いせ九条の会

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中国脅威論の続出/山崎孝

2006-01-19 | ご投稿
2005年12月8日の、前原民主党の軍事費を拡大する「中国は現実的脅威」から始まり、22日は麻生外相の「かなり脅威」と同調論が出ました。

2006年に入ってからは、1月15日に安倍 官房長官はNHK報道番組で、中国について「軍事面で10年以上2ケタの伸びを示している。中身については、しっかりと透明性を高めてもらいたい。人権問題についても考えてもらいたい。懸念は確かにある」と述べました。

1月19日には中川農水相は日本 外国特派員協会での質疑で、「日本 が米国に防衛や外交面についてノーと言えないのは理由があるのか」という質問に答えて「軍事的な脅威は日本 にあるわけで、日米同盟は我々は選択している以上、日本 が日米同盟に基づいて米国と対等の関係で防衛していく」と述べた上で、脅威の具体例として「北朝鮮と中国だ」と指摘しています。

外国の記者の質問は日本 を観察していて米国にノーと言えないと感じていたことがわかる。それに対する中川農水相の答えは「対等の関係で防衛してゆく」と答えるが、今までの自民党政府 の姿勢から引き出されるものは、国民の声を聞いて対等に主張するのではなく、義務だけは対等に負ってしまう可能性の方が高い。これから考えても専守防衛の壁を取り除くべきではない。

軍事的脅威も、軍事的抑止も相対的な性格のものです。敵対関係とか対抗意識を持った間柄の国家間では、双方が脅威を感じて、その対応として軍備拡大を強めあうことになります。究極的な安全保障にはなりえません。

日本 も世界有数の軍事力を備え、しかも国内に軍事超大国の米軍基地があり、米軍は世界に発進しています。そして日米共同で、宇宙から監視して敵のミサイルを迎撃する次世代型のシステムの研究開発に乗り出しています。敵のミサイルを無力化し、攻撃にもとても有利になるシステムです。

対立状態になった国がこの日米の軍事力やミサイルシステムに脅威を感じないはずがありません。

究極的な安全保障は、対立関係に陥らない外交を徹底する。国家間や民間レベルの文化や人的交流を深め理解しあう方法が一番効果的となります。そして友好と相互扶助を基本 とする多国間による安全保障体制の構築だと思います。

日本 国憲法はこれらの理念と一致していると思います。