「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024)2月10日(土曜日)
通巻第8125号 <前日発行>
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プーチン大統領、沈黙を破ってかく語りき
アメリカを本当に動かしているのは誰か、プーチンは把握している
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2024年2月6日に行われたタッカー・カールソンのプーチン大統領への独占インタビューにおける主要なプーチン発言は次の通り。
「ロシアはあなた方の敵ではありません。私たちは戦争を望んでいません。平和の準備はできています」と平和論から始めたインタビューで、プーチンはすぐさまバイデン批判に転じた。
「彼は国を運営していないと確信しています。それを確認する有力な情報源はありますが、誰が見ても明らかです。バイデン氏の選挙勝利を(私が)祝って以来、(ホワイトハウスの)誰からも電話がありません。冷戦時代よりもコミュニケーションが冷たくなっているのは不可解です。アメリカは今、暗黒の時代に突入しています。説明責任を果たせない指導者がいるのです」
(何故ウクライナへ侵略したのかと問われて)「侵略したのか、それとも侵略されたのか? 歴史を見てください。そこに住んでいる人々を見てください。歴史的に見れば、侵略されたのは我々であり、今は反撃しているだけです。土地と人々はロシア人であり、私たちはもともと私たちのものだったものを再び手に入れるでしょう」。
(トランプへの期待は?)「トランプ氏が大統領だった頃は良好な関係でした。戦争はありませんでした。私たちの関係は絶頂期にありました。ロシアは(トランプ再登場に)準備をしています。彼はウクライナでの戦闘を終わらせると約束しており、私たちはその考えを支持しています。トランプ氏は決して我々を侮辱していないからです。彼はロシアを尊敬しています。私たちは友好と信頼の立場から始めるでしょう。そうすれば、すべての問題は解決可能です」。
(ゼレンスキー氏についてどう思いますか?)「彼がロシアでコメディアンだった頃、彼のジョークに笑ったことを覚えています。再び笑いに戻りましょう」。
(イーロン・マスク氏についてはどう思われますか?)「マスク氏をビジネスマンとして見ています。彼は巨万の富を築き、多くのファンを持っています。彼はユニークな思想家であり、買収されることのない個性の持ち主です。それを恐れる人もいます。米国内に(マスクの)敵がいることは明らかです。500億ドルの資産を剥奪されたことは、特別扱いのシグナルが出されたと言えます」。
(ロシアと中国が手を組んで米国に対抗するような事態を想定していますか?)「経済的な意味ですか、それとも軍事的な意味ですか? どちらも望んでいません。米国と衝突することは私たちの利益にはなりません」。
当然と言えば当然すぎるほどに予測された回答が続いた。
だが、言葉は穏やかでもプーチンがバイデンとゼレンスキーをよく観察し、ジョークを含む余裕の批判なのである。
放映直後、米国の左翼メディアは小さく報じるか、あるいは無視した。一方、ロシア国内では大多数が見て、「タッカーは本物のジャーナリストね」「ロシアへの偏見を解いて呉れた」と評価する街頭インタビュー(「スプートニク」)、賞賛に満ちた『プラウダ』とは別にリベラル派の『モスクワタイムズ』は冷ややかな反応だった。
さて筆者の印象と言えば、プーチンはアメリカを本当に動かしているのは誰々かを冷静に分析し認識していること。その情報解析能力の高さ、しかも巧妙に穏健な語彙で、示唆に富む回答をしていることだった。
バイデン大統領いかに大声上げて追加予算を呼号しても、ウクライナ支援予算は議会を通過しない。おんな戦争屋(ヌーランド)、廊下鳶の軽量級(ブリンケン)が走り回ってもアメリカの民意はバイデンの戦争政策から離れた。議会を動かしているのはトランプである。まるで闇将軍のごとくに。
世論をニューヨークタイムズがリードしてきた時代は終わり左翼プロパガンダより、タッカー・カールソンが保守陣営の指標となった。そしてこうした発言を支え、アメリカの言論の自由を守っているのはイーロン・マスクであるとう現実、その軽量化できない力関係をプーチンはふかく認識している
令和六年(2024)2月10日(土曜日)
通巻第8125号 <前日発行>
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プーチン大統領、沈黙を破ってかく語りき
アメリカを本当に動かしているのは誰か、プーチンは把握している
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2024年2月6日に行われたタッカー・カールソンのプーチン大統領への独占インタビューにおける主要なプーチン発言は次の通り。
「ロシアはあなた方の敵ではありません。私たちは戦争を望んでいません。平和の準備はできています」と平和論から始めたインタビューで、プーチンはすぐさまバイデン批判に転じた。
「彼は国を運営していないと確信しています。それを確認する有力な情報源はありますが、誰が見ても明らかです。バイデン氏の選挙勝利を(私が)祝って以来、(ホワイトハウスの)誰からも電話がありません。冷戦時代よりもコミュニケーションが冷たくなっているのは不可解です。アメリカは今、暗黒の時代に突入しています。説明責任を果たせない指導者がいるのです」
(何故ウクライナへ侵略したのかと問われて)「侵略したのか、それとも侵略されたのか? 歴史を見てください。そこに住んでいる人々を見てください。歴史的に見れば、侵略されたのは我々であり、今は反撃しているだけです。土地と人々はロシア人であり、私たちはもともと私たちのものだったものを再び手に入れるでしょう」。
(トランプへの期待は?)「トランプ氏が大統領だった頃は良好な関係でした。戦争はありませんでした。私たちの関係は絶頂期にありました。ロシアは(トランプ再登場に)準備をしています。彼はウクライナでの戦闘を終わらせると約束しており、私たちはその考えを支持しています。トランプ氏は決して我々を侮辱していないからです。彼はロシアを尊敬しています。私たちは友好と信頼の立場から始めるでしょう。そうすれば、すべての問題は解決可能です」。
(ゼレンスキー氏についてどう思いますか?)「彼がロシアでコメディアンだった頃、彼のジョークに笑ったことを覚えています。再び笑いに戻りましょう」。
(イーロン・マスク氏についてはどう思われますか?)「マスク氏をビジネスマンとして見ています。彼は巨万の富を築き、多くのファンを持っています。彼はユニークな思想家であり、買収されることのない個性の持ち主です。それを恐れる人もいます。米国内に(マスクの)敵がいることは明らかです。500億ドルの資産を剥奪されたことは、特別扱いのシグナルが出されたと言えます」。
(ロシアと中国が手を組んで米国に対抗するような事態を想定していますか?)「経済的な意味ですか、それとも軍事的な意味ですか? どちらも望んでいません。米国と衝突することは私たちの利益にはなりません」。
当然と言えば当然すぎるほどに予測された回答が続いた。
だが、言葉は穏やかでもプーチンがバイデンとゼレンスキーをよく観察し、ジョークを含む余裕の批判なのである。
放映直後、米国の左翼メディアは小さく報じるか、あるいは無視した。一方、ロシア国内では大多数が見て、「タッカーは本物のジャーナリストね」「ロシアへの偏見を解いて呉れた」と評価する街頭インタビュー(「スプートニク」)、賞賛に満ちた『プラウダ』とは別にリベラル派の『モスクワタイムズ』は冷ややかな反応だった。
さて筆者の印象と言えば、プーチンはアメリカを本当に動かしているのは誰々かを冷静に分析し認識していること。その情報解析能力の高さ、しかも巧妙に穏健な語彙で、示唆に富む回答をしていることだった。
バイデン大統領いかに大声上げて追加予算を呼号しても、ウクライナ支援予算は議会を通過しない。おんな戦争屋(ヌーランド)、廊下鳶の軽量級(ブリンケン)が走り回ってもアメリカの民意はバイデンの戦争政策から離れた。議会を動かしているのはトランプである。まるで闇将軍のごとくに。
世論をニューヨークタイムズがリードしてきた時代は終わり左翼プロパガンダより、タッカー・カールソンが保守陣営の指標となった。そしてこうした発言を支え、アメリカの言論の自由を守っているのはイーロン・マスクであるとう現実、その軽量化できない力関係をプーチンはふかく認識している
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