いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

和平の「和」を考える/山崎孝

2009-01-19 | ご投稿
【イスラエル・アラブ混成楽団 和平協議の再開を訴え】(1月19日の朝日新聞より)

 【ウィーン=関本誠】イスラエル人とアラブの若者らでつくる混成楽団「ウエスト・イースタン・ディバン・オーケストラ」が17日、ウィーンの楽友協会での公演後に記者会見し、イスラエルの攻撃停止にとどまらず、和平協議の即時再開を訴えた。

 楽団を指揮した世界的ピアニスト・指揮者でユダヤ人のダニエル・バレンボイムさんは「イスラエルの一方的停戦だけでは平和は来ない。ガザから撤退し、パレスチナと対等な立場ですぐに話し合うべきだ」と訴えた。

 楽団メンバーでフルートを演奏したイスラエル人のギー・エシエドさんは「お互いを理解し合うことが重要だ」と述べた。イスラエルに住むパレスチナ人のバイオリン奏者、ナビール・アッボードさんは「危機的な状況だからこそ対話が不可欠だ」と話した。

楽団は今年10周年を迎え、欧州各地でツアー中。エジプトとカタールの公演は両国の要請で無期限延期になった。(以上)

【コメント】イスラエル人とアラブ人混成楽団が、パレスチナ問題の和平協議の再開を訴えました。イスラエルはカザ地区を攻撃して1300人の市民を殺害しました。イスラエルの攻撃の被害ばかりではなく、国連人道問題調整事務所の報告によれば、イスラエルのガザ地区の封鎖で、昨年11月以降、ガザには1日平均6台のトラックしか入っていなく、そのために食糧がとても入手困難な状況がある。発電所への燃料供給不足で電気は1日16時間も停電する。水道は半分以上の住民に週1回数時間から水が流れない。同報告書は「人道的尊厳の危機」と述べています。イスラエルは停戦するだけでなくガザの封鎖を解かなければならないと思います。だから、ダニエル・バレンボイムさんは「イスラエルの一方的停戦だけでは平和は来ない。ガザから撤退し、パレスチナと対等な立場ですぐに話し合うべきだ」と訴えたのでした。

ところで、「和平」の「和」という元の字は、口を揃えて吹く楽器の形を表しており、「和」は音楽でいうハーモニーを奏でること。物事で言えば調和をとることだと言われています。異なる楽器が調和を取りハーモニーを奏でることは人の心を和ませます。

人々が調和を保って生きる社会を作ることが大切だと思います。

秋葉原事件のような差別意識や疎外感に駆られて、無差別殺人を犯す事件を防止できると思います。

労働経済白書が述べるような、2001年度の企業の労働分配率は75・1%であったが、2006年度は10億円以上規模の大企業は53・3%まで下がる。逆に株主配当率は上昇し2001年度の5%程度から2006年度は20・2%に上昇したような状況や極端な格差社会は調和が取れているとは言えません。

日本人の多くが職や住居を失う状況の中で充分な支援をせずに、他国で戦争をするような米兵の住宅を整備することに日本の税金を使うことは、調和が取れた政治とは言えません。

武力を行使せず相互が対等の立場で話し合うことこそ、調和の取れた関係を獲得できる方策だと思います。