5月の連休は良く晴れて、暑い日が続いて、終わった。。
連休ーとはいえ、会社員でもない身であるから、関係ないといえばない。指導に行ってる太極拳教室が休み。連休は混雑するから、何処に行くにもこの時期は避けよう、という目安にする程度だ。
それでも、風が強かったが日射しは初夏のような連休の一日、終了間際の「史上の印象派展〜ビュールレ・コレクション」を観に新国立美術館まで。
”印象派”と括られる作品群にはあまり興味はなかったのだが、今回の目玉であるルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンベール嬢(可愛いイレーヌ)」は、その作品に纏わる背景が興味深く、「やっぱり実物を観てみたい!混雑しててもいいから、並んでもいいから、絶対観よう!」と固い決心をして(!?)出かけたのであった(実際に並んだのは20分程度)。
「史上の印象派展〜」は、印象派に限らずその前後の、主に18世紀後半から20世紀前半までのヨーロッパ絵画の流れを、ビュールレというコレクターの眼を通して一望できる展覧会であった。
アングル、ドガ、ルノワール、モネ、ドラクロワ、シスレー、マネ、セザンヌ。。。。ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、ブラック。。。。
見慣れた画家達の作品がテーマごとにまとめられて展示されている。
最初の第1章の部屋は、”肖像画”。肖像画って、大好き!
そこに描かれた当時の人物像を観ていると、なんとなく性格や、社会的な背景や、衣装の変遷やいろいろなことが思い浮かぶ。と同時に、写真がまだない時代に、こんなにも性格に人間を描くことができる画家の力にも感嘆する。
途中には、大好きなシスレーやマネの風景画の部屋もあり、それぞれ見どころたっぷり。
で、「第5章 印象派の人物ードガとルノワール」に、”可愛いイレーヌ”がいる。
小さな作品なのだが、薄暗い部屋の中で、そこだけ光を発するように(言えば)気が集中しているのである。光を浴びて、軽やかに流れる金髪やドレスの色彩、生き生きと透明感のあるふっくらした肌や瞳。。
描かれた当時のイレーヌの年齢そのままを留めた作品は、その後の時代の流れを考えるとなんとも美しく、儚く、だからこそ一層輝いて見えるのであった。
でね、ワタシ的には、展示されていた6点のゴッホの作品のうち、ミレーのモチーフで描かれた「二人の農夫」「日没を背に種まく人」と、「花咲くマロニエの枝」がすごく良かった!ゴッホを見直した!と言っても過言ではないくらいだ(エラソーではありますが)。
第10章の最後の部屋には、「新たなる絵画の地平」として、モネの作品「睡蓮の池、緑の反映」が壁一面に展示されている。
「写真撮影OK」ということもあってか、画の前は妙に空いていて(他の作品では顔を近づけて眺めていたのに)、皆スマホ片手に写真を撮りまくっている。画を鑑賞しているとは思えないなぁ〜。。。
ずいぶん前に、フランスに行ったときに、オランジュリー美術館で楕円形の壁一面に描かれた睡蓮の池の画をみて感動して、翌日すぐにパリ版”はとバス”に乗ってジベルニーのモネの家に行ったっけ。
モネの家には、壁一面に日本の浮世絵が掛かり、庭には睡蓮の池と色とりどりの花が咲き乱れて、絵のままの風景が広がっていた。そんなこんなあの時の光や軽やかな風を思い出して、ウキウキ気分で帰ったのでありました。
ワタシも一応撮りました。モネの「睡蓮の池〜緑の反映」。