あっという間に1年は終わる。
今年は、太極拳の練習においては、形意拳と八卦掌を体験できたことが大きな収穫だった。
品川区連でこの2~3年行っている「形意拳入門講習会」は、陸 瑶先生に指導をお願いしているのだが、北京出身の陸先生は、8歳の頃から形意拳を始めて、以来いろいろな武術、太極拳を習ってきている。
年に2回か3回の講習会でしか話を聞く機会はないが、その時々に、自分の太極拳の練習にとても参考になる言葉を発見することが多い。
例えば、前回の講習会の時は「化勁」について。
”化”という文字には、中国語では”溶かす”という意味があるのだと。
「化勁」とは、だから、相手の力を溶かして(化)、それから明勁で打ち込む~なるほど!推手はこれか!
また、「形意拳は、身体をまとめて前に前に打ち出していく」
これに対して「太極拳は、身体を開いて膨らんでそれで(相手が)弾かれる」
と。
う~ん、確かに!。よっく分かりました。
ワタシの師である三代一美先生も、何年か前、「緩むと膨らむのよ」と説明していたが、それだよね。
太極拳は「八方を支える」と言うが、身体を上下左右前後に分けて開いて身体を中から膨らませることで(=棚勁)相手を弾いて倒す(ここ数年大阪で講習会を行っている陳式太極拳の張 東武先生からも、「太極拳は棚勁ということが出来る」と聞いた)。
さらに、前回は、「腰から手が打ち出される」ということを、腰から肩に向かってぐぐ~っと触って感じさせてもらった。だから肩が下がるのね~。
で、気がついたのが「これって、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』を観た時の感じと同じだ~!」。
9月に観たマシュー・ボーンの『白鳥の湖』は、演じるダンサーは男性が中心。
男性が踊る白鳥は、動きが力強く、しかも優雅で美しい。
上半身は裸だから、後ろから見ると背中の動きがよ~く見える。
手が、本当に、腰から伸びているのだ!人間の手じゃなく、白鳥の羽根に見えるよ!
その後で、陸先生の「形意拳入門講習会」があって、腰から背中~肩をぐぐぃ~んと触ってもらい、
「手は腰から繋がっている」と感じて、意識してみると、肩も肘も関節がなくなったようにのびのびと広がっていくのでありました!
バレエも太極拳も、同じだ~!!
というワケで、まだまだ学ぶことは多く、自分自身の身体の開拓の余地はある、と深く感じた2014年。
来年も、”自分の身体を探る・知る・感じる” 練習(つまりは感覚を磨く、ってことだ)に励もうと、心を新たにする大晦日でありました。