移動して
夜に東京に辿り着き
重たい荷物を
背負って歩いて
部屋にたどり着く
いつもより狭く感じる東京と
いつもよりさらに狭く感じる部屋
気がついたら眠っていた
朝起きて
脱力感がハンパないけど
これが現実
夢から覚めたみたいだけど
撮りまくった写真は
この線を通って
HDDの中へ入っていく
まったくもう
バーチャルとリアルが
デジタルとアナログが
ごちゃごちゃにこんがらがって
はっきりしないけど
ほんとはさ
漁師とか農家とかが
いいのかもね
魚を捕る売る食べる
野菜を作る売る食べる
写真はなんだこりゃ
食べれない
まあ食べれればいいって話も出ないけど
手塚治虫の火の鳥を読んでいる
それから
東京の空は晴れて
春から冬に
タイムスリップしたみたいに
冷たい風が吹いてる
桜は散ってしまった
とにかく
旅に出て
写真を撮りまくっているときに
自分を生きていることを実感することができる
うまくいくことばかりでもないけど
単純にそれがいいのかもしれない
command I で
14031
カメラ3台で
1台はRAWもあるだろうから
8000マイくらいかな
目が覚めてきた
やっぱり重さが必要なのさ
生きてることも
写真もカメラも自分自身も
東京では軽さも必要だって言うから
もうごちゃごちゃに絡み合ったコードみたいに
いやはや
旅はすべてが
夢の中みたいなのかもしれない
帰り道に雪が降って
高速道路を走りながら
黄色い光の中で綺麗だったし
馬たちは近づいてくると
鼻で匂いを嗅いで
私を確かめていたし
カメラを向けると
ファインダー越しにこちらをみつめていた
海から吹く冷たい風と波の音
靴についた土