中国語学習者のブログ

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習近平:空談誤国、実幹興邦

2012年12月01日 | 中国ニュース

                絵空事を言っていては国の進路を誤る、実行こそが国を発展させる

  習近平以下、先の第18期党大会で、中国共産党中央政治局常務委員に選出された7名が、11月29日、天安門広場の東側、人民大会堂の向かいにある、国家博物館で開催される、《復興之路》展を見学されました。これは、1840年のアヘン戦争以降、現在に至る歴史関連の文物の展示会です。見学の途中、習近平総書記がマスコミ関係者に話をされた内容が、当日の夜のニュースで報道されました。



  ここで、中華民族の昨日、今日、明日を、3つの詩に例えています。中華民族の昨日の譬えとして使ったのが、“雄関漫道真如鉄”です。


  娄山関は、遵義市(貴州省北部)北方にあり、紅軍の長征(1934年10月~1936年10月)の初期、王明らの軍事戦略ミスから多大な犠牲を出しましたが、遵義会議(1935年1月)を機会に、毛沢東が主導権を握り、遵義付近で蒋介石の国民党軍に勝利したことを表現しています。
  習近平は、この句を引用することで、1949年の中華人民共和国建国前に、中華民族が被った様々な艱難辛苦を、「昨日」の象徴としています。

  次に、中華民族の今日として、“人間正道是滄桑”の句を引用しています。



  この句は、毛沢東《人民解放軍占領南京》(1949年4月)という七言律詩の一節でもあります。この詩は、南京は天然の要害の地で、嘗て諸葛孔明が呉の都であったこの地を帝王の住むべき土地と称えたが、さしもの要害の地も、政がまずいと守ることができず、滅びるしかない。今、ここに人民解放軍が南京解放を実現した、と歌っています。   

  最後に、中華民族の明日として、“長風破浪会有時”の句が引用されています。



  この句は、南北朝の宋(420-479年)の宗愨の言葉から引用したもので、宗愨が叔父から将来の抱負を聞かれ、このように答えたと、《宋書・宗愨伝》にあります。後に、これから“乗風破浪”という成語が生まれました。

[和訳] 《復興の道》の展示会では、中華民族のこれまでを回顧し、中華民族の今日を展示し、中華民族のこれからを指し示しており、見る者に深い教育とヒントを与えている。中華民族の過去は、「険しい関所のようで、堅牢でとても突破できない」と譬えることができ、近代以降の中華民族が受けた苦難の重み、もたらされた犠牲の大きさは、世界史上でも稀に見るほどだった。けれども中国人民は決して屈服せず、たゆまず奮起し戦い、遂には自らの運命を掴み取り、自らの国家の建設という偉大なプロセスを歩みだし、愛国主義を核心とする偉大な民族精神を花開かせた。中華民族の今日は、正に「人の世の移ろいは、世のならい」と言うことができる。改革開放以来、私たちは歴史経験を総括し、絶えず懸命に探求に努め、遂に中華民族の偉大な復興の正しい道を見つけ出し、世界が注目する成果を上げた。この道こそが、中国の特色ある社会主義である。中華民族の明日は、「風に乗り波を蹴って進む」と言うことができる。アヘン戦争以来170年余りの休むことのない奮闘を経て、中華民族の偉大な復興に、明るい見通しが示された。今や、私たちは歴史上の如何なる時代より中華民族の偉大な復興という目標の近くにおり、歴史上の如何なる時代より、この目標を実現する自信があり、その能力がある。



  “落后就要挨打,発展才能自強”ですが、“落后就要挨打”はスターリンが言った言葉の引用です。



  これは、1931年スターリンの《論経済工作人員的任務》に出てくるもので、当時、ソビエトの工業化加速の議論の中でスターリンが語った言葉だそうです。

[和訳] 過去を振り返り、全党の同志諸君はしっかり覚えておきたまえ。立ち遅れは打ち倒さなければならず、発展してこそ強くなれる。現実をよく見よ。全党の諸君はしっかり覚えておきたまえ。進路が運命を決定する。正しい道を見つけるのは容易ではない。私たちは断固として歩んでいかねばならない。未来を展望するに、全党の諸君はしっかり覚えておきたまえ、青写真を現実のものにするには、まだ長い道のりを歩いて行かねばならず、私たちは長期の苦難に満ちた努力をしていかねばならない。



  ここで、“空談誤国、実幹興邦”という極めて強い調子の言葉が出てきますが、この言葉は、小平の言葉の引用です。



  1992年1月18日、小平が後に南巡講話で有名になる中国南方視察の途中、列車で武漢の漢口駅に到着した時、湖北省党委書記の関広富に語った言葉だそうです。

[和訳] 誰もがひとりひとり理想と追求があり、自分の夢がある。今、誰もがチャイニーズ・ドリームについて議論している。私はこう思う。中華民族の偉大な復興の実現こそ、中華民族の近代以来の最も偉大な夢であると。この夢には、何世代もの中国人の宿願が凝縮され、中華民族と中国人民の全体の利益を具体的に表し、中華民族の子孫ひとりひとりの共通の願いである。歴史が私たちに示すように、全ての人のこれからの運命は、国家と民族のこれからの運命と密接に関連している。国家が良く、民族が良くてはじめて、皆が良くなる。中華民族の偉大な復興は栄えある、そして困難な事業であり、各世代の中国人がいっしょにそれに向け努力する必要がある。絵空事を言っていては国の進路を誤る、実行こそが国を発展させる。私たちの世代の共産党員は、前の世代の事業を受け継ぎ、それを将来の発展につなげ、私たちの党を発展させ、中華民族の子孫全体を団結させ、国家を発展させ、民族を発展させ、引続き中華民族の偉大な復興の目標に向け奮闘し歩んで行かねばならない。



[和訳] 私は、中国共産党成立100周年には、全面的な小康社会実現の目標は、必ず実現できる、新中国成立100周年には、裕福で強い、民主的文明の、調和のとれた社会主義現代化国家実現の目標は、必ず実現できる、中華民族の偉大な復興の夢は、必ず実現できると、固く信じている。

  私も、ニュースで習近平の肉声を聞きましたが、落ち着いた、分かりやすい声で、思わず引き込まれました。

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