を減らしますよ
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三橋貴明
国債関連の議論が活発化したことを受け、「国債は日本政府の負債。貸し手が国民」というレトリックを見かけましたが、別に国民は貸していません(国債所有に占める家計・NPOの割合はわずか1.43%)。
貸している、つまりは国債を資産として持っているのは、銀行(預金取扱機関)や保険会社といった金融機関です
(もっとも、すでに過半が日本銀行保有ですが)。
http://mtdata.jp/data_82.html#JGB2209
まあ、銀行や保険会社を「日本国民」と定義するならば、「国民が貸し手」は間違っていませんが。もっとも、日本政府の国債発行が日本国民の資産(銀行預金)を「創出する」のは確かなのです。
1.日本政府が国債を発行し、支出する(但し、調達した日銀当座預金での支払いは出来ないため、民間の市中銀行を経由する)
2.市中銀行が、我々日本国民の銀行預金残高が増える。
というわけで、西田参議院議員が先日の特命委員会で指摘した、「日本政府の国債発行残高1000兆円ということは、その分、民間の銀行預金が創出されている。国債発行残高をゼロにすると、民間の銀行預金が1000兆円消える」 は、完璧に正しい。というか、正しい、間違っているではなく、単なる現実です。
そして、政府のプライマリーバランスを黒字化するということは、「国債発行残高を減らし、民間の銀行預金を消滅させる」行為そのものなのです。日本政府は未だにPB黒字化目標を取り下げていません。つまりは、「国民のミナサ~ン、あなた方の銀行預金を減らしますよ」と、主張していることになる。
『財政健全性示す基礎的財政収支高成長でも2025年度赤字幅拡大内閣府は財政の健全性を示す指標の1つ、「基礎的財政収支」の最新の試算をまとめました。高めの経済成長を前提にしたケースでも政府が黒字化の目標とする2025年度に1兆5000億円程度の赤字を見込み防衛費の増額あって目標達成の道のりはこれまでよりも厳しさを増しています
内閣府は24日の経済財政諮問会議で、政策に充てる経費を国債などに頼らず税収などでどれだけ賄えるかを示す「基礎的財政収支」の最新の試算を示しました。最近の経済成長の実績を踏まえ、物価の変動を除いた実質、名目ともに
年間0%台半ば程度の成長率が続くと想定したケースでは
政府が黒字化を目指している2025年度は5兆1000億円程度の赤字を見込んでいます。(後略)』
わたくしが内閣府が出す「中長期の経済政策に関する試算」を注目しているのは、過去のPBの結果と、政府が「何を考えているか?」が分かるためです。
http://mtdata.jp/data_82.html#PB2301
日本のPB「赤字額」は、2020年度に56兆円にまで拡大しました。翌年、30.4兆円まで減らされた。つまりは、26兆円減少。(主に)菅政権は、対GDP比で5%近いPB縮小を強行したわけです。コロナ後の日本の回復ペースが
主要国で最低だったのは、当然すぎるほど当然なのです。
22年度は、未確定値ではありますが、PB赤字が50兆円近くにまで回復。第二次補正予算の影響が大きいのでしょう。その後の23年度以降が恐ろしく、日本政府は未だにPBを26年度に黒字化する前提になっています。22年度見込み値で50兆円のPB赤字をゼロ、マイナス(黒字)にするということは、日本経済(GDP)に10%の縮小圧力が働くことになる。
恐慌に突っ込みますな。PB黒字化とは、政治家が、
「国民の皆さん、あなた方の銀行預金を減らしますよ」と言っているのも同然だという事実を、早急に国民が共有しなければなりません。みんな、自分の銀行預金を減らされるのは嫌でしょ?
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