沖縄・台湾友の会

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武漢の死者は少なくとも公表数字の二倍(CIA、大統領に報告)   非常事態宣言後も43万人が中国から米国へ入国した

2020-04-08 19:59:48 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月5日(日曜日)
          通巻6434号
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 武漢の死者は少なくとも公表数字の二倍(CIA、大統領に報告)
  非常事態宣言後も43万人が中国から米国へ入国した
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 米国は非常事態宣言後も、43万人が海外から米国へ入国し、また4万人前後が海外へ出かけたことが分かった。
とくに全米17都市に中国からの直行便があり、爾来、1300便が米国各地へ飛来している。

 トランプ大統領は4月4日の記者会見で「犠牲者はもっと増えるだろう」と予測し、またマスク着用を要請した。GEやデルタ航空の子会社まで、マスクの生産にはいった。国防権限法に基づく「国防生産法」が法源である。
 同時にトランプ大統領は11月3日の大統領選挙日程には変更はないとした。

 CIAの大統領への報告では「いまも中国では6000万人が封鎖された地域におり、武漢だけでも死者は5000人以上だろう。事態はもっと深刻なはずだ」とした。トランプ政権は中国発表の数字情報を「信用していない」(ポンペオ国務長官)とする姿勢を貫いている。

 米国の感染者は三十万人を突破しており、死者は8千人を超えた。
ニューヨークだけでも感染者が113784名、死者は3565名(いずれも4月4日)。クオも知事は「四日ら六日がピークになるだろう」と述べた。

 ちなみに東京は一日で感染者が百名を越えた。アベマスクは評判芳しくないが、のろのろと対応してきた日本政府の対策に批判が集中しているだけで、どこからも抜本的な対策の声が聞こえない。

西側の失業保険、インソルバンシー(債務超過)の危機   米国は既に1000万人が失業保険申請。アイルランドの失業率25%

2020-04-08 19:57:14 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月4日(土曜日)
          通巻6433号
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 西側の失業保険、インソルバンシー(債務超過)の危機
  米国は既に1000万人が失業保険申請。アイルランドの失業率25%
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 1929年から33年頃までの世界恐慌時代、失業率は30%を超えた。大不況を帳消しにしたのは戦争だった。
 トランプ政権は2兆ドルの財政支出を電光石火のごとくに決めた。失業保険の申請は、弐週間でゆうに一千万人を突破し、原資の枯渇が憂慮されている。

 EUは緊縮財政の掛け声をすっぽりと忘れ、1000億ユーロ(12兆円)の財政支援をとりあえず決定した。

 アイルランドでは感染者が急拡大し、一日だけで402名(4月2日)、累計3849名。死者は合計で98名。すでに30万の失業者、中小零細が支援を求めて、悲鳴を挙げている。アイルランド中央銀行は、「まもなく失業率は25%になる」と警告した。

 アイルランドは十九世紀初頭からのジャガイモの不作により飢饉に襲われ、多くがカナダとアメリカへ移民となって、低所得の重労働に従事した。
アイルランド移民の末裔がJFKであり、レーガンだった。レーガンばかりかアイルランド移民の末裔は ビル・クリントンもバイデンも、そしてマイク・ペンス副大統領も御先祖様たちはアイルランドからやってきた。

 1820年代から始まったアイリッシュ移民は労働力として現場の重労働の堪え、そこへ苦力(クーリー)で中国からの労働者がじゃかすかとやってきたため、強烈な排斥運動が起きた。同じことが再現されることはないが、現在アメリカ国民の12%がアイルランド系だ。またアイルランドから米国への移民ブームが起こるか。BREXITで英国と揉めている場合ではなくなった。

バングラデシュ、突然の破局。繊維産業で100万人が失業   西側ブランドの縫製工場、注文が殆どキャンセル。現場に悲鳴が

2020-04-08 19:54:05 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和二年(2020)4月3日(金曜日)弐
          通巻6432号
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 バングラデシュ、突然の破局。繊維産業で100万人が失業
  西側ブランドの縫製工場、注文が殆どキャンセル。現場に悲鳴が
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 過去数年、バングラデシュのGDP成長率は6%から8%という高い数字を重ねてきたため瞠目するエコノミストが多かった。
とくに中国など外国企業の進出が続いた。繊維、雑貨、スポーツシューズ、玩具など、川下産業が賃金の安さを求めて、工場建設、拡大、輸出増大という拡大スパイラルに乗って、景気は良かった。

 この現象はインドからパキスタンにかけても同様だが、とくに繊維産業はバングラとスリランカに集中して投資が行われた。

 中国発コロナ・ウィルスは世界的規模で小売り、デパート、洋装チェーンに客足が途絶えた。ZARAもH&Mも、ユニクロもベネトンも、急減する売り上げに顔面蒼白、いくつかの店舗をたたみ始めた。
こうなると次期シーズンの注文をキャンセルせざるを得ない。

 BGMEA(バングラデシュ服飾輸出組合)の統計に拠れば、失われた注文残はバングラデシュ全体で24億ポンド(邦貨換算3200億円)。経済のパイが小さく、アパレルはバングラデシュの輸出の主力であり、経済の展望がいきなり黒雲、雷雨。

 ファーストレティリング(9983)の販売網「ユニクロ」はバングラデシュでグラミンと合弁で十数の店舗を展開している。消費が急減し、中国の店舗のみならず韓国も苦戦、そして日本の販売もガタ落ちとなって、同社の株価はピークの70230円から、40940円(4月2日)に急落した。下落率は42%。日経新聞は下落率トップ、押し下げに貢献した、と書いた。

 首都ダッカの外国人居住区は豪華マンション、ショッピングモールが立ち並び、インテリアのかねをかけたレストランからワインバーもある。数年前に日本人多数が銃殺されたテロ事件も、この周辺のレストランだった。

 H&M,Tesco,ZARA、NEXT,MarkSpencer等はバングラデシュに注文を出して、生産中だった13億ポンド分をキャンセル、およそ300社ある繊維、アパレル工場は、悲鳴を挙げながら従業員、とりわけ女性のミシン工を解雇。その数は百万人にのぼる。百万の失業が最貧国に溢れたのである。

 ミシン女工の賃金は月収5000円くらいで、付近の農村から大挙、押しかける。この収入で一家の食費を賄っている世帯が多いため、解雇は農村経済に致命的となる。

 数年前、バングラデシュのダッカに滞在中、早朝、ぞろぞろと歩いて工場へ出勤する女性の大群にぶつかったことがある。じつに壮観。合計二百万の女工さんが輸出の担い手だったのだ。

 HMなどは注文した分に関しては支払いを約束しているが、夏物衣料のあと秋のシーズンの新規注文は途切れている。
おそら同じ光景が、アパレル工場が蝟集するタイとミャンマー国境、カンボジア、ベトナム、スリランカなどで展開されているに違いない。