いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

矛盾に満ちた公明党の改憲態度/山崎孝

2006-02-26 | ご投稿
 公明党の赤松正雄厚生労働副大臣(衆院議員)が、自民党、民主党、公明党などの改憲派議員でつくる憲法調査推進議員連盟(中山太郎会長・自民)の副会長に名を連ねていることが23日までにわかりました。

 現職の副大臣が、改憲論議の先頭に立つということは公務員の憲法尊重擁護義務(憲法99条)に抵触します。一昨年の同議連総会で野沢太三法相(当時、参院議員・自民)が同議連副会長に就任したことを本 紙(「しんぶん赤旗」)が指摘し、野沢氏は同職を辞任しました。

 赤松氏は昨年6月、公明党外交・安保部会長として9条改憲私案を発表。現行の憲法9条に「領域保全のために必要最小限度の自衛力を持ち、これを行使することまで禁じたものではない」という規定を付け加える9条改悪の提案を行いました。公明党は今年中に改憲案のとりまとめを行います。同党は「9条の問題は当然論議になる」(太田昭宏党憲法調査会座長)としており、改憲手続きを定める国民投票法案の今国会成立を目 指すことを与党幹事長会談で確認しています。

 また、民主党から岩国哲人、北橋健治両衆院議員が同議連副会長に新たに就任しました。(2006年2月24日「しんぶん赤旗」電子版引用)

赤松氏の9条改憲私案、現行の憲法9条に「領域保全のために必要最小限度の自衛力を持ち、これを行使することまで禁じたものではない」という規定を付け加えるという考えは、現行憲法の内閣法制局の解釈では個別的自衛権を持つとしていますから、改憲してまで付け加える必要性が無い規定です。現に政府 は内閣法制局の見解に基づいて自衛隊を持っています。このことを公明党支持者の方はよく理解して欲しいと思います。

太田昭宏公明党憲法調査会座長の「9条の問題は当然論議になる」という考えと、2005年11月27日のNHK番組で太田昭宏氏が語った「自衛軍についてわが党は賛成できない。現憲法の平和主義は大事な項目 」との関連がよくわからない。平和主義を守ることは憲法9条に手を加えないことではないかと思います。憲法改定の潮流に乗ることと矛盾します。このことも公明党支持者の皆さんは理解して欲しいと思います。

2005年9月28日の朝日新聞「この人に聞きたい」で、公明党代表神崎武法氏が述べた、憲法の「9条の1項と2項は堅持し、集団的自衛権の行使は認めない。そこは揺るがない。9条で合意できなければ、連立そのものに響いてくる」という考えは、憲法を変えてはならない立場と一致しています。神崎武法氏が述べた「憲法の「9条の1項と2項は堅持し、集団的自衛権の行使は認めない。そこは揺るがない。9条で合意できなければ、連立そのものに響いてくる」の言葉を、私は重く受け止めて信じたいと思います。

明確にしなければならないのは、自民党の改憲の目 的が、自衛隊と憲法の整合性を図る目 的ではなく、国民の自衛隊と憲法の規定がなんとなくぴったりとしないという気分に乗じて改憲気分を煽る。自衛軍による国際貢献を売りにして、海外で武力行使が出来る規定にする=集団的自衛権行使の解釈を自衛軍による国際貢献に潜ませる。日米協調との関係で集団的自衛権行使の必要が生まれたときは、海外で武力行使の規定を拡大解釈して適用するなどが考えられます。

自衛隊を自衛軍という軍隊にするという規定は、軍隊は個別的自衛権も集団的自衛権も持つものというのが国際社会の概念と言われますから、この軍隊の概念を国民は知って欲しいと思います。

この軍隊という概念を想定して、自民党新憲法草案の作成を推進した枡添議員は、「集団的自衛権の議論はもう済んだ」と述べているのだと思います。