沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

【メルマガ日台共栄:第3636号】

2020-01-15 13:43:41 | 日記
【メルマガ日台共栄:第3636号】 茂木外相や泉代表 に続き菅官房長官も蔡英文氏再選で改めて政府見解を表明


1>> 茂木外相や泉代表に続き菅官房長官も蔡英文氏再選で改めて政府見解を表明

 1月11日に蔡英文氏が総統選挙で再選されたことを受け、その夜、茂木敏充・外務大臣は祝意を
表す下記の談話を日本語と英語で発出した。

1 1月11日,台湾の総統選挙において蔡英文(さい・えいぶん)氏が再選されました。民主的な
  選挙の円滑な実施と同氏の再選に祝意を表します。

2 台湾は我が国にとって,基本的な価値観を共有し,緊密な経済関係と人的往来を有する重要な
  パートナーであり,大切な友人です。政府としては,台湾との関係を非政府間の実務関係とし
  て維持していくとの立場を踏まえ,日台間の協力と交流の更なる深化を図っていく考えです。

3 台湾をめぐる問題については,当事者間の直接の対話により平和的に解決されること,また地
  域の平和と安定に寄与することを期待します。

◆外務省HP:台湾総統選挙の結果について(外務大臣談話)[1月11日]
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_005552.html

 また、同じくこの夜の10時過ぎ、日本台湾交流協会台北事務所の泉裕泰代表も日本台湾交流協会
の公式フェイスブックに中国語と日本語で祝意を表し、「日台関係を更に一層の高みに推し進める
よう,全力を尽くす所存」と高らかに意気込みをつづった。

<このたびの台湾における民主的な選挙の成功裏の実施と,蔡英文総統の当選に,日本台湾交流協
会台北事務所を代表して衷心からの祝意を表します。

 着任ご挨拶の際,蔡英文総統からは,ともに日台関係の新しい時代を切り拓いていきましょうと
のお言葉をいただきました。

 本職といたしましても,蔡英文総統と引き続き協力できることを心強くかつ光栄に思うととも
に,日台関係を更に一層の高みに推し進めるよう,全力を尽くす所存であります。>

◆日本台湾交流協会facebook:泉裕泰・日本台湾交流協会台北事務所代表[1月11日]
 https://www.facebook.com/JiaoliuxiehuiTPEculture/

 さらに、当選翌日の12日には、日本台湾交流協会の大橋光夫会長は蔡英文総統に直接祝意を伝え
るため総統府に蔡英文氏を表敬訪問している。その模様は、総統府のホームページに4枚の写真と
ともに掲載されている。

◆総統府HP:總統接見「日本台灣交流協會會長大橋光夫」
 https://www.president.gov.tw/News/25173?fbclid=IwAR17hvXYJVlggSiH3Y930i-h4TRkVNiyAXCd8sWGBlaEqDam5tecSEjCbn8

 菅義偉・内閣官房長官も1月14日、閣議後の定例記者会見において「日台間の協力と交流のさら
なる深化を図っていきたい」と述べ、目新しさはないが、改めて日本政府の台湾に対する見解を示
した。この会見では、中国政府から抗議があったことも明らかにしている。NHK「NEWS WEB」
の記事を紹介したい。

 それにしても、蔡英文氏の総統当選を祝福する日本政府に抗議するとはなんともえげつないやり
口だ。品性下劣とはこのことだろう。中国政府は、馬英九氏が総統に当選したときには祝意を表し
て祝電を送っているのだ。わかりやすいと言えばわかりやすいが、自己中そのものだ。

 茂木外務大臣が述べた「当事者間の直接の対話により平和的に解決されること,また地域の平和
と安定に寄与することを期待します」とは、日本政府の公式見解だ。

 それなら、中国の習近平主席が昨年1月2日の「台湾同胞に告げる書」発表40周年記念大会で、
「一国二制度」による台湾統一に言及するとともに「われわれは、武力の使用を放棄することを約
束せず、あらゆる必要な措置を取る選択肢を保有する」と堂々と宣言したのだから、中国からの抗
議に、日本政府は「台湾への武力行使発言を撤回せよ」「発言を撤回しないなら、国賓としての来
日招請を取り止める」とくらい返すべきではなかったのか。

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台湾との協力と交流 深化を」蔡総統再選受け官房長官
【NHK NEWS WEB:2020年1月14日】

 台湾の総統選挙で蔡英文総統が再選されたことについて、菅官房長官は台湾との非政府間の実務
的な関係を維持するとした従来からの日本政府の立場を踏まえ、協力と交流をさらに深めていきた
いという考えを示しました。

 今月11日に行われた台湾の総統選挙では中国に対抗姿勢を示す蔡英文総統が過去最多となる800
万を超える票を獲得して再選されました。

 これについて菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「台湾は基本的な価値感を共有し、緊密な経
済関係と人的往来を有する重要なパートナーであり大切な友人だ。政府としては台湾との関係を非
政府間の実務関係として維持していくという従来からの立場を踏まえ、日台間の協力と交流のさら
なる深化を図っていきたい」と述べました。

 一方、蔡総統の再選を巡り、アメリカや日本などの政府高官が祝意を表したことに中国が反発し
ていることに関連して、菅官房長官は中国側から抗議があったことを明らかにしました。



「宮崎正弘の国際情勢解題」

2020-01-15 13:36:41 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和弐年(2020)1月15日(水曜日)弐
         通巻6340号   
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 台湾総統選に勝った民進党、戦い済んで、「勝利の美酒」も醒めて
  次の目標は2024年、頼清徳(副総統)政権の実現ではないのか?
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 1月11日、結果は以前から小誌も予想した通り、台湾総統は蔡英文が再認された。
史上初の810万票という「勝利の美酒」に酔うのは一夜限り。結果を分析すれば、投票率が75%で若者の参加が目立ったのに、この新有権者は民進党ではなく、新党へ流れていた。

何を言っているのか、よく分からないがニューモードの「台湾民衆党」(何文哲台北市長が率いる)がいきなりの五議席。この犠牲となって宋楚諭の「親民党」は4・6%の得票があったにもかかわらず(5%ルールに従って)五議席からゼロへ。まさに壊党の危機に陥った。つまり新旧交代がはっきりと出たのだ。新世代からすれば、民進党も古いのだ。

 同時に民進党は立法委員選挙では7階席減、国民党は3議席増となり、支持率は国民党が6%増だった。具体的な数次をみると、これでは「大勝利」とは言えないのである。

 この事実は重要である。台湾の有権者は満腔の賛意を示したのではない。それもこれも蔡英文への「消極的」な支持であることを証明しており、他方で国民党は「中国共産党の番犬」でしかないが、いまだに39%の台湾有権者が、この政党を支持しているという奇妙な乖離をいかに説明できるのか。

 今後四年、台湾政治が前途多難なことは指摘するまでもない。
当面、一国両制度をきっぱりと拒否し「現状維持」を継続しつつ、アメリカの支援を拡大し、2024年に備えることになるだろう。
極言すれば、蔡英文政権は次の独立を主張する政権への「つなぎ」であり、2024年に頼清徳政権実現へ向けて、党内結束を強固な態勢とする必要に迫られる。
民進党支持者の多くが頼清徳を信任するのは、かれが台湾独立を明確に志向しているからだ。
アメリカで言えばペンス副大統領のように、安定を堅持しつつも、着実に実績を積み上げる。頼清徳にとって次期総統への道は険しいが、難関はむしろ党内の四つの派閥をうまくまとめる指導力が発揮できるのかどうかにかかっている。

五月の正式就任まで、頼清徳(副総統に就任する)はフリーの立場にある。
ということは、訪米、訪日のチャンスであり、日本にきて人脈を増やし、或いは安部首相と懇談の機会も設営が可能、靖国神社への参拝も、現時点では自由は立場だから北京としては歯ぎしりしつつ、見ている他はないだろう。
  ともかく台湾総統選挙、大勝という印象と実態とはかくも隔たりがある。

「宮崎正弘の国際情勢解題」

2020-01-15 07:58:01 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和弐年(2020)1月15日(水曜日)
         通巻6339号   
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 フィリピンは中国と軍事演習の傍ら、博徒、売春婦を摘発
  こなた小国へ台湾断交を迫り、他方で中国との友好都市を破棄
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 フィリピンにおける中国ヤクザの浸透(これも「浸透作戦」?)は凄まじいことになっている。
就中、マカティではギャンブルに負けて、借金が払えるまで拉致される事件が相次いでいる。賭場に売春婦が屯しているのも、世界の常識に近いが(アムステルダムの飾り窓にも中国人がいるうえ、あの一帯はいまやチャイナタウンである)、中国のシンジケートのやり方は新手だった。

 朝の通勤電車、一昔前は八割の人々が文庫か、日経新聞を読んでいた。いまはスマホ、それも新聞記事を読んでいるのは珍しく、大半が漫画か、ゲームである。そのスマホにおけるゲームも、複雑多岐で、画面も繊細、ゲームルールも高度化している。若者は、そのハイテク化にすぐになじむのだろう。

 何を言いたいか。
 いまアジア各地にはびこるオフショアギャンブルの実態が、このゲーム感覚の麻痺である。仮想空間でゲームに負けても、中国のヤクザシンジケートは追いかけてくるのだ。借金が支払えず、もし若い女性なら、売春組織に売られる。ヤクザが賭場と組んでいるケースが多いという。

 マニラ首都圏マカティは、カジノが認められ、いま40万の中国人が溢れ、犯罪が横行し、ヤクザのシンジケートが浸透し、借金返済替わりに、若者らがゲームで客を釣るアルバイトを強要され、フィリピン国家警察が拘束した中国人売春婦だけでも数百の単位に登った。日本もIRが本格化すれば、いずれそうなる危険性が高い。いや札幌の歓楽街「すすきの」は事実上チャイナタウン化しているというではないか。

 一方でドゥテルテ比大統領は親中路線を突っ走りつつ、スカボロー岩礁問題を棚上げし、中国海軍と比海軍とは合同演習を繰り広げた。

 中国は南太平洋の島嶼国家に金をばらまきながら近づき、バヌアツ、フィジー、パプアニューギニア、トンガ、ソロモンなど次々と籠絡して台湾と断交させた。
 国交は断絶したが、他方、中国のやりかたに反感を強める動きも顕在化し、ベトナムでフィリピンで、「中国は出て行け」の抗議デモが盛んである。

 同時に、チェコのプラハは、上海との友好都市を破棄した。チェコと中国は外交的にうまくやっており、一帯一路に前向き。しかし首都は、中国人を嫌い友好都市はやめようと言い出した。

 香港大乱、台湾における中国の浸透作戦の失敗と蔡英文大勝利の裏で、不思議なことが陸続と起きていた。