中国語学習者のブログ

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一把手要帯頭 (トップは率先垂範しなければならない)

2013年01月20日 | 中国ニュース

  “一把手”という言葉は、訳しにくい言葉です。文法的には、 [数詞]一+[量詞]把+[名詞]手 という構造です。量詞“把”は、取っ手の付いたものを数えますが、転じて、手に関係のある動作を数える、更に、力や能力など、抽象的なことを数えるのにも使われます。その場合、数詞の一が前につき、「かなりの」のいう意味を表します。名詞“手”はある技能を持っている人、働き手のことを言います。
   “一把手”を辞書で引くと、次のように書かれています。

 

  中国の新聞で、政治面で“一把手”が出てくると、3.の「トップ。最高幹部」の意味となることが多いようです。

  台湾の《中国時報》昨年の11月16日付、つまり共産党大会で新しい政治局常務委員7名が選出された翌日の、その内容を伝える記事の中に、このような一節がありました。



  ここに挙げられた名前は全て地方政府の党委書記で、すなわち地方政府の「トップ」です。

[訳]18期政治局委員25名中、15名は新人である。地方のトップは……を含め7名である。

  さて、1月17日付の人民日報に、 人民日報評論員 “‘一把手’要帯頭 ― 一論転作風看実効” という論説記事が掲載されました。

   “評論員”というのは、日本の新聞社で言えば、「論説委員」でしょうか。“帯頭”は率先して手本を示す、先頭に立つ、の意味で、“‘一把手’要帯頭”で、「「トップ」は率先垂範しなければならない」という意味になります。
  “一論”というのは、今後“二論”、“三論”と、“転作風看実効”をテーマにした投稿が続いてなされるという意味で、「業務改革の実際の効果を見る(その一)」ということになります。
  課題の山積する、地方政府の行政改革には、トップの率先垂範が欠かせない、というのが、この論説の主眼です。

  では、記事の本文を見ていきましょう。



  仕事のやり方を変えることは、各地の地方政府に新たな変化をもたらしている。ある会議は簡素化され、発言は短くなった。ある幹部の視察では、同行者が少なくなり、内容が実質的になった。ある地方では、大衆のための事務が速くなり、仕事の効率が向上した。これら喜ばしい新しい現象は、「トップ」の率先提唱、率先垂範と大いに関係がある。   



  良くない習慣が形成されると、しばしばその弊害は長い年月蓄積し、次第に当たり前となり、最後には「長年解決されない課題」となる。けれども、ことわざに言うように、「長年の課題も、トップが出馬すれば解決は難しくない。」業務の改革、習慣の変革は、「トップ」が鍵を握っている。「自分が正しくないのに、どうして人を正しくできるだろうか」、この素朴な道理が私たちに教えてくれるのは、習慣の変革には、上がやれば下もまねをするという、プラスのエネルギーを放出し、「トップ」の模範作用を発揮させることに長けていなければならない。他人ができることを求めるなら、自分が先ずできなければならない。自分から改め、他人がやらないよう求めることは、自分が断固としてやらない。トップが率先すれば、より強固な弊害も、改めることができる。   



  業務改革は、形式的な変化だけでなく、肝心なのはその中身である。形式上変わるだけか、それとも内容も深化するのか。やり方が変わるだけか、それともうまくやれるようになるか、それはしばしば「トップ」の態度にかかっている。業務改革には具体的な規定があり、また明確な要求がある。もし「トップ」が力を入れず、規定を「懐中電灯」にしていたのでは、他人を照らすだけである。要求が「口癖」に変わり、言うだけで内容を吟味しないようでは、どうして他人を信服させ、真の変革を実現することができるだろうか。良くない習慣に対し、「トップ」が敏感でなく、ふだんと変わらずに対処し、見慣れているので怪しまず、最後には皆が平気でこれを受入れていると、「ぬるま湯で煮られる青蛙」になってしまう。   



  業務の改革で、「トップ」の責任は山のように重く、常にどこでも率先していかねばならない。本当の腕前を見せず、痛くも痒くも思わず、もったいぶって、空芝居をするだけなら、まだやらない方がましである。深く社会の下層に入って問題を調べるのに、「ただ1回」だけ、大衆と親しく交流し、ただ「貧しい人々と酒を酌み交わす」だけ、実際の問題の解決に、ただ「一つ典型的な模範を示す」だけでは、各階層の幹部は「猫を見て虎を描く」ような、いいかげんなことしかできず、最後には人々の熱意も冷め、大衆の心を傷つけてしまう。「トップ」がうまく率先してこそ、業務改革に意欲が出、新たな風土の樹立に力が入るのである。

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