三津嚴島神社ブログ

愛媛県松山市神田町に鎮座する嚴島神社の神主の記録

北方領土が見える納沙布金刀比羅神社にて北方領土早期復帰祈願祭を行いました。

2024年06月21日 | 神道青年会
若手神主の全国組織である神道青年全国協議会の創立75周年記念事業として
納沙布金刀比羅神社境内に建立されている「北方領土の碑」の前で北方領土早期復帰祈願祭を斎行致しました。
 
初めて行った日本最東端岬である根室の納沙布岬では、3キロしか離れていない北方四島の一つである歯舞群島を目視することができます。
画像ではわかりにくいですが、目視でははっきり見えます。
こんなに近い島を80年近くロシアに不法占拠された状態であることに絶句…。
悔しい気持ちと共に、大変危険な状態だとも感じました。

日本はロシアより早く、北方四島(択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島)の存在を知り、
多くの日本人がこの地域に渡航するとともに、徐々にこれらの島々の統治を確立しました。
それ以前も、ロシアの勢力がウルップ島より南にまで及んだことは一度もありませんでした。
1855年、日本とロシアとの間で全く平和的、友好的な形で調印された日魯通好条約(下田条約)は、
当時自然に成立していた択捉島とウルップ島の間の国境をそのまま確認するものでした。

それ以降も、北方四島が外国の領土となったことはありません。

しかし、第二次大戦末期の1945年8月9日、ソ連は、当時まだ有効であった日ソ中立条約に違反して対日参戦し、
日本がポツダム宣言を受諾した後の同年8月28日から遅くとも9月5日までの間に北方四島の全てを占領しました。
当時四島にはソ連人は一人もおらず、日本人は四島全体で約1万7千人が住んでいましたが、
ソ連は1946年に四島を一方的に自国領に「編入」し、1948年までに全ての日本人を強制退去させました。
今日に至るまでソ連、ロシアによる不法占拠が続いています。

外務省HPより抜粋

 

尚、歯舞群島と根室の間で昆布漁を営なんでいる方は、以前に漁師がロシア国境警備局に撃たれて死亡したこともあり、
現在はロシア側にお金を払って許可を得ないと漁すらできない状態とのこと…。
祭典以外にも「北方領土の碑」の清掃や
北方領土資料館の見学も行いました。
 
祭典前日には元色丹島の島民で語り部である得能宏先生(90歳)の講演を聞きました。
島での豊かな暮らし、ロシア人との絆、命からがら島を渡ったこと。
親族が子供を渡島する船上で亡くし、それが発見されると船から投げられてしまうので、誰にも言わずに亡骸を背負ったまま帰ってきたこと。
様々な話をしてくれました。
得能さんの体験をもとに作られたアニメ「ジョバンニの島」は9割方実話だそうですので、是非ご覧ください!
 
北海道根室高等学校の北方領土根室研究会による出前授業も行われました。
大人でも理解が進んでいないのに、高校生が授業を出来ることに驚きです。
 
領土問題は国民全体が取り返すという強い意志を持たないと解決しません。
多くの人に関心を持っていただきたいです。
今回の様子は神社巡拝家の佐々木優太さんも一緒に来てくれましたので、
YouTubeチャンネル神社ソムリエのあやかりチャンネルで今後配信予定です。

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