中国語学習者のブログ

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複文の構造の特徴(2): 連合複文

2010年11月01日 | 中国語
 複文は、その分句(クローズ)と分句の関係から大きく連合構造の複文と偏正構造の複文の二つに分けられます。今回は、その中でも連合構造のもの、連合複文について説明をします。

                          複文の二大類型

 分句の間の関係に基づけば、複文は連合複文と偏正複文の二つに分けることができる。

 連合複文(“聯合複句”)は二つ或いは二つ以上の分句(クローズ)が平等に接続したもので、分句の間の関係は並列的で、どちらが「主」、どちらが「従」という区分はできない。分句の間の接続は、関連語句を用いないものもあれば、専用の関連語句、例えば“又……又”、“或者……或者”、“不但……而且”、“不是……而是”などを用いるものもある。

 偏正複文(“偏正複句”)は、偏句(修飾文)と正句(被修飾文)から構成され、正句は全文の中心となる内容が述べられ、偏句は様々な関係から正句を説明、限定する。一般的な順序は偏句が前、正句が後ろである。分句の間の接続には専用の関連語句、例えば“因為……所以”、“雖然……但是”、“如果……就”、“即使……也”などを用いるものもある。

 この他、連合複文と偏正複文にはそれぞれ構造上の特徴がある。例えば“或者你去,或者我去”という複文は、拡張して“或者你去,或者我去,或者我們一塊去”となった時、二番目の分句と三番目の分句の関係は、一番目の分句と二番目の分句の関係と同じで、ここでは分句が増加しただけでなく、関係が延長している。このような構造上の特徴は、連合複文固有のものである。また、“風太大,所以比賽改期了”は“風太大,又有雨,所以比賽改期了”のように拡張した後も、依然として原因と結果の二つの部分に分けられ、分句は増加したけれども、関係の延長は見られない。これは偏正複文の構造上の特徴である。

 連合複文と偏正複文が包含する分句の間の関係は多種多様で、たいへん複雑で、一つ一つ列挙することはできない。以下に説明するいくつかの関係はよく見られるもので、分句の間の全ての関係を概括することはできない。

                           連合複文

 連合複文(“聯合複句”)の分句の間には各種の異なる関係があるが、よく見られるのは以下の四つである。

(一) 並列関係

 それぞれの分句がそれぞれいくつかの事情、状況を説明する、或いは同一の事物の異なるいくつかの面を説明するのが、並列関係である。並列関係は、通常以下の関連語句を使って表す。“也”、“又”、“還”、“另外”、“既……又(也)”、“一方面……一(另)方面”。これらの関連語句は、同類の事物の並列を表わしたり、二つの事情の併存を表したり、二つの事情の対立を表したりする。例えば:
   (1) 我們賛美英勇的斗争和艱苦的労働,賛美由此而獲得的幸福生活。
   (2) 她回答得那麼流利自然,記得那麼正確。
   (3) 這儿有密密的松樹和参天的白楊,有静静的渓流。
   (4) 我們既要有衝天的干勁,要有科学的分析。
   (5) 一方面必須対材料有高度的概括,另方面又必須在“画龍点睛”之処作細膩的加工。

 並列する分句は、関連語句を用いないこともある。例えば:
   (6) 百花斉放是一種発展藝術的方法,百家争鳴是一種発展科学的方法。

 (二) 連続(“連貫”)関係

 いくつかの分句が一つ一つ次々と連続する動作や連続する事件を説明するのが、連続(“連貫”)関係である。連続関係は通常分句の配列の順序により表わされる。例えば:
   (7)他机警地向四周掃視了一下,把手一揮,命令大家快進屋去。
・机警 機敏に。すばしこく
・掃視 さっと見渡す

 時には、後ろの分句に“又”、“就”、“便”、“然后”、“接着”などの関連語句を用いることもある。例えば:
   (8) 我們哪,第一天捜査集英雄例子,第二天編,第三天排,第四天演。
   (9) 大家討論完了領導秋収的事,接着主任便談起準備開渠的問題。
   (10) 他向着敬愛的周老師深情地挙手敬礼,然后那緊握書包的手猛一揮,転身向学校所在方向跑去。

  連続関係は並列関係と異なり、並列関係の分句が相互に呼応し、雁の隊列のように平行に配列される(“雁行式排列”)のに対し、連続関係の分句は、一列縦隊で連続して順繰りに配列(“魚貫式排列”)される。

 連続関係の複文(“連貫複句”)は連動式とは異なる。連続関係の複文の分句と分句の間には語気の停頓(書面ではコンマ(,)で表わされる)があるが、連動式の述語の中では停頓は無い。連続関係の複文の分句の間には関連語句を加えることができるが、連動式の述語の中には関連語句を加えることができない。連続関係の複文の分句は異なる主語を持つことができるが、連動式の述語は一つの主語しか持つことができない。

(三) 展開(“逓進”)関係

 展開関係(“逓進関係”)の複文とは、後ろの分句が前の分句から更に一歩進めて話を進める、内容を展開するという意味で、通常“不但(不僅、不只、不光)……而且(并且)”を用いて表す。
   (11) 我們科学工作的目的不但在于認識世界,而且在于改造世界。
   (12) 有計劃発展我国工業,不僅是很必要的,而且是很可能的。
   (13) 我們的祖国,不只土地広闊,而且物産豊富。
   (14) 我們従事科学研究,不光要有豊富的材料,而且要有正確的観点。

 上記の例文では、後ろの分句の意味は前の分句より更に一歩進んだ(“更進一層”)内容になっている。いわゆる“更進一層”、内容の展開では、範囲、数量、程度、時間、その他の面について表現することができる。したがって、更に一歩進め、展開した意味を取り込むため、多くの関連語句を用いることができる。“而且(并且)”以外に、副詞“也”、“還”、“更”なども“不但”と呼応して用いることができる。例えば:
   (15) 不但学生須要努力学習,教師要努力学習。
   (16) 到八九歳時就不但能挑能背,会種地了。

 展開関係の中で、“不但……而且”が最も良く用いられるので、これを典型様式と見做してよいだろう。“不但”は次の内容を導き(“啓下”)、“而且”は前の内容を受ける(“承上”)。前の内容を受ける語句は、次の内容を導く語句より重要で、前の内容を受ける語句があれば次の内容を導く語句が無くても構わないが、次の内容を導く語句だけあって前の内容を受ける語句が無いと文のおさまりがつかないことがある。例えば、“我不但認識他,而且了解他”という文は、“我認識他,而且了解他”と言うことができるが、“我不但認識他,了解他”と言うと、まだ文の途中で、話が終わっていない感じがする。後ろの分句に“而且”のような関連語句を加えればだいじょうぶである。

 もし文の意味が否定的なものであるなら、“不但……”の部分は“不怎様”や“没有怎様”となり、展開部分は“反倒怎様”となる。このような展開は、通常“不但……反而(反倒)”、或いは後ろの分句にのみ“反而”を用いて表される。例えば:
   (17) 風不但没停,反而越来越大了。
   (18) 孫中山的一生中,曽経無数次地向資本主義国家呼吁過援助,結果一切落空,反而遭到了無情的打撃。

 反語の語気(“反問語気”)を含んだ展開関係は、通常“尚且……何況”を用いて表される。例えば:
   (19) 這麼冷的天気,大人尚且受不住,何況是孩子?

 文の意味が一歩進み、更に一歩進んで、最大限度に至ることがある。こうした展開関係は、通常“不但……而且……甚至”を用いて表される。例えば:
   (20) 小呉不但接受了同学們的幇助,而且立即表示願意改正錯誤,甚至表示立即以実際行動将功補過。

(四) 選択関係

 二つ、或いは二つ以上の分句が、それぞれいくつかの事情を説明し、これらのいくつかの事情の中から一つを選択することを表すこと、これが選択関係である。選択関係は二つに分けられる。一つは「未定の選択」(“選択未定”)、一つは「既定の選択」(“選択已定”)である。

 いわゆる「未定の選択」とは、話者がいくつかの事情の中からどれを選定するかまだ決めていないことを指す。通常“不是……就是”、“或者……或者”、“要麼……要麼”、“是……還是”などの関連語句を用いて表す。

  “不是……就是”を用いると、断固とした口ぶりになり、二つの事情の中から必ず一つを選ばなければならないことを表し、第三の選択の可能性を排除する。関連語句は必ず対で用いられ、どちらか一方だけ使うということはできない。例えば:
   (21) 不是被困難吓倒,就是拿出勇気来戦勝困難,両者必居其一。

  “或者……或者”のような関連語句を用いると、二つの事情の中から一つを選んでもよいし、もっと多くの事情の中から一つを選んでもよく、第三の選択の可能性を排除しない。例えば:
   (22) 或者把老虎打死,或者被老虎吃掉,両者必居其一。
   (23) 在実践和認識的関係上,用実践来検験認識,還是用認識来検験認識,還是用認識来検験実践?這是辯証唯物主義認識論同唯心主義認識論的一個斗争的焦点。

 いわゆる「既定の選択」とは、話者がいつつかの事情の中から既にどれを選ぶか決まっていることを指す。通常“与其……不如”、“寧可……決不(也不)”を用いて表す。例えば:
   (24) 与其揚湯止沸,不如釜底抽薪。
・揚湯止沸 yang2tang1zhi3fei4 [成]沸いている湯をしゃくしですくっては返し、沸騰しなくなるようにする → 問題を根本的に解決できないたとえ。
・釜底抽薪 fu3di3chou1xin1 [成]釜の下から薪を抜き取る → 問題を根本から解決するたとえ。

   (25) 寧可将可作小説的材料縮成速写,決不将速写材料拉成小説。

 明らかに、“与其……不如”を用いて、選定される内容は後ろの分句である。“寧可……決不”を用いると、選定される内容は前の分句である。この二つの分句の間で、取捨選択は同時に行われる。もう一つ、“寧可……也”を用いた文では、現れるのは話者が選んだもので、捨てたものは文の言外に隠されている。例えば:
   (26) 我們寧可多几里路,要去看一看。


 【出典】胡裕樹主編《現代漢語》重訂版・上海教育出版社 1995年


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