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詞組の構造分類

2010年09月22日 | 中国語
 文法の学習の次のステップとして、今回からは、詞を組み合わせた詞組(連語)の単位での構文の構造について見ていきたいと思います。詞組の構造は、その組合せ関係の違いにより、大きく八つに区分されます。

                       詞組と構文分析
                 一 詞組(連語)の構造分類


 広義から言うと、詞と詞の組合せは詞組(連語)と呼ぶことができる。しかし、詞と詞の組合せは、実詞と実詞の組合せでもよいし、実詞と虚詞をそれぞれ含む組合せでもよい。ここで言おうとしている詞組は狭義のもので、すなわち専ら実詞と実詞が一定の文法上の手段(例えば“虚詞”の使用、“語序”すなわち語順の限定、等)により組合せた言語単位を指す。

 組合せの構造の違いにより、詞組は主に以下のように分類される。

(一)偏正詞組 (修飾構造の詞組)

 二つの部分から成り、前の部分は定語(限定語、連体修飾語)もしくは状語(状況語、連用修飾語)、後ろの部分が中心語である。二つの部分の間は、修飾、被修飾の関係がある。例えば:
     英雄気概
     群衆的智慧
     十分熱烈
     緊張的労働

(二)後補詞組
 二つの部分から成り、後ろの部分は前の部分を補充説明する。例えば:
     干得好
     聴不明白
     去一趟
     高興得跳起来

(三)動賓詞組 (動詞+目的語構造の詞組)
 二つの部分から成り、これらの間には支配、被支配の関係がある。例えば:
     読書
     討論問題
     来了一個人

(四)主謂詞組 (主述構造の詞組)
 二つの部分から成り、これらの間には陳述、被陳述の関係がある。例えば:
     鶏叫
     大家討論
     意志堅強
     笑容満面

(五)連合詞組
 二つ、或いはそれ以上の部分から成り、組成部分の間の関係は、あるものは並列的、あるものは選択的である。例えば:
     調査研究
     偉大而質朴
     今天或明天
     北京、上海和広州

(六)同位詞組
 二つの部分が重ねて用いられ、同一の事物を指す。例えば:
     中国的首都北京
     他們倆

(七)連動詞組
 二つの部分が連続しているが、それらの間には主述、連合、動賓(動詞+目的語)、偏正(修飾、被修飾)、補充等の関係が無いもの。例えば:
     拿筆写字
     走過去開門

(八)兼語詞組
 一つの動賓詞組と一つの主謂詞組が一組になり、動賓詞組の賓語が主謂詞組の主語を兼ねるもの。例えば:
     譲我走
     使他相信

 上記の八種類の他、これ以外の詞組もある。例えば、数量詞組、方位詞組などである。数量詞組は、数詞と量詞から成り、例えば、“三個”、“一百零八条”などである。この種の詞組は、時には更に指示代詞や形容詞が付け加わることがあり、例えば、“這三位”、“這一大塊”のようになる。方位詞組は、例えば“西湖辺”、“開会前”、“長江与黄河之間”である。

 一つの実詞は、ある種の実詞と組み合わすことができるが、別のいくつかの実詞とは組み合わすことができない。これは、それらの間に選択性があるからである。“吃”は“飯”と組合せることができるが、“床”と組合せることはできない。“甜”は“餅”と組合せることができるが、“星”と組合せることはできない。これは語彙の意味の制限を受けているからである。言いかえると、ここでの選択性は語義の上にあると言うこともできる。動詞は名詞と組み合わせて動賓関係を表すことができ、形容詞は名詞と組み合わせて偏正関係を表すことができ、名詞は動詞、或いは形容詞と組み合わせて主述関係を表すことができる。これは構文上の選択である。構文上の選択とは、各種の実詞の順序の範疇の組合せの関係が具体的に現れることを言う。例えば、形容詞は一般形容詞と非述形容詞(“非謂形容詞”、述語になることができない形容詞)に分けられるが、一般形容詞は名詞の後ろに用いて主述関係を構成することができるが、非述形容詞はそれができない。また、量詞は物量詞と動量詞に分けることができ、物量詞が構成する数量詞組は、動詞の後ろで用いて、動賓関係を構成することができる(例:“吃一碗”,“喝両杯”)。動量詞が構成する数量詞組は、動詞の後ろで用いて、後補関係を構成する(例:“跑一趟”、“読一遍”)。このような順序の範疇の選択関係は、中国語の構文の中で重要な地位を占める。

  選択関係を備えた二つの実詞は、一定の順序に基づき配列され、しばしば異なる関係を表す。ここで、三種類の語順の違いを区別しなければならない。それは、ことばの意味(語義)、ことばの活用(語用)、構文の三つである。“名詞+名詞”(偏正関係)の型に於いては、多くの異なる名詞を当てはめることができる。“玻璃窓戸”、“窓戸玻璃”は何れもこの型に属する。これらの意味が異なるのは、機能が同じ詞が入れ替わった結果である。またもう一つ例を挙げると:“你看我”と“我看你”の意味が異なるのは、“A看B”の型の中に異なる詞を入れたからで、構文は一切変わっていない。ここでの語順の変更は語義上のものである。“你哥哥来了嗎?”と“来了嗎,你哥哥?”には異なった色彩がある。後者は話をする人の気持ちが緊張しており、行為そのものが真っ先に意識に浮かびあがったので、真っ先にこう言ったのである。こうした語順の違いはことばの活用(語用)上のもので、人との交流の中で具体的な環境の必要に適応して発生したものである。“客来了”と“来客了”、“雨下了”と“下雨了”のような違いは、構文の問題に属する。ここでは“名詞+動詞”(主謂関係)から“動詞+名詞”(動賓関係)に変わったのである。

 虚詞も構文の関係を表す常用される手段である。偏正詞組の中で用いられる“的”や“地”、後補詞組の中で用いられる“得”、動詞と賓語の間で用いられる“了”、連合詞組の構成部分の間で用いられる“和”、“或”、“而”などがそうである。

【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社1995年

  以上が、詞組の構文構造の概論です。次回からは、これらの中の代表的な構文について、もう少し詳しく分析をしていきたいと思います。

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