いせ九条の会

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海自の給油活動 元インド洋派遣海上支援部隊指揮官の評価は/山崎孝

2008-10-08 | ご投稿
10月7日の衆院予算委員会で、麻生太郎首相は、インド洋での海上自衛隊の給油活動を継続する新テロ対策特別措置法改正案の審議を進め、国際貢献の在り方を争点に衆院解散・総選挙に臨みたい考えを明らかにしました。

今までのインド洋に派遣した自衛隊の活動について、現地に派兵された海自幹部自身が、派兵の効果を否定する発言をしています。(しんぶん赤旗のHPの情報)

防衛省がさいたま市で開いた「防衛問題セミナー」(9月24日)で、元インド洋派遣海上支援部隊指揮官の久野敬市・一等海佐(自衛隊千葉地方協力本部長)は、二回派兵された体験に基づき、給油支援活動の実態を紹介しました。

同氏は、海自艦船が活動するインド洋に日本列島がすっぽり入った地図を示し、同海域の広大さを指摘。そこで海自の補給艦一隻が約15隻の外国艦船に給油していることを紹介した後、「ザルにもならないぐらいだ」と述べました。

政府はインド洋での給油活動が“テロとのたたかいに不可欠”と強調します。しかし、海自幹部の発言は、外国艦船の「海上阻止活動」がテロリストの活動を押さえるうえで“ザルですくう”ほどの効果さえないと認めた形です。

新テロ特措法成立後の今年2月から6月までの同海域での米軍を中心とする海上阻止活動の成果として同セミナーで紹介されたのは、「麻薬等の押収10件、麻薬押収量約30トン」だけ。アフガニスタンで活動するテロ勢力が捕捉された“実績”は報告されませんでした。(以上)

【NHKの番組「クローズアップ現代/タリバン復活の脅威」の情報】

10月7日の「クローズアップ現代/タリバン復活の脅威」が伝えた情報は、元インド洋派遣海上支援部隊指揮官の発言と共に、政府の国際貢献と称するインド洋での給油活動を“テロとのたたかいに不可欠”と強調していることが、本当の意味での「テロとの戦い」とは大きくずれていて、空疎な主張であることがより明確になっていることが分かります。日本政府ばかりではなくアフガニスタンにおける米国の主導する「テロとの戦い」も同様です。

番組は、一家の生活の支えであった息子を突然の夜間の空爆で失った父親の怒りを伝えていました。父親は、タリバンは家から遠く離れたところにいて家には居らなかった。アメリカが誤爆を繰り返し罪のない人々を殺し続けるのであれば、もはやタリバン側について戦う以外しかないと話します。

番組は、長老たちは、「我々は政府に従ってきたのにアメリカはなぜ爆撃をしたのだ」と話します。番組は、誤爆に抗議するデモの映像を放映し、米軍などの駐留に反発した住民がタリバン勢力に次々に加わっていると伝えています。

番組はアフガニスタン政府の政策について、都市部に力を入れてインフラ整備を行なうが、ここ数年の旱魃で苦しむ農村部に力を入れてこなかった。農民の多くは水が少なくても栽培できる大麻など麻薬栽培を行い、それをタリバンが高値で購入する。農民が経済的にタリバンに依存する構造が出来ていることを番組は伝えます。タリバンは麻薬を販売して武器の購入資金を得ていると番組は述べます。

番組は、あるタリバンの司令官にインタビューしています。その人物は「かつてはこの地域のメンバーはわずか50人ほどしか居なかったが、今では数千人まで増えて、我々は大きく前進した」と述べます。

番組は、タリバンの訓練基地がパキスタンにあるため、米軍は越境攻撃を行いパキスタンの反発を受けている。パキスタンではテロが続発していると伝えます。

番組は、アフガニスタンで活動する国連代表の「アフガニスタンでは軍事的に勝利することは出来ないだろう」という言葉を伝えました。

日本は日本国憲法の精神に則り、住民の民生の向上に役に立つ支援を行い、根っからのテロリストと住民との繋がりを分断するテロリストとの戦いを行なう。また根っからのテロリストと米軍やNATO軍の無差別な攻撃や占領政策に抵抗する人たちを区別して考えなければいけないと思います。