いせ九条の会

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2006防衛白書について/山崎孝

2006-08-03 | ご投稿
【2006防衛白書 米軍再編を「徹底実施」「日米安保強化」 初の章立て】8月2日「しんぶん赤旗」電子版より

 額賀福志郎防衛庁長官は一日の閣議で二〇〇六年版「防衛白書」を報告し、了承されました。今回の白書は「第4章 日米安全保障体制の強化」という章を初めて設け、日米軍事同盟の地球規模化と在日米軍再編の「徹底」実施を前面に掲げました。

 防衛庁によると、「日米関係の意義から施策まで包括的に取り上げる章立ては、防衛白書史上初」です。白書は、「同盟に基づく日米間の緊密な協力関係は、世界における多くの安全保障上の困難な課題に効果的に対処する上で重要な役割を果たしている」と述べ、「テロとの闘い」や「大量破壊兵器」などの課題に日米が共同対処することを示しています。

 六月末の日米首脳会談の合意文書「新世紀の日米同盟」の内容も詳述し、「世界の中の日米同盟」を強調。現行の日米軍事協力の指針(ガイドライン)に代わる新たな枠組みに関し、「今後、関係省庁や米側と議論を深めていきたい」と明記しました。

 在日米軍再編の具体的な計画を二十六ページにわたって記述。キャンプ・シュワブ(沖縄県)での米海兵隊新基地建設や岩国基地(山口県)への米空母艦載機移転などの計画を「速やかに、かつ、徹底して実施していく」と強調しています。

 自衛隊海外派兵の「本来任務化」と防衛庁の「省」昇格についても、今回の白書で初めて明記しました。政府は六月に「本来任務化」と「省」昇格のための関連法案を国会に提出しましたが、同法案の審議が一度もされていない中で取り上げています。

 白書は、イラクやインド洋への派兵などの活動に「自衛隊員が一層の誇りと自覚をもって、専念する」ために本来任務化が必要としています。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射については「極めて憂慮すべきもの」と非難。今後について「北朝鮮の弾道ミサイルの長射程化が一層進展することが予想される」との見方を示しています。(以上)

2006年の防衛白書は、世界の安全保障上問題と捉えた「テロとの闘い」や「大量破壊兵器」などの課題に、日米が共同対処するのが「世界の中の日米同盟」であることを強調しています。これは、専守防衛の自衛隊からの完全な脱皮です。

「テロとの闘い」や「大量破壊兵器」は、世界各国の共通課題ですが、イラク戦争で明らかなように、脅威が無いのに存在したと先制攻撃をする。解決方法にテロ組織と同様の一般人を巻き込む無差別攻撃で大きな問題が生まれています。この問題のある米国流の解決方法に従って、この課題を自衛隊は任務に当たることになります。

日本有事の事態が起こらず、軍事的な役割では自衛隊の存在感を国民にアピールすることが出来ず、災害救援を活動することで自衛隊を国民に広く認知させてきた自衛隊の姿ではありません。この自衛隊の姿を国民が容認することが、日本の安全にプラスになるとは思えません。私たちは米国が世界で行っていることをますます注意を払わなければならないと思います。