いせ九条の会

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新たな悲しみと怒りが湧き起こる/山崎孝

2008-02-21 | ご投稿
【清徳丸発見は衝突12分前 衝突直前まで自動操舵】(2008年2月20日の東京新聞)

千葉県・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」(艦長・船渡健1等海佐、7、750トン)と漁船「清徳丸」(7・3トン)の衝突事故で、あたごの見張り員が事故の約12分前には清徳丸に目視で気付いていたことが20日、分かった。あたごはその後も自動操舵を続け、手動切り替えは事故1分前だった。

海上幕僚監部はこれまで、見張り員が気付いたのは約2分前とし、石破茂防衛相も19日の自民党部会で同様の説明をしていたが、事実上訂正した。

清徳丸と航行していた別の漁船のレーダーが事故の約35分前にあたごの船影をとらえていたことも判明。あたご側が早い段階で漁船に気付きながら、回避のための適切な対応を取らなかった可能性が一層高まっている。

あたごの速度は当時約10ノット(時速約18キロ)で、最初に漁船に気付いた際は3・6キロ程度離れていたとみられる。記者会見した海幕の河野克俊防衛部長は説明を変えた理由を「新たな情報が加わった」と説明。2分前と12分前に漁船の灯火に気付いた見張り員が同じ人物で、記憶の状況などから、最初に見た漁船が清徳丸と判断したとしている。(共同通信配信)

今回の事故は不可抗力の事故ではありませんでした。怠慢ともいえる「あたご」対応で、二人の漁師を冷たい冬の海に行方不明にさせた事故に、新たな悲しみと共に怒りが涌いてきます。

漁船を発見してから衝突事故が起きる前までの「あたご」の対応、事故後、防衛大臣に報告するまでの91分もかかった対応、そして事故の重要な点の経緯説明の変更など自然でないものを感じます。

このような事故を起こした責任とこのような事故を二度と起こさない決意の態度表明として石破防衛大臣は辞任すべきだと思います。

この海難事故を契機に、政府の不確実なミサイル迎撃システムに大金を投じることにも国民の関心が集まることを私は願います。軍事には大金を惜しまないが、国民のライフラインにはお金をかけず、今までの税金投入も削減する。憲法を守り生かそうとしない自民党の政治の本質が現われています。