伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

詰所(つめしょ)

2024年09月04日 | 京都
詰所とは何か。(こればっかり)


以前HPに書いたことがあるが・・・

子どもの頃は詰所が近所に沢山あり、
詰将棋をする場所かと思っていたこともある(💦)





それは東本願寺門前周辺に見られる簡易宿泊所のことである。

昔はお東さんの門前に多く見られたが、今では少なくなった。
今は単に安くで泊まれる旅館、お宿と言って良いだろう。

しかし「詰所」という名の宿泊所は東本願寺の門前に限られていて、
京都市の他の地区にはない施設だ。
(西本願寺の門前でも)



以前書いた詰所の記事↓
「詰所」
http://isabeau.d.dooo.jp/fkyoto2/tsumesho.htm



起こりは幕末の禁門の変(蛤御門の変とも言う)で、
禁門の変によるどんど焼けによって京都市内が大火事に見舞われ、
東本願寺にまで延焼した。

上京区の御所から出た火が下京区にまで到達したとは、
よほどの大火事だったのだ。(昔は木造家屋ばかりだし)
が、西本願寺は無事だったようだ。


そのどんど焼けで東本願寺の主な建物が焼失したが、
明治になって再建の動きが出た。

当時のことだから山から木を伐り、川に流して木材を調達したり…
東本願寺再建のため、宮大工だけでなく多くの門徒も力を貸した。
大きなお堂なので門徒の手伝いも必要だったのだ。
というより、全国の門徒たちが本山の危機に何とか力になりたいと、
京都に集まって来た。



宗祖・親鸞聖人は越後へ配流(流罪)された時、
越後の国でも布教した。
そのため北陸地方には浄土真宗の信者が多くいた。

明治の真宗本廟(東本願寺)の再建にあたって、
全国から真宗大谷派の門徒が京都にやって来て、再建に協力した。

この北陸地方の門徒たちも力を貸した。
彼らは交代で京都にやって来て東本願寺門前に泊まり込み、
本堂や阿弥陀堂の再建に携わった。

その時に宿泊所として詰所が開設されたのだ。
地方の門徒たちが安くで泊まれ、一定期間滞在して再建工事を手伝い、
そして交代でふるさとへ帰り次の者と交代した。
次の者がまた詰所に詰めて工事に携わった。
(それで詰所と言うようになったのだろう)


詰所は地方ごとに作られ、
当初、宿泊する者はその地方出身ごとにまとまって泊まっていた。
だから「富山県詰所」とか、北陸地方の名前をつけた詰所が多かった。




明治の再建の時には全国から門徒が再建の手伝いのためやって来たようだが、
中でも北陸地方が多かったのだろう。
今でも残っているのは北陸地方の詰所だ。



さて東本願寺の再建が成り、堂宇が完成した後も詰所はなくならなかった。
報恩講などで本山へお参りする際、
地方から出て来た門徒さんが安くで宿泊できる、
旅館施設のような形で残ったのだ。

地方ごとに言わば会員制のように泊まれる門徒のための宿泊所として、
重宝されたのだった。





とにかくとても安かったらしい。
旅館というより門徒のための宿泊所だったので
(お米も自分たちで炊けたりしたとか)
地方の門徒が本山にやって来る時に使用したという。
何しろ真宗大谷派の総本山が東本願寺なので…

昔は報恩講の時は確かに向かいの烏丸通に屋台が並んで、
賑やかだった。
報恩講ではバスを連ねて門徒が全国からやって来た。
その時泊まるのが詰所だったのだろう。




ところが最近の報恩講ではもう屋台が出ることはない。
交通が便利になり、日帰り出来るようになったり、
団体はバスで来るためホテルに泊まったり…。

屋台がなくなるにつれ、詰所も泊まる人が少なくなり、
今では詰所がずいぶん減ってしまい、数えるほどになった。

それでも今でも営業している所はある。
既に詰所というより、普通の旅館と言っていい。
というか、普通のゲストハウスに姿を変えたと言うべきだろう。
地方限定、門徒限定ではなくなり、
誰でも泊まれるし、普通の旅館として形を変え、営業しているのだ。
しかも料金は安い。

昔は町家造りの古い木造が多かったが、
今は外観も普通のビルと変わりない。






そんな中でも簾のある昔ながらの外観の詰所もあって、
頑張っているなあと思う。
一定の需要があるのだろう。




恐らく東本願寺門前のみの限られた場所にしかないと思うが、
ゲストハウスとして利用するのも良いかもしれない。
何しろ京都駅からすぐなのでアクセスが良いし、値段も安い。
詰所も新しく生まれ変わっているのだ。






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