ただの偶然なのですか

私のお気に入りと日々の感想  

映画「サン・ジャックへの道」の感想

2007年07月06日 | 映画
重い荷物を背負って徒歩で2ヶ月も旅をするなんてイヤだ~
と、ぐうたらな私は思ってしまうのですが、
それが遺産相続の条件ならば仕方が無いということで、
仲の悪い3人の兄姉弟が一緒に巡礼の旅をするというお話。

自分の荷物は自分で背負い、どんなに疲れても上り坂がきつくても、ひたすら自分の足で歩き続ける。
それは、まさに人生そのものなわけで…。
生きていくのに本当に必要な物はそう多くはないってことで、途中でいらない物を捨てて荷物を軽くしたら、生きていくのも楽になるってことなのかしら…。
そして、旅をするにも人生を生きるにも仲間は大切ってことなんでしょうね。
最初は喧嘩ばかりしていた兄姉弟が、一緒に旅をするうちに心が通じ合って、支え合うようになるのは、物語のお約束ですが…。

長い旅の間に、移り変わる風景がとても美しいです。
でも最初のころは、3人の不平不満の会話が山盛りで字幕を追うのに忙しく、風景を見る余裕がありませんでした。
でも、3人の気持ちに余裕が生まれてくるにつれて、こちらも、ゆったりした気分になって、広大な自然や美しい風景を楽しむことができるようになりました。
そして、世界遺産の建物や街並の美しさを見ていると、こちらも一緒に旅をしているような気分が味わえます。

それにしても、広大な自然の中にいても、携帯電話は手放せないのね…。
巡礼の旅の最中なのに、携帯電話で日常の生活と繋がったままっていうのはどうなのかしら…。
携帯電話で交わされる、せせこましい会話がなんだか滑稽ですが、それが日々の生活であり人生であり、しがらみなんだと身につまされたり…。

あと、個人の内面が幻想的な夢の世界で表現されるのですが、それがあまりにも芸術的すぎて???


目的地にたどり着いた達成感は、見ているだけではあまり感じられませんでした。
やっぱり、自分の足で歩かなくちゃね…。
人生は修業だ~!