いわをのニューヨークでSink or Swim!?

「Sink or Swim」=「いちかばちか、やってみるしかない」の意。
だって、一度きりの人生だもの。

終わっちゃったよ、楽しかった!ニューヨークシティ・マラソンを終えて

2015-11-06 09:34:19 | スポーツ

楽しく完走!ニューヨークシティ・マラソン2015                      ⓒShinya Suzuki

終わってしまった。
ニューヨークシティ・マラソン2015が。
ぽっかり心に穴が空いたように、すでに寂しい。
が、寂しがってばかりもいられない。
次に向けて、前進です!

今年は天候に恵まれたレース当日。
例年より暖かく、拍子抜けするほどの気温(13~15℃)で、スタート地点で待機しなければならないランナーにとってはありがたい限り。
終日雨にふられることもなく、日差しが強すぎることもなく、とてもいい気候だった。


世界最大規模といわれるこのニューヨークシティ・マラソン。
今年の参加者は50,235人で、最終的にゴールしたのは49,617人。
ニューヨーク市の5つの行政区(スタテン島、ブルックリン、クイーンズ、マンハッタン、ブロンクス)
が全てコースになっており、走りながら移り行くニューヨークの街並みを楽しめることはもちろん、
それぞれのエリアの特色が感じられるのが最大の魅力だが、やはり素晴らしいレースだと実感。

この街のことが、ニューヨーカーのことがもっともっともっと大好きになった。
共に走り抜けたランナーはもちろん、応援してくれた友人、知人、ニューヨーカー、支えてくれたボランティア…
全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。


今年のニューヨークシティ・マラソンのハイライト。

スタートはスタテン島から。
このスタテン島に行くのが結構な大仕事。

スタテン島にはランナーたちのスタート時間&色別(さらにそのスタート時間別に加えて色別でも別れている)に
エリアが区分けされており、スムースにスタート地点まで誘導される仕組みになっている。
また、いくつかのテントでは、ベーグルやコーヒー、紅茶、エナジーバーなどの
朝食やギブアウェイグッズも配られている。


スポンサーのひとつであるダンキン・ドーナッツはコーヒーの提供。あっちゃんと。
朝のコーヒー、すんごく飲みたかったけれど、私はすでにお腹いっぱい&胸いっぱいでコーヒーはパス


スタートまで色々なランナーとの交流ありで、緊張もほぐれる。
あれだけ人数がいる中で、ばったりスタート地点で会う知人もいるから面白いものです。

なんせ50,000人という人数が走るため、スタート時間がいくつかに分かれている。
大きく分けて、Wave1から4まで、約1時間の間に4グループが時間差でスタート。
私はWave3の10:40amスタートに。



スタート地点直前に積まれるランナーたちの脱ぎ捨てた服


これら、Goodwillにしっかり寄付されるのです



NYPDの協力あってこそのセキュリティ



Looking Good Runners!って、おねーさんもLooking good!



いよいよスタート。
いざ、26.2マイルのランニング・ジャーニーのはじまり、はじまり。
ヴェラザノ・ブリッジを渡ってブルックリンへ入ります


このスタート地点で毎度、フランク・シナトラの「ニューヨーク・ニューヨーク」が流れる。
それを聞くだけで涙。
ニューヨークを代表するイベントの際(例えば、タイムズスクエアでの年越しカウントダウンで年が明けた瞬間も定番のBGM)
はよく流れるこの名曲だが、よくぞニューヨークシティ・マラソンのスタートに選んでくれた。
ゴールでなくて、スタートというこの瞬間がたまらないの。


ヴェラザノ・ブリッジを渡り切ったら、そこはブルックリン。
私の愛するブルックリン。
おぉ、マイ・ホームよ!
それだけで胸が躍る。



マイ・ホーム、ブルックリンで応援してくれたはるこさん。9マイル(約15Km)地点。
走っているというよりは、反復横とびしているようにしか見えない


ご近所の友達はるこさんとご主人のピーターがブルックリンで応援してくれると。
予め2人のいる場所を聞いていたので、走りながら目を凝らしていたのだが、どうやら見過ごしていたよう。
あーぁ、と思っていたら後ろから呼ばれる声が。

はるこさんが見えたその瞬間、私は思わず歓喜の奇声を上げると共に逆走して
はるこさんとピーターの元へ駆け寄っていた。
何と迷惑なランナー!
今思えば、そのときの記憶が定かでないのだが、身体が、脚が勝手に動いていたのです。

ただでさえ、溢れんばかりの応援の人々でいっっっぱいの歩道。
それだけでも嬉しいのに、その中に知っている友人や知人を見つけられると、その嬉しさは計り知れないものなのです。
疲れが一気に吹っ飛びます。

もう少し強かったら、あばら骨にヒビが入るんではないか?という程のアツいハグが、何よりものエナジーチャージ。


そこから、ニューヨークシティ・マラソンの中でも私の大好きなコースのひとつ、ブルックリンのLafayette Av.沿いを走り抜ける。
ここはかつて、私がブルックリン生活を始めるきっかけになった場所。
そう、この通り沿いのアパートに住んでいたのが、7年前。

光陰矢のごとし!

当時、ニューヨークシティ・マラソンのコースになっていたことは知っていたが、
まさかその時は、このランナーたちの中に混じって走ることになるとは想像もしていなかったのだから。


5つの行政区それぞれの変わりめが橋になっているのだが、その橋がこれまたキーポイントになっている。
橋の上というのは基本応援がない、もしくは少ないので、黙々と走る。
さらに、距離で言ってもキツいポイントとなっているため、橋を渡る際は自分との闘いだ。
と、私は想っている。


やはり嬉しい、クイーンズ・ボロー橋を渡り切って、マンハッタンにはいったときのあの歓声。
ひたすら1Avを北上していくも、途切れない応援に胸がアツくなるのです

マンハッタンに入ってすぐの16マイル(約25.6km)地点にある給水所で、
レゲエマラソン・ランナーの友でありReggae Runnerzのリーダー、Lisaと感動の再会。
Reggae Runnerzの皆はこの給水所のボランティア。

その後、マンハッタンをひたすら北上し、ブロンクスへ。
ブロンクスへ突入する際の橋の上では日の丸が揺れていた。
それを見て、声をかけないはずがない。

こちら(ランナー)から応援してくれている方へ声をかけることも大切だと思うのです。
そう、積極的ランナーにならないと。
応援ありがとうと、自分からパワーをお返しするつもりで。

例えば、日の丸を持って応援してくれている方々だって、ひとりひとり日本人を見分けるのは大変だと思う。
が、こちらから日本語で挨拶すれば、まず皆、日本人だと分かってくれ手を降ってくれたり激励の言葉をくれたりする。
日の丸を見つけるとやはり嬉しいものです。

し、偶然にもランナーの知り合いが日の丸を持って応援している姿を発見。
嬉しさに声が弾む。


ブロンクスからマンハッタン(ハーレム)へ戻ってきた瞬間の嬉しさと辛さは何とも言いようがない。
ちょうど22マイル(約35km)付近、結構キツいぜというところでさらに。
5Avってこんなに緩やかな坂だったっけ?とふと思う。
右手(東側)がひたすらセントラルパークなので、やけに長く感じるというのもある。

とはいえ、この付近で嬉しい心強い応援がいてくれた。
私の初めてのニューヨークシティ・マラソンのときも同じこの場所で応援してくれたなみちゃん。

「111st×5AV、セントラルパーク側のKFCの前に、グレーのスカーフを振っています」
という情報を元に、マンハッタンに入り5AVを下りだしてからそわそわしてしょうがない。
だって、絶対会いたいじゃない。
疲れたーなんて言っていられないのだ。


KFC、KFC、、、しかし、あんなセントラルパーク近い5AVにケンタッキーなんてあったっけ?
と思いながら走っていたら、前方に見えてきたのだ。
優雅に揺れるグレーのスカーフが。

ん?KFC(ケンタッキー)ないけど?と、まだそんなことを思っていたら。
KFCって、Kennedy Fried Chickenだった。
そっか、そうだよね。このエリア(ハーレム)ではKFCと言ったらケネディ・フライド・チキンだよね
とつい自分で突っ込むほど。


なみちゃんとご主人のしんやさん目がけて私も思わず全力で両手を振っていたら、      ⓒShinya Suzuki
その界隈にいた方々が手を出してくれて、ハイ・タッチせずにはいられない



なみちゃんが高級チョコを差し出してくれた。                      ⓒShinya Suzuki
思わず素。
素すぎる


しかしながら、しんやさんからカメラを向けられたので、



いえーい。                                      ⓒShinya Suzuki
びっくり箱から出てきたみたいになっちゃったよ

何分くらいのやりとりだっただろうか。
記憶は定かでない。
ただ、あのちょうどきっつーいポイントでこうして友達と会えてまたしてもガソリン補給だったことは間違いない。
会えたコーフンも冷めきらないまま、ふと我にかえり、
「あ、そうだ、タイムそこそこいい感じてきてるからいくね」と、
何ともエラそー(別にアスリートでもないのに、でも自分なりの目標タイムに届きそうだったのです)なひと言を放ち、
後ろ髪を引かれるようにしてそこを去りました。


一応ガッツポーズしたつもりだったけど、ガッツになってなかった。             ⓒShinya Suzuki
こぶしが弱いね

その後、クライアントの集団を見つけてまたしてもキャーキャーと嬉しさアップ。

ここまでくればもうあとは、思い切りゴール目指して突っ走るしかないと思いなおす。
とはいえ、ここからの3マイル(約5km弱)が長いのだが。。

その後セントラルパーク内に入り、24マイル(約約38km)、25マイル(約40km)の表示が出てくる。
あぁ、昨日(前日)の5Kレースで見たこの表示、ついにここまで来たのかとここで妙に感慨深い。
一旦パークを出て、Central Park Southを横断。
ここも緩やかな坂だこと。
この時点で、あと、800mという表示が。
心ばかりが焦る。

ようやくコロンバスサークルまで来て、再びセントラルパークへ。
もうゴールまであと、、少し。
どうしよう、終わっちゃうよ。
という何だかざわざわする思いのまま、突っ走る。

段々と歓声が大きくなってくる。
と同時に、見えてきた。
FINISHの看板が。

オーマイガーッ

この時ばかりは叫んだ。
見えているフィニッシュライン目指して最後の力を振り絞り、駆け抜けた。


無事にゴール
感極まるというわけではなく、本当に素直に「終わった。。」
それが一番の感想。

と同時に、終わっちゃったよ~という焦燥感。
もっと最後ラストスパート、感動の世界に浸ればよかったかなとさえ思った。

ゴール後の皆の笑顔がこれまた最高。



嬉しい瞬間はやはり、メダルをかけてもらえたとき



ランナーの皆、よくやった。
歩きながら皆それぞれ、色々なことを思っているでしょう


4:09:04。
目標としていたタイムが達成された。
正直、夏くらいからレースまでの約3ヶ月はしっかりトレーニングできておらず、
もしかしたら途中で足がもつれたりつったりするかもしれない、、、という不安を抱えてもいたのだが。



                                            ⓒShinya Suzuki
目標タイムとそれにあわせたマイル(1マイル≒1.6km)ごとのペース配分が記されているリストバンド。
EXPOにてもらえます。
フルマラソンになると、いつものハーフマラソンのペースで走ればいいというものでもなく、
どれだけペースを崩さずにいくか、というのがキーになるため、私は結構ペース配分の参考にしている。
ゴールのタイムは5分ごと(確か)に設定されている


天候と体調もよかったことはもちろんだが、素直に嬉しい。
同時に、マラソンの日々のトレーニングの重要性を、身を持って分かった気がした。
さすがに26.2マイル(42.195km)走り切るには、直前に長距離走れたから大丈夫というわけでもないというか。

継続は力なり、とはまさにこのことかと。
そして、自身で体調を管理することの重要性も。
普段どんなに調子良くても、レース当日にその万全な状態を持ってこられなければ意味がない。


マラソンはこの走る行為の中に色々なドラマがあり、
それぞれの人の抱える想いやストーリーが反映されている気がして、それが魅力であるのだな、と、思わずにはいられません。


ゴール後、応援してくれた友人、なみちゃんとしんやさんと再会                ⓒShinya Suzuki



                                            ⓒShinya Suzuki
私の初めてのニューヨークシティ・マラソン参加から応援してくれている心強い味方、なみちゃん


つらつらと長くなってしまったが、

とーっても楽しかった!そして、I love New York soooo much!

このひとことに尽きます。


マラソン。
走るというとてもシンプルなことだけれど、このシンプルなスポーツを通して感じたり学ぶことは無限大だ。
身体だけでなく、精神面においても色々な意味でのトレーニングになる。
そして、ゴールがあるようでない。

レースに参加すると記録が残る以上、前回よりもいい記録を、、と挑戦したい欲が出てくるのは確か。
ただ、日々身体を壊さずに走れる環境を作っておくことも心と身体の大切なメンテナンスなのだと実感した。

これからも、この大好きな街を思いきり走れるよう、毎日に感謝し精進していきます。



ニューヨークシティ・マラソン翌日の月曜。
ゴール付近でポスト・レースのイベントがあったので、立ち寄ってみた。


セントラルパークにひかれるこの青いラインがゴールまで一直線の目印



FINISH LINE(ゴール)のバラシがされていました。
もう、来年のニューヨークシティ・マラソンが楽しみです


もとい。
これを忘れてはならない。
あと1ヶ月後に迫った、ジャマイカでのレゲエマラソンです!
Xデーは12月5日(土)5:15AM。

告知は後日たっぷりと。
よろしくお願いします!