【メルマガ台湾は日本の生命線!】防衛省が台湾を中国領土扱い!─腰抜け防衛白書(下)
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防衛省が台湾を中国領土扱い!─腰抜け防衛白書(下)
2020/07/16/Thu
中国を「脅威」と呼ばず「懸念」と位置付けた令和2年度の防衛白書。各国に広がる「中国脅威論」にヒステリックに反撥する中国に配慮し、眼前に迫る中国の脅威の深刻さを国民に明確に伝えるのを怠る防衛省の体たらくは前回書いたとおりだが、白書は更にもう一点、やはり中国への過剰な配慮で誤った情報を国民に押し付けている。
台湾を中国領土の一部とする中国の「一つの中国」という虚構宣伝があるが、それを取り入れているのだ。第1部第2章「諸外国の防衛政策など」の第2節「中国」を開いてみよう。
■台湾を中国領土として描く中国軍「配置」「戦力」図
その第2項「軍事」には、中国の軍事政策などが詳述されるが、問題はそこに載る「中国軍の配置」図と「中国軍の戦力」図もである。
「中国軍の配置」図はアジア地図の中に中国の国土を描き、五つある戦区を色分けで示すものだ。そこでは日本、韓国、ロシア、東南アジア諸国などの周辺国は一律灰色なのだが、同じく灰色であるべき台湾には紫色を塗っている。
つまり中国領土として描かれているのだ。
「中国軍の戦力」図は文字通り、中国の「陸上戦力」「海上戦力」「航空戦力」等に関するデータを記載するものだが、なぜか「中国」の項目の横に「台湾」の項目も並べている。
それなら「中国軍と台湾軍の戦力比較」とでも図名を変えるべきだがそうはせず、「参考」だと断りながらわざわざ台湾軍の戦力データーを載せるのはなぜなのだろうか。「参考」とするなら「米国」や「日本」のデータを取り上げてもよかった訳だが、なぜ「台湾」にしたのか。明らかに「一つの中国」の宣伝に忠実であろうとしたためだろう。それ以外に理由は考えられまい。
■「中国」の括りの中に入れられた「台湾の防衛政策」
そして同じく第3項「対外関係など」を見ると、そこには「台湾との関係」「米国との関係」「ロシアとの関係」「北朝鮮との関係」「その他の諸国との関係」などの目に分かれ、一見すれば中国と台湾との関係も中国の「対外関係」の一つと位置付けているようだが、見せかけだけだ。
実際に「台湾との関係」という目を見ると、そこには何の記述もないのである。ただ「本節4項1(中国との関係)」を「参照」せよとあるだけだ。
そこでその第2節第4項を見ると、その見出しは「台湾の軍事力など」とある。
つまりこういうことだ。
すでに書いたように、第1部第2章の「諸外国の防衛政策など」の第2節は「中国」だが、その他にも第1節「米国」、 第3節「朝鮮半島」、第4節「ロシア」、第5節「大洋州」、第6節「東南アジア」等々があり、それぞれの国、地域での軍事政策、情勢などが詳述されている。しかし「台湾」という節が見当たらないのである。
しかし「台湾」に関する解説がないはずはない。それではどこにあるかと言えば、上記の第2節「中国」の第4項「台湾の軍事力など」がそれなのだ。
そこでは1つの節を設けられるほどの分量で台湾の政策や情勢について記述されているのだが、しかしそうすることはせず、わざわざ「中国」という括りに入れているのだ。
■中国の台湾への武力行使は「内戦」扱いで正当化か
白書は第2節「中国」第2項「軍事」の第2項「国防政策」において、中国の軍拡の意図をこう説明している。
───こうした中国の軍事力強化は、台湾問題への対処、具体的には台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題として念頭に置かれ、これに加えて近年では、拡大する海外権益の保護などのため、より遠方の海域での作戦遂行能力の向上も課題として念頭に置かれているものと考えられる。
この「中国の軍事力強化」は、今や国民が注目するべき日本の一大脅威。中国の目的が「台湾問題の対処」にあると白書が指摘したまでは好いのだが、なぜそこで誤った情報を国民にもたらすのか。
中国にとっての「台湾問題の対処」とは「台湾併合を目指して動く」ということだが、それについて国民に知らせるべきは、中国が台湾併合のために武力を行使した場合、それは外国の干渉を受け入れない内戦となるのか、それとも国際社会が介入するべき対外侵略戦争となるかなのである。
日本政府は台湾を中国領土と承認しない立場だが、それが台湾が中国に帰属していないからに他ならない。このように台湾が中国領土ではない以上、中国の武力行使は不法な侵略戦争となるのである。そこで中国は台湾侵略を正当化するため、「一つの中国」の立場に立つ訳だが、何と防衛省は自国政府の立場ではなく、この中国政府の立場に立っているではないか。
防衛白書で台湾を中国領土として扱い、中国が軍事的に目指すもののは「対外侵略」であることを国民に伝えようとしていないのである。
■中国からの「台湾独立」は中国プロパガンダのコピー
もう一つ重要な誤りを指摘したい。上記の通り白書には「中国の軍事力強化は、台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題」と記している訳だが、これを書いたのは中国人だろうか。
そもそもこの「台湾の独立」や「外国軍隊による台湾の独立支援」といった表現は完全に中国が常用する「一つの中国」宣伝文句そのものである。中国の領土ではない台湾が、どうして中国から独立できるというのかと、防衛省に聞きたい。
これは重大な誤りである。「中国の軍事力強化は、台湾侵略及び外国軍隊による台湾侵略の妨害を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題」と書き改めなければならない。
地政学的に見て、中国の軍事的脅威の前で台湾は、日本の生命共同体と言える存在。ところが防衛省は、その台湾を自ら進んで中国に差し出したいのか。防衛省内部に中国の勢力が浸透しているのではないか、と思わせるほどの防衛白書の記述の不可解さだ。
腰抜け防衛白書(上)─中国を「脅威」と呼べずに侮られ 20/07/15
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防衛省が台湾を中国領土扱い!─腰抜け防衛白書(下)
2020/07/16/Thu
中国を「脅威」と呼ばず「懸念」と位置付けた令和2年度の防衛白書。各国に広がる「中国脅威論」にヒステリックに反撥する中国に配慮し、眼前に迫る中国の脅威の深刻さを国民に明確に伝えるのを怠る防衛省の体たらくは前回書いたとおりだが、白書は更にもう一点、やはり中国への過剰な配慮で誤った情報を国民に押し付けている。
台湾を中国領土の一部とする中国の「一つの中国」という虚構宣伝があるが、それを取り入れているのだ。第1部第2章「諸外国の防衛政策など」の第2節「中国」を開いてみよう。
■台湾を中国領土として描く中国軍「配置」「戦力」図
その第2項「軍事」には、中国の軍事政策などが詳述されるが、問題はそこに載る「中国軍の配置」図と「中国軍の戦力」図もである。
「中国軍の配置」図はアジア地図の中に中国の国土を描き、五つある戦区を色分けで示すものだ。そこでは日本、韓国、ロシア、東南アジア諸国などの周辺国は一律灰色なのだが、同じく灰色であるべき台湾には紫色を塗っている。
つまり中国領土として描かれているのだ。
「中国軍の戦力」図は文字通り、中国の「陸上戦力」「海上戦力」「航空戦力」等に関するデータを記載するものだが、なぜか「中国」の項目の横に「台湾」の項目も並べている。
それなら「中国軍と台湾軍の戦力比較」とでも図名を変えるべきだがそうはせず、「参考」だと断りながらわざわざ台湾軍の戦力データーを載せるのはなぜなのだろうか。「参考」とするなら「米国」や「日本」のデータを取り上げてもよかった訳だが、なぜ「台湾」にしたのか。明らかに「一つの中国」の宣伝に忠実であろうとしたためだろう。それ以外に理由は考えられまい。
■「中国」の括りの中に入れられた「台湾の防衛政策」
そして同じく第3項「対外関係など」を見ると、そこには「台湾との関係」「米国との関係」「ロシアとの関係」「北朝鮮との関係」「その他の諸国との関係」などの目に分かれ、一見すれば中国と台湾との関係も中国の「対外関係」の一つと位置付けているようだが、見せかけだけだ。
実際に「台湾との関係」という目を見ると、そこには何の記述もないのである。ただ「本節4項1(中国との関係)」を「参照」せよとあるだけだ。
そこでその第2節第4項を見ると、その見出しは「台湾の軍事力など」とある。
つまりこういうことだ。
すでに書いたように、第1部第2章の「諸外国の防衛政策など」の第2節は「中国」だが、その他にも第1節「米国」、 第3節「朝鮮半島」、第4節「ロシア」、第5節「大洋州」、第6節「東南アジア」等々があり、それぞれの国、地域での軍事政策、情勢などが詳述されている。しかし「台湾」という節が見当たらないのである。
しかし「台湾」に関する解説がないはずはない。それではどこにあるかと言えば、上記の第2節「中国」の第4項「台湾の軍事力など」がそれなのだ。
そこでは1つの節を設けられるほどの分量で台湾の政策や情勢について記述されているのだが、しかしそうすることはせず、わざわざ「中国」という括りに入れているのだ。
■中国の台湾への武力行使は「内戦」扱いで正当化か
白書は第2節「中国」第2項「軍事」の第2項「国防政策」において、中国の軍拡の意図をこう説明している。
───こうした中国の軍事力強化は、台湾問題への対処、具体的には台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題として念頭に置かれ、これに加えて近年では、拡大する海外権益の保護などのため、より遠方の海域での作戦遂行能力の向上も課題として念頭に置かれているものと考えられる。
この「中国の軍事力強化」は、今や国民が注目するべき日本の一大脅威。中国の目的が「台湾問題の対処」にあると白書が指摘したまでは好いのだが、なぜそこで誤った情報を国民にもたらすのか。
中国にとっての「台湾問題の対処」とは「台湾併合を目指して動く」ということだが、それについて国民に知らせるべきは、中国が台湾併合のために武力を行使した場合、それは外国の干渉を受け入れない内戦となるのか、それとも国際社会が介入するべき対外侵略戦争となるかなのである。
日本政府は台湾を中国領土と承認しない立場だが、それが台湾が中国に帰属していないからに他ならない。このように台湾が中国領土ではない以上、中国の武力行使は不法な侵略戦争となるのである。そこで中国は台湾侵略を正当化するため、「一つの中国」の立場に立つ訳だが、何と防衛省は自国政府の立場ではなく、この中国政府の立場に立っているではないか。
防衛白書で台湾を中国領土として扱い、中国が軍事的に目指すもののは「対外侵略」であることを国民に伝えようとしていないのである。
■中国からの「台湾独立」は中国プロパガンダのコピー
もう一つ重要な誤りを指摘したい。上記の通り白書には「中国の軍事力強化は、台湾の独立及び外国軍隊による台湾の独立支援を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題」と記している訳だが、これを書いたのは中国人だろうか。
そもそもこの「台湾の独立」や「外国軍隊による台湾の独立支援」といった表現は完全に中国が常用する「一つの中国」宣伝文句そのものである。中国の領土ではない台湾が、どうして中国から独立できるというのかと、防衛省に聞きたい。
これは重大な誤りである。「中国の軍事力強化は、台湾侵略及び外国軍隊による台湾侵略の妨害を抑止・阻止する能力の向上が最優先の課題」と書き改めなければならない。
地政学的に見て、中国の軍事的脅威の前で台湾は、日本の生命共同体と言える存在。ところが防衛省は、その台湾を自ら進んで中国に差し出したいのか。防衛省内部に中国の勢力が浸透しているのではないか、と思わせるほどの防衛白書の記述の不可解さだ。
腰抜け防衛白書(上)─中国を「脅威」と呼べずに侮られ 20/07/15
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