いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

米政府、北朝鮮のテロ支援国家指定を解除する/山崎孝

2008-10-12 | ご投稿
(2008年10月12日の中日新聞HPより) 【ワシントン=岩田仲弘】米政府は11日午前(日本時間12日未明)、北朝鮮と核申告内容の検証方法で合意し、北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)の核施設無能力化作業の再開を表明したのを受け、同国に対するテロ支援国家指定を解除したと発表した。指定解除は、北朝鮮によるとされる大韓航空機爆破事件を受けて1988年1月に指定して以来、20年9カ月ぶり。

 米国務省によると、北朝鮮は申告したすべての核施設に加え、未申告の施設でも両国の合意を前提に、専門家が立ち入り検査し、サンプル採取を含むさまざまな検証方法を受け入れることで合意。検証の際には、国際原子力機関(IAEA)が「重要な諮問的、補佐的な役割を担う」ことでも一致した。

 また、すべての検証手段はプルトニウムによる核開発だけでなくウラン濃縮による核開発や他国への核拡散についても適用されるという。

 これを受けて、ブッシュ大統領が最終的にテロ支援国家指定の解除を決断した。ただ、米政府高官は11日、解除は「暫定的なもの」と説明。北朝鮮が今回合意した検証方法に反する行為をすれば再びテロ支援国家に指定すると述べた。

 米国務省のソン・キム6カ国協議担当特使は同日、一連の動きを受けて「今月中に6カ国協議を開きたい」と語った。

 ブッシュ大統領は今年6月末、北朝鮮が核計画を申告したため、議会に指定解除方針を通告。通告から45日が過ぎた8月11日にも発効可能だったが、具体的な検証方法について米朝間で合意に至らなかったため、米政府は解除を先送りしていた。

 北朝鮮はこれに反発し、核施設の無能力化作業を中断。寧辺の核施設の再稼働準備を本格化させた。

 このためヒル国務次官補が訪朝し、北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官らと協議。ライス国務長官が10日、日本、韓国、中国の外相とそれぞれ電話で会談し、米政府の方針を説明していた。

【コメント】中日新聞は《すべての検証手段はプルトニウムによる核開発だけでなくウラン濃縮による核開発や他国への核拡散についても適用されるという》と伝えていますが、朝日新聞は《昨年10月の6者協議で合意した「非核化第2段階」の大きな節目となるが、北朝鮮は今後も未申告施設への検証は受け入れない構えと見られ、核兵器製造過程やウラン濃縮による核開発、核拡散の検証は、現実には難しいと見られる》と報道しています。

北朝鮮の軍事的な核の廃棄には問題を抱えたままの米政府の北朝鮮テロ指定を解除ではありますが、6者協議の最終目的である北東アジアの平和と安定のために、6者協議を動かしていくことが大切だと思います。